本日、選考委員会が行われ、選抜に出場する32校が決定しました。
昨年まで3校選ばれていた21世紀枠が2校になり、中四国地区から5校が選ばれていたのを、中国2、四国2に変更し、実質1枠減になった分が、東北と東海に回りました。個人的には中国地区が現実的に1校減らされることに関しては口惜しい気持ちがない訳ではありません。
各地区ごとの出場枠は以下の通りです。
【北海道】1
【東北】3
【関東・東京】6
【東海】3
【北信越】2
【近畿】6
【中国】2
【四国】2
【九州】4
【明治神宮枠】1 (北信越)
【21世紀枠】2
では、早速決定した出場32校を確認します。
【北海道】
北 海(北海道)3年ぶり14回目
【東北】
青森山田(青森)8年ぶり3回目
八戸学院光星(青森)5年ぶり11回目
学法石川(福島)33年ぶり4回目
【関東・東京】
作新学院(栃木)2年連続12回目
山梨学院(山梨)3年連続7回目
健大高崎(群馬)2年連続7回目
常総学院(茨城)3年ぶり11回目
中央学院(千葉)6年ぶり2回目
関東第一(東京)8年ぶり7回目
【東海】
豊 川(愛知)10年ぶり2回目
愛工大名電(愛知)12年ぶり10回目
宇治山田商(三重)16年ぶり2回目
【北信越】
星 稜(石川)2年ぶり16回目
敦賀気比(福井)4年連続11回目
日本航空石川(石川)6年ぶり3回目
【近畿】
大阪桐蔭(大阪)4年連続15回目
京都外大西(京都)8年ぶり7回目
京都国際(京都)3年ぶり2回目
耐 久(和歌山)初出場
報徳学園(兵庫)2年連続23回目
近 江(滋賀)2年ぶり7回目
【中国】
広 陵(広島)3年連続27回目
創志学園(岡山)7年ぶり4回目
【四国】
高 知(高知)3年連続21回目
阿 南 光(徳島)32年ぶり2回目
【九州】
熊本国府(熊本)初出場
明 豊(大分)3年ぶり6回目
神村学園(鹿児島)9年ぶり6回目
東海大福岡(福岡)7年ぶり3回目
【21世紀枠】
別 海(北海道)初出場
田 辺(和歌山)76年ぶり3回目
まず、21世紀枠ですが、北海道大会4強の別海は候補の9校の中では最も可能性が高いと思っていたので個人的には順当な選抜と思います。近畿大会は初戦で京都国際に1点差負けしたものの県大会では智辯和歌山、市和歌山を直接対決で下しての準優勝だったこともあって、最低限の許容範囲かと思います。何より、プレゼンの内容で左右されたり、野球以外の話題性で選ばれる学校がなかったことは、まずまずかなと思っています。
一般枠の選考も成績重視でよかったかと思います。「選抜の独自性」や「地域性」に傾きすぎると訳の分からない選抜になりますから、秋季大会の実績重視で選考されたのが禍根を残さない意味でも良い選抜方法だったと思います。関東・東京の6校目は中央学院と創価の争いになったようですが、予想通り関東5校・東京1校で収まったのでまずますかと考えます。
近畿の5校目と6校目に関しても、準々決勝で優勝した大阪桐蔭に1点差で敗れた報徳学園は順当で、残る8強の3校の中では京都国際に1点差負けの近江で決まったので予想通りでした。履正社と須磨翔風の両校はいずれも準々決勝で3点差をつけられての敗戦だったことで涙を呑みました。
明治神宮枠に相当する北信越の3校目は北陸と日本航空石川の争いになりましたが、いずれも地域性を取り上げると互角だったため、若干「震災枠」を感じさせられる選抜になったことは残念です。しかし、選ばれたのですから被災地に元気を届けられる活躍を期待しましょう。
最後に岡山です。昨年は選抜出場がなかったので2年ぶりに岡山から選抜されたのは創志学園でした。中国大会準優勝ですから順当な選抜でしたが、門馬監督就任後では初めての甲子園です。監督にはこみ上げるものがあったようですね。ここ数年はここ一番に勝てず、勝負弱いと揶揄されてきた創志でしたが、今回はそのイメージを払拭する戦いを見せてほしいものです。昨夏のおかやま山陽の8強を上回る成績を期待します。そして、21世紀枠地区候補に岡山から史上初めて選ばれた岡山城東ですが、選考前の時点で全く話題に取り上げられることもなく、私の予想でも選外でしたから、選ばれなかったのは仕方ないと思っています。秋季県大会で準優勝しているのですから、自力で甲子園に出場できるチームになってほしいと思います。仙台一、水戸一、鶴丸などが殊更に県下一の進学校と持ち上げられる報道が流れた時に、岡山城東は県下一ではないにせよ、野球部員が東大や京大に進学する実績も豊富なので進学校枠に入れてもらえなかったのは不可解です。唯一の話題が県下で唯一音楽科を持ち、OBに藤井風がいるということぐらいでした。
余談ですが、OBに鈴鹿央士がいる我が母校は当然ですが何の話題にも上がりません(笑) かつては志穂美悦子しか有名人がいなかったのですから、久しぶりのホープですのでお見知り置きください。
出場校が決まり、大会まで2か月弱となりました。
今年はどんな展開になるのか? 楽しみにしましょう。
まずは「愚行枠」ですが、話題性最優先の『毎日新聞』と日本高野連本部の傾向と一昨年春の「大分ラグビー枠」の一般枠での出場をねらって、私は富山と鹿児島の学校を予想していました(そのため、前年夏の甲子園ベスト4経験者十一名残る神村学園は落選と見ていました)。2020年も含めて直近十年で初戦対一般枠2勝25敗なので実績重視の選出をしたのでしょうが、「また北北海道か」「また和歌山か」という気持ちもあります(四回選出された福島・島根と並んだので)。トーナメントに組み込まずに同枠選出学校同士の交流試合だけならば、選出地区の偏りなど私は気にもなりませんが。
一般枠では関東地区の五番目と東海地区の選出順が予想外でした。前者は、1983年以降関東地区大会ベスト8で最多の十校選出の神奈川と最少の二校しか選出されていなかった千葉の政治力から地元でも意外の声が多数だったようです。後者は、成績順ではない選出自体は私が知っている範囲でも1985年の近畿、91年の関東、97年の近畿、2005年の近畿で見られましたが(成績上位校の落選が伴わないものに限りました)、一昨年の「聖隷クリストファーの悲劇」のアリバイ作りに思えてなりません。いずれにせよ、『毎日新聞』と日本高野連本部のサル知恵が批判の的となっていますが(苦笑)。
関東の5枠目に関しても違和感はありませんでした。東海の選抜順に関しては納得できなかったので、ここの本文では敢えて愛工大名電を上に持って行きました。逆転現象は別に構わないとは思いますが、理由の曖昧な選考は納得できません。
いずれにせよ、大会が盛り上がれば良いのですが。