◆朝日新聞が9日30日付の朝刊で、民主党の小沢一郎代表が次期選挙で国民・有権者に訴える「マニフェスト」(財源、期限・工程表付き)をスッパ抜いた。要するに「特ダネ」である。自民・公明与党が「財源の根拠を明示せよ」と民主党の政策を否定し、あくまでも現状維持に固執し、正当化しているのに対して、小沢代表が、これに応える内容である。
◆麻生首相は9月24日、所信表明しなければならないところ、もっぱら民主党に対する「代表質問」の形で追及したのには、主客逆転、攻守反転、本末転倒の感が拭えない。鳩山由紀夫幹事長が「野党になったときの準備か」と皮肉ったのも、当然であった。
政治権力を持つ「表の首相」が、権力を持たない「影の首相」に質問するのなら、いっそのこと、「影の首相」が所信表明するという逆転の構図になってきた。小沢代表が「所信表明する」と断言したのには、まさに溜飲が下がる。
小沢代表は、いよいよ「所信表明」という晴れの舞台に立ち、渾身込めた「マニフェスト」を披露することになる。これが麻生首相の代表質問に対する「答弁」となる。かねてより「日本一新」を提唱してきた小沢代表の政治思想・理念・政策が現実化に向かって驀進する。官軍を率いた西郷隆盛の気分であるに違いない。
◆しかし、それにしても、アメリカ共和党の政治家たちは、偉い。米下院で与党・共和党が反対に回り、「金融安定法案」が否決されたというのであるから、凄いことである。もともとNASAでリストラされた宇宙工学専門の技術者がウォール街になだれ込み、金融の世界におけるマネーの動きに応用し編み出したのが、金融工学であり、デリバティブであった。その異形のテクノロジーが、サブプライムローンを生み出し、多くの投資家を「大博打」に誘い込み、ついに破綻してしまったのである。こんなバクチ打ちが大損害を被ったからと言って、「国民の血税をつぎ込んで、なんで助けてやらなくてはならないのか」という素朴な、しかも真っ当な感覚が、怒りとなって大爆発し、これを与党・共和党の政治家たちが、たとえ選挙目当てであったとはいえ、反対したのは、さすがである。「バクチ打ちは、勝手に死ね」ということである。何事につけて、「自助努力」「自己責任」をモットーとするアメリカ人らしい賢明な判断と言えよう。
◆日本の方は、いかにも長閑な風景である。最も長閑なのは、永田町である。「総選挙祭り」にうつつを抜かし、「踊る阿呆に、見る阿呆」と解散・総選挙にトチ狂っている。それでも、さすがに、野党転落の危機感を募らせている自民党内から「世界恐慌が取り沙汰されているのに、ノンビリと総選挙祭りに踊り狂っていてよいのか」という声が出始めてきているそうである。まだ良識派が生息しているらしい。7月の洞爺湖サミット前から、8月、9月、10月、さらに11月へと4ヶ月、すなわち、1年の3分の1も踊り狂っていれば、大抵の政治家は、バカになる。総選挙で、バカのなから1人を選び、清き1票を投じるのは、至難の技である。国民・有権者も、この際、バカに仲間入りするしか手はなさそうである。実にバカバカしいことではあるけれど・・・。
板垣英憲マスコミ事務所
ブログランキング
◆麻生首相は9月24日、所信表明しなければならないところ、もっぱら民主党に対する「代表質問」の形で追及したのには、主客逆転、攻守反転、本末転倒の感が拭えない。鳩山由紀夫幹事長が「野党になったときの準備か」と皮肉ったのも、当然であった。
政治権力を持つ「表の首相」が、権力を持たない「影の首相」に質問するのなら、いっそのこと、「影の首相」が所信表明するという逆転の構図になってきた。小沢代表が「所信表明する」と断言したのには、まさに溜飲が下がる。
小沢代表は、いよいよ「所信表明」という晴れの舞台に立ち、渾身込めた「マニフェスト」を披露することになる。これが麻生首相の代表質問に対する「答弁」となる。かねてより「日本一新」を提唱してきた小沢代表の政治思想・理念・政策が現実化に向かって驀進する。官軍を率いた西郷隆盛の気分であるに違いない。
◆しかし、それにしても、アメリカ共和党の政治家たちは、偉い。米下院で与党・共和党が反対に回り、「金融安定法案」が否決されたというのであるから、凄いことである。もともとNASAでリストラされた宇宙工学専門の技術者がウォール街になだれ込み、金融の世界におけるマネーの動きに応用し編み出したのが、金融工学であり、デリバティブであった。その異形のテクノロジーが、サブプライムローンを生み出し、多くの投資家を「大博打」に誘い込み、ついに破綻してしまったのである。こんなバクチ打ちが大損害を被ったからと言って、「国民の血税をつぎ込んで、なんで助けてやらなくてはならないのか」という素朴な、しかも真っ当な感覚が、怒りとなって大爆発し、これを与党・共和党の政治家たちが、たとえ選挙目当てであったとはいえ、反対したのは、さすがである。「バクチ打ちは、勝手に死ね」ということである。何事につけて、「自助努力」「自己責任」をモットーとするアメリカ人らしい賢明な判断と言えよう。
◆日本の方は、いかにも長閑な風景である。最も長閑なのは、永田町である。「総選挙祭り」にうつつを抜かし、「踊る阿呆に、見る阿呆」と解散・総選挙にトチ狂っている。それでも、さすがに、野党転落の危機感を募らせている自民党内から「世界恐慌が取り沙汰されているのに、ノンビリと総選挙祭りに踊り狂っていてよいのか」という声が出始めてきているそうである。まだ良識派が生息しているらしい。7月の洞爺湖サミット前から、8月、9月、10月、さらに11月へと4ヶ月、すなわち、1年の3分の1も踊り狂っていれば、大抵の政治家は、バカになる。総選挙で、バカのなから1人を選び、清き1票を投じるのは、至難の技である。国民・有権者も、この際、バカに仲間入りするしか手はなさそうである。実にバカバカしいことではあるけれど・・・。
板垣英憲マスコミ事務所
ブログランキング