蕨市長選が19年6月2日投開票され、現在、共産党籍を持つ全国唯一の市長頼高英雄氏(55)が新人で元読売新聞記者の鈴木直志氏(50)を破り4選された。
頼高氏は、共産党市議から3度の市長選挑戦で07年に初当選、3期12年を務めた。今回の選挙戦でも、党籍を残しながら推薦を受けず無所属で出馬した。
鈴木氏も当初は、どの政党の推薦も受けない方針だったが、自民党の推薦を得て、さらに公明党市議団の支持も獲得、政党の応援を得て戦った。
頼高氏は、蕨市生まれ、埼玉大学教養学部卒、IT会社員でシステムエンジニアだった。鈴木氏は、英国レスター大学院卒。読売新聞、下野新聞記者を務めた。英国レスター大学留学。
当日有権者数は58,646人。投票率は47.85%(前回無投票、前々回の11年は53.53%)。頼高氏の得票は16,989、鈴木氏は10,684だった。
同時に行われた市議選では、定数18のうち共産党は4、公明党3、立憲民主党1、日本維新1、残りは無所属となっている。
蕨市は、広さ5.11平方kmに約75,000人が暮らす日本最小のミニ都市。人口密度は、1平方kmあたり約14,000人で、国内で最も密度の高いまち。「成人式発祥の地」として知られる。
関東甲信と東海を中心に記録的な猛暑が続く中、18年7月23日午後2時16分と同23分の2回、熊谷市で日本の観測史上最高を約5年ぶりに更新する41.1Cを記録した。(写真はヤフーから) 気象庁は同日夕の記者会見で「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している」と述べた。
これまでの最高は、13年8月12日に高知県四万十市で記録した41.0度。熊谷市は7年8月16日にも岐阜県多治見市とともに40.9度の日本最高を記録している。
23日は東京都青梅市で40.8度、多治見市で40.7度、甲府市で40.3度と4か所で最高気温が観測史上初めて40度を超えた。都内で40度以上を記録したのは観測史上初めて。都心でも39・0度まで上昇した。
この日は全国927の観測地点中、約4分の1の241地点で最高気温が35度以上の猛暑日になった。気象庁が記録をまとめている12年以降、7月の猛暑日としては最多地点数となった。また、23日で10日連続、猛暑日が100地点を超え、7月の最長を更新している。
23日は県内では、寄居町で39.9度(全国5位タイ)、所沢市で39.8度(同7位タイ)、さいたま市で39.3度を記録するなど、県内8観測地点のうち4地点で各地点の観測史上最高を記録する猛暑ぶりだった。
この記録的な酷暑は、平年より北まで張り出した太平洋高気圧の上層にチベット高気圧が重なったため、強い下降気流が生じて空気が圧縮され、気温が上昇しているのが要因。
23日に関東や東海などで特に気温が上昇したのは、「乾いたフェーン」と呼ばれる熱気が、北陸や甲信にそびえる山脈から関東平野などに吹き降ろしたのが原因と見られる。「乾いたフェーン」は、100m下降するごとに約1度温度が上昇するとされる。
熱中症による犠牲者は増える一方で、総務省消防庁が24日に発表した速報値によると、全国の死者数は22日までの1週間で65人。8年の集計開始以来、1週間あたりで過去最多となった。救急者による搬送数も2万2647人で過去最多を記録した。
異常な猛暑は、日本だけではない。北欧など北半球の各地で記録的な高温や熱波が観測されており、今後もしばらく同じ傾向が続く見通しだと、世界気象機関(WMO)は24日に発表した。「世界全体が熱波の気象パターンを示している可能性がある」という。
WMOによると、異常気象が目立つのが北欧で、ノルウェーでは、北部の北極圏で17日に7月としては最高となる33.5度を記録した。スウェーデンでは7月中旬だけで、高温と乾燥による森林火災が約50件以上起きた。
ギリシャでは、少なくとも76人が死亡した大規模な森林火災が、首都アテネ近郊で23日に発生した。ラオス南部では同日、建設中のダムが豪雨で決壊、数百人が行方不明になった。
WMOは、欧州では強力な高気圧が停滞して気象に影響を及ぼす「ブロッキング高気圧」が発生し、同じ気候が長期的に続くことで干ばつや熱波が起きているという見方を示した。
中東のオマーンでは6月末、夜間の最低気温が42.6度に達した。カナダ東部のケベック州では強い湿気を伴う熱波で高齢者を中心に数十人が死亡した。
住宅情報サイト「SUUMO」を運営する「リクルート住まいカンパニー」(東京都港区)が発表した2018年「住みたい街ランキング関東版」で、埼玉県で初めて、さいたま市の大宮が9位(昨年15位)、浦和が10位(同19位)に食い込み、トップ10入りを果たした。
ランキングは、東京都、神奈川、埼玉、千葉、茨城の4県に住む20~49歳の男女7千人を対象にインターネットでアンケートを行い、集計した。この調査は10年前からほぼ毎年実施されている。順位は、昨年の3位から初めて1位になった横浜市を筆頭に、恵比須(昨年2位)、吉祥寺(同1位)、品川(同5位)、池袋(同7位)、武蔵小杉(同6位)、新宿(同12位)、目黒(同4位)に続いて大宮、浦和となっている。
都県別にみると、神奈川が1か所、東京が7か所、埼玉が2か所で、千葉と茨城からは選ばれていない。
投票者の居住地を見ると、大宮は78.3%、浦和は84.3%と県民のシェアの高さが際立っている。さいたま市が毎年行っている市民意識調査では、約8割が「住みやすい」と回答しており、本年度の調査でも83.4%と高い割合を示した。
県下最大の商業地大宮は、新幹線やJR、私鉄合わせて12路線が乗り入れる鉄道の要衝。15年にはJR上野東京ラインが開通、都心や湘南へのアクセスが容易になった。
近くの「さいたま新都心」には、横浜アリーナの2倍の収容力を持つ「さいたまスーパーアリーナ」、さいたま 赤十字病院、県立小児医療センターがあるのも、スポーツや興業、医療の面から評価を上げている。
ここで「さいたまクリテリアム」が毎年開かれるようになったのも、さいたま市の知名度を高めている。世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」のパリでのゴールインの競り合いを、その年のトップ選手を招いて再現するものだ。
浦和もJR3駅が乗り入れ、上野東京ラインのほか湘南新宿ラインも停車する。13年の駅の高架化で駅の東西の行き来が改善され、15年には駅ビルのアトレ浦和が開業、18年3月16日には浦和駅西口の駅ビルもオープンした。大宮、浦和とも鉄道の便利さに加え、都心へ約30分程度という立地の良さが加わり、「住みやすさ」を高めている。
JR東日本が整備した7階建て「JR浦和駅西口ビル」(写真)では、15年からアトレ浦和の北と南エリアが駅の南北高架下で先行営業しており、今回1~4階の商業施設「アトレ浦和ウエストエリア」の完成で、全国農業協同組合連合会(JA全農)が100%出資の「JA全農ミートフーズ」直営のトンカツ店などのレストラン、エステサロンなど21店がオープン、計52店舗となった。5~7階には東日本スポーツ運営のフィットネスクラブ「ジェクサー・フィットネス&スパ浦和」が入居した。
1階にはJ1浦和レッズのオフィシャルショップ「レッドボルテージ」もできる。
駅の東西連絡通路と中ノ島西口バスターミナルを結ぶ地下通路の整備は、さいたま市の事業で、長さ54m、幅4m。市はサッカーJIの浦和レッズと提携し、通路の愛称を「浦和サッカーストリート」と命名、壁面にタッチ式のデジタルパネルを設置、チーム情報のほか、観光、地域イベントなどの情報が見られる。
県との玄関口の浦和駅の再開発は、1981年の伊勢丹・コルソの営業開始からの課題だった。今度の駅ビルと地下通路の開業で、残る再開発事業は、西口の南高砂地区だけとなった。
坂戸市が06年から女子栄養大学と共同で続けている葉酸を一日に400㎍(マイクログラム)摂取しようという「葉酸プロジェクト」が18年1月、NHKの「ためしてガッテン」でも取り上げられ、老人の認知症予防の面からも注目されている。
葉酸とは、字のとおり、ほうれん草、小松菜、春菊、にら、豆苗、イチゴ、アスパラガス、ブロッコリー、オクラ、モロヘイヤなど濃い緑色の葉を持つ野菜や焼きのり、煎茶、レバーなどにも含まれる水溶性のビタミンB群の一つだ。
妊娠初期時に胎児が正常に発育するために重要なビタミンで、妊娠のごく初期に赤ちゃんに神経管閉鎖障害が起こり、無脳症や二分脊椎症(運動機能や排尿、排便機能に問題が生まれる)になるのを防ぐため、妊婦に飲ませるものだった。厚生労働省は2000年、妊娠を計画している女性に対し、1日当たり400μg以上の摂取を推奨している。
米国など世界81か国では穀類への葉酸添加を義務付けている。女子栄養大学では、葉酸が体内で働くために必要なビタミンB12とB16を同時に摂取できる「葉酸米」を開発している。
葉酸はまた、認知症や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、うつ病、骨そしょう症の予防にも効果がある。日本人の約15%は遺伝子の関係で体内で葉酸を活用する能力がない。厚生労働省の基準では、成人1日あたり240マイクログラムの摂取が推奨されている。
動脈硬化の原因となる「ホモシステイン」から必須アミノ酸である「メチオニン」を生成するのに葉酸が必要とされ、不足するとホモシステインが血中に蓄積し、動脈硬化の危険が高まると考えられている。
坂戸市は、伊利市長が音頭をとり、2006年に「健康づくり政策室」を設置し、女子栄養大学の研究を健康づくりに活かす“葉酸プロジェクト”に乗りだした。
厚生労働省の1日当たり摂取推奨量240μgに対し、400μgの摂取を提唱している。このプロジェクトは2006年に内閣府より地域再生計画に認定されている。
葉酸を強化した食品開発も進めており、葉酸入りパン「さかど葉酸ブレッド」を地元企業と共同開発し学校給食にも導入しているほか、レトルトカレー、うどん、ドレッシング、たまごなどにも葉酸食品を拡大している。
地元農産物を活用したヘルシーメニューを提供する店舗を「健康づくり応援店」として認定する制度も始め、ホームページで紹介している。
その成果が現れ始めており、医療費の伸び率は県下最低の増加率に低下し、介護保険1人当たり給付費も減少を続けているという。
「甲子園」の名がつく高校生を対象とする全国的な催し物には
「俳句甲子園」、「科学の甲子園」、「数学甲子園」・・・と
色々ある。「全国学校給食甲子園」という地元食材を使って、
おいしさを競う大会があることは知らなかった。
すでに12回を迎えており、17年12月2、3日に東京・駒込の
女子栄養大学で行われた決勝大会で、越生市の越生小学校が優勝
したというニュースを東京新聞の埼玉版で見て驚いた。
主催は、特定非営利活動法人「21世紀構想研究会」。
文部科学省や農林水産省などが後援するもので、今回は2025校が
参加した。
第4次審査までで選ばれた全国6ブロックの代表12校・施設が参加
制限時間1時間以内で、栄養教諭(または学校栄養職員)と調理員の
各一人2人がチームとなって、給食6人分を作り上げ、片付けまで終わらせて
味、見た目、地場産の食材をどう使ったかを競い合った。
実際に学校給食として提供したことのある献立という条件付きで、女子栄養大学の香川明夫学長らの審査員が、献立内容、調理技術、衛生管理、チームワークに目を光らせた。
越生小から参加したのは、栄養教諭の小林洋介さん(38)と調理員の三好景一さん。唯一の男性ペアで、男性ペアが優勝したのは初めてだった。
献立を考案したのは、小林さんで完成まで一年かかった。いずれも越生町の名産を取り入れたもので、越生梅林の梅で作った「越生うめりんつくね」越生産のゆずの果汁を使った「ゆずの里ゼリー」、ごはんは、「山吹の里歴史公園」
にちなんで、ターメリックともちきびで山吹の花、枝豆で山吹の葉を表現した
「山吹の花ごはん」と5品目に郷土色を取り入れている。
新井雄啓(かつひろ)町長は、県庁で知事に報告、「野球の甲子園で優勝した
花咲徳栄高校に続いて埼玉県に『甲子園』の優勝旗を持ち帰った」と胸を張った。
(写真)
町では18年1月24日に越生中学校で教育委員や各区長、一般町民50人も
招いて試食会を行う予定。
給食用だけでなく、町の名物料理として梅見客などに売り出してみたらどうだろう。
入札情報もらし、市長と市議会議長が逮捕され、辞職 上尾市
上尾市の行政のトップ(市長)と市議会のトップ(市議会議長)が、ごみ処理施設の業務の入札予定価格などを、さいたま市の業者に漏らしたとして収賄の容疑などで埼玉県警に同時に逮捕された。県内で汚職事件で首長が逮捕されたのは、1988年の旧岩槻市以来。首長と議長の同時逮捕は初めてである。
逮捕されたのは、島村穣(みのる)市長(73)と田中守市議会議長(72)。市長は上尾市職員から“たたき上げ”、議長は“市議会のドン”と呼ばれていた。。
市長は市職員を40年務め、市民部長などを歴任、04年に市議に転身、08年に市長に初当選した。現在3期目。
議長は1999年に市議に初当選し5期目。議会の市長を支える最大会派「新政クラブ」に所属し、その重鎮。実力者で長年にわたり市議会を牛耳ってきた。市議としては市長の先輩に当たる。市議会では同じ会派「新政クラブ」に属し、市長3選の時には議長が選対本部長を務めるなど二人の関係は深かった。16年に議長に就任、議長は通算で3期目。関東市議会議長会会長も務めた。
二人に対する贈賄容疑などで逮捕されたのは、さいたま市浦和区の設備管理会社「明石産業」社長の山田明(82)と同社事務員伊藤禎甫(ていすけ)(74)の両容疑者。議長が経営する飲食店を頻繁に使うなど議長に接近していた。
逮捕容疑は、17年1月に実施されたごみ処理施設「西貝塚環境センター」で、ペットボトルを圧縮成型する「ペットボトル結束機運転管理業務」の一般競争入札を巡り、市長は16年12月から17年1月までの間に、社長から依頼を受けた議長の働きかけで、予定価格や最低制限価格を教えたというものである。
議長はあっせんの見返りに数回にわたり社長から現金数十万円を受け取ったとされ、あっせん収賄、市長は数回にわたって現金数十万円の賄賂を受け取り、受託収賄容疑に問われた。社長は逮捕容疑とは別に二人に数百万円ずつを渡したと供述している。賄賂の授受は市長室で行われたこともあったという。
県警が市長と議長を捜査の対象にしたのは、15年の別の入札で同じ環境センターの焼却炉の運転管理業務で、明石産業が業務を行うに当たって必要な条件を満たしていないのに、入札をしたという情報提供だった。
議長と明石産業が5,6年前から関係を持っていたことが分かり、県警は特別捜査本部を設置し、ほかの入札でも不正があったのではないかと調べていた。
明石産業を巡っては、以前から「黒いうわさ」がささやかれており、15年3月、「同社は入札参加条件を歪曲し、落札した」という告発文書が市議らに送られていた。
15年2月のペットボトル結束機運転の本体業務の入札で明石産業は4億5780万円で落札したが、事業規模に比べて、同社の規模や稼働体制がちいさいことが分かり、市は契約を解除した。
逮捕後、市長と議長は辞職届けを出した。さいたま地裁は18年3月23日、受託収賄などの罪で島村前市長に、懲役2年6カ月執行猶予4年、追徴金60万円を言い渡した。
同市では、図書館本館の移転先用地の取得費が不当に高いとして、市長らに購入代金などを市へ支払わせるよう求める住民訴訟も起きていた。
文化庁は17年4月27日、地域の有形、無形の文化財をテーマでまとめる「日本遺産」に「足袋蔵のまち行田」など23道府県の17件を新たに認定した。
15年から毎年認定しており、今回の第3弾で計54件となった。初年度は19件、16年度は19件を認定、行田市では当初から申請していた。県内、関東での認定は初めて。オリンピックが開かれる20年までに全都道府県に少なくとも1件、100件を認定する予定。
今回認定された中には、北海道から福井の7道県にまたがる「北前船寄港地・船主集落」、三重、滋賀両県の「忍びの里 伊賀、甲賀」、国内最北の「サムライゆかりのシルク」(山形)、景勝地と食、温泉が楽しめる「やばけい遊覧」(大分)などが含まれている。
行田市では江戸時代中期から足袋を生産してきた。
1890(明治23)年頃からミシンを導入、製品を保管する倉庫として昭和30年代前半まで足袋蔵が立ち続けた。
足袋蔵は、商品や原料を扱いやすいように、壁面に多くの柱を建てて中央の柱を少なくし、床を高くして床下の通気性を高めるなど、内部の造りに特徴がある。当初は土蔵だったが、土蔵の小屋組みは、石蔵、鉄骨煉瓦造り、鉄筋コンクリート、モルタル、木造、戦後は石蔵と多様化していった。
行田には現在、多種多様な足袋蔵が約80棟現存している。
市内には、足袋製造関連事業者が約20社ある。4社が13工程ある足袋の全工程を市内の自社工場で生産、出荷している。出荷額や出荷額は減っても現在も「日本一の生産地」であることに変わりはない。
その一つのユニフォームと足袋の製造販売会社「イザミコーポレーション」は1907(明治40)年創業。現在も年間20万足を製造している。
行田市は、市や商工会議所、自治会連合会などで構成する「行田市日本遺産推進協議会」(仮称)を立ち上げ、情報発信、人材育成などに取り組む。
一方、従来の足袋業界には属していない同市の衣料品販売会社「武蔵野ユニフォーム」では、5年前からスーツやジーンズのスニーカーやサンダルにも合うような水玉や花柄のカラフルなデザインの足袋を開発した。(写真は同社のホームページから)
「SAMURAI TABI」と命名して、仏パリを皮切りに海外進出に踏み切ったところ好評で、アジアやヨーロッパ、米国などでも営業を始める予定だという。
タイミング良く、10月には行田の老舗足袋業者の奮闘ぶりを描いた池井戸潤氏の小説「陸王」もTBSでテレビドラマ化される。
「日本遺産」への指定が「行田の足袋」復活のきっかけになるかどうか。
「なまずの里よしかわ」をうたい文句にして町おこしを図ろうとしている吉川市で17年2月18日、「市民交流センターおあしす」で全国初の「なまずサミット」が開かれた。
吉川市同様、なまずを売り物にしようとしている全国6つの市・町と佐賀県の嬉野温泉観光協会が参加、シンポジウム、吉川産なまずを使った新メニューのグルメコンテストなどが行われた。
中原恵人市長が呼びかけたもので、茨城県行方市、群馬県板倉町、岐阜県羽島市、福岡県大川市、広島県神石高原町と佐賀県嬉野温泉観光協会が参加した。
東に北浦、西に霞ヶ浦を抱える「弐湖の国」行方市では、霞ヶ浦で養殖されたアメリカナマズ(キャットフィシュ)を使った行方バーガー「なめパックン」が有名。養殖していたのが逃げ出し、ワカサギなどを食べてしまうので、有害になった魚をうまく活用した。
群馬の水郷と呼ばれる板倉町は、雷電神社参道などの川魚料理で出すナマズの天ぷらやたたき揚げで知られる。白身で淡泊で柔らかく、美味。
新幹線の停車駅として知られる羽島市は、東西を木曾川と長良川に挟まれ川魚との縁は深い。ナマズ料理も蒲焼はもちろん、ナマズ鍋、ひつまぶしと多彩。近畿大学が開発した「ウナギの味のナマズ」丼も登場した。駅前の通りで開かれる「なまずまつり」もすでに27回を重ねた。ナマズ料理を広く紹介するのが狙いだ。
大川市は筑後川下流にある日本一の家具産地。淡水と海水の混じった汽水域があり、筑後川で獲れる天然ナマズは「川アンコウ」と呼ばれる。味がアンコウに似ているからだ。これを使った「川アンコウバーガー」は大川の新しいグルメとして注目されている。「川ふぐ」と呼ばれている所もある。
400~700mの高原にあり、広島県の東部、岡山県と接する神石(じんせき)高原町は、人口9千人足らずで、お決まりの人口減が厳しい。ここにある県立油木高校は、県内唯一の農業高校。ナマズは養殖が簡単で、休耕田を利用できるので、ナマズプロジェクトを立ち上げた。
廃校になった町内の学校のプールや休耕田を利用して養殖したナマズを広島球場で、天丼などにして売ったところ完売するほどになった。このサミットではその体験を高校生が発表した。
このように町おこしがらみの話が多い中で、信仰のためナマズを一切食べないところもある。「日本三大美肌の湯」として知られる佐賀県の嬉野温泉である。
ここにある豊玉姫神社のお使いとして崇められているのが、白ナマズ。「なまず様」として神聖な存在だから、昔からなまずは一切口にしない。豊玉姫は、海の神の娘、つまり竜宮城の乙姫様で、境内の中央の「なまず社」には、長さ1.1mの白ナマズが鎮座している。美肌の神様である。
秋篠宮文仁氏らが編著の「ナマズの博覧誌」(誠文堂新光社)によると、熊本県の阿蘇神社にもナマズ信仰が残っている。
この本によると、ナマズはさまざまな形の大小2800種以上が世界に分布、各地で食用魚になっていて、養殖も行われている。東南アジアでは養殖、米国でもアメリカナマズが南部で養殖されている。世界ではウナギより食べられる量はナマズの方が多いという。
吉川市には、郷土料理「なまずのたたき揚げ」などを出す料亭や地下水で育てる日本なまずの養殖地、「純米酒・なまず御前」もある。市のイメージ・キャラクターが「なまりん」(女の子)、JR吉川駅前には金色のナマズのモニュメント、マンホールのふたや水道の仕切弁、車止めの上にもナマズがあしらわれ、6000人以上が参加する「吉川なまずの里マラソン」も開かれている。それなのに子どもたちの多くは「食べたことない」「見たことない」というのが現状と市長は嘆く。
何か町おこしナマズ振興の地震を起こしてくれるいいアイデアはないものか。
20ある政令指定都市(人口50万人以上)でさいたま市の幸福度が1位なら、47都道府県で埼玉県は17位、42ある中核市(20万人以上)で川越市は12位だというのだから。
市立中央図書館のレフェレンス・サービスに調べてもらうと、出典は「47都道府県幸福度ランキング2016年版」で、埼玉県民ならうれしくなってくるような順位がこの他にも並んでいる。
この資料集は、東洋経済新報社が出版しているもので、16年版から政令市と中核市のランキングを新たに追加した。
「日本総合研究所(日総研)」が編集し、「日本ユニシス総合技術研究所」がシステム分析で協力、TBSテレビ日曜日の「サンデーモーニング」 などに出演している評論家の寺島実郎氏(日総研理事長・会長)が監修。「幸福度の最新の通信簿」だと自称している。寺島氏は、三井物産時代、三井物産戦略研究所会長も務めた。
2013年版の寺島氏のまえがきによると、
いかなる国、地域に暮らすことが「幸福」といえるのか
一定の考える基準値を創り出そうという試み(できるだけ客観的に、データ等の要素を基に冷静に相対化した座標軸において評価しようという試み)が、この資料集の狙いである。
これまで「日本でいちばんいい県 都道府県別幸福度ランキング2013年版」、「全47都道府県幸福度ランキング2014年版」を出しており、これが第3弾目。
幸福度の解析研究の1つのきっかけになったのは、「ブータンが世界一幸福な国」とされる議論だった。
「安定した日常性」を幸福だとする「田舎の幸福」と、向上心や創造性に刺激を与える環境」を幸福だとする「都会の幸福」の差異である。
幸福とは非常に相対的なものなので、分析指標を選ぶ際、2013年版では、まず5つの基本指標(人口増加率、一人当たり県民所得、選挙投票率(国政)、財政健全度、食糧自給率、)を抽出した。次いで計50の指標を5分野(健康、文化、仕事、生活、教育)に分け、各分野をさらに2領域に分類した。計55指標である。
16年版の政令指定都市の幸福度ランキングでは、基本指標は、食糧自給率に代えて、合計特殊出生率、自殺死亡者数、勤労者世帯可処分所得を入れて、7つになり、取り上げた指標は計47になった。(写真参照)
さいたま市は、この7つの基本指標の合計が2位、仕事分野の雇用領域が4位、生活分野の個人(家族)領域が4位と、雇用や経済面での安定が、総合ランキング1位に結び付いた。
仕事分野(5位)の雇用領域(4位)の指標では、正規雇用者比率が3位。
生活分野(9位)の個人(家族)領域(4位)では、持ち家比率が4位、生活保護受給率が5位、待機児童率が15位、一人暮らし高齢者率が5位だった。
その他、さいたま市の5位以内の指標をピックアップしてみると、
基本指標(2位)では、人口増加率が4位、一人当たり市民所得が4位、財政健全度が2位、勤労者世帯可処分所得が1位。
健康分野(6位)の医療・福祉領域(14位)では、一人当たり医療費が4位、生活習慣病による死亡者数が3位。
健康分野の運動・体力領域(6位)では、健康診査受診率が2位、要介護等認定率が3位。
文化分野(10位)の余暇・娯楽領域(8位)では、教養・娯楽(サービス)支出額が1位。
文化分野の国際領域(10位)では、語学教室にかける金額が3位。
仕事分野(5位)の雇用領域(4位)では、正規雇用率比率が3位。
生活分野(9位)の個人(家族)領域(4位)では、持ち家比率が4位、生活保護受給率が5位、一人暮らし高齢者率が5位。
教育分野(13位)の学校領域(16位)では、不登校児童生徒率が3位、大学進学率が4位だった。
全47指標の総合ランキングでは、さいたま市が1位、浜松市が2位、千葉市が3位と続いた。
以下、
4位川崎(基本指標では1位)、5位横浜、6位名古屋(仕事分野では1位)、7位京都(文化分野では1位)、8位広島、9位新潟(生活、教育分野では1位)、10位静岡、11位熊本、12位岡山、13位仙台(健康分野では1位)、14位福岡、15位相模原、16位神戸、17位堺、18位札幌、19位北九州、20位大阪の各市だった。
65指標を使った47都道府県のランキングは、1位福井県、2位東京都、3位富山県の順で、沖縄県が46位、高知県が47位。
39指標を使った中核市の総合ランキングは、1位豊田市、2位長野市、3位高崎市の順で、尼崎が41位、函館が42位だった。豊田市は基本指標、仕事分野、教育分野の3分野でも1位だった。
どのランキングでも、観光分野の指標が無かったのが、観光地の順位の低さにつながっているようだ。
この沼を含む県営「羽生水郷公園」で13年11月23、24の両日、10年から始まった第4回ゆるキャラさみっとが開かれた。(写真)
二日ともこれ以上は望めないほどの小春日和に恵まれ、人口5万6千のこの市に、45万人(初日20、二日目25万人)が詰めかけた。第1回は5万、第2回は14万、昨年の第3回は30万人弱だったから、大変な伸びである。経済波及効果は18億3千万円に上った。
この人出に加え、23日朝ギネスの審査員が集合場所への入り口で数え、10時過ぎ376体が確認されたので、「マスコットの最多集合」のギネス世界記録として登録された。
二日目の午後に発表された「ゆるキャラグランプリ」の投票結果の発表では、近くの栃木県佐野市から参加した、佐野ラーメンのおわんを頭にかぶった「さのまる」が選ばれた。
07年の彦根城築城400年祭のイメージキャラクターとして、その可愛らしいしぐさでゆるキャラブームの火付け役になった「ひこにゃん」や、今や「熊本県の営業部長」として、全国各地に出没、天皇皇后両陛下にもお目にかかり、知事の留学先の米ハーバード大学にも出かけた「くまもん」は、参加はしたものの投票にはエントリーしていない。
千葉県船橋市の人気の非公認キャラ「ふなっしー」も同様だった。
会場は、東北自動車道羽生ICのすぐ東側。広い公園で駐車場ももちろんあるのだが、混雑するというので、東武伊勢崎線羽生駅西口から臨時のシャトルバスで出かけた。
ゆるキャラとは「ゆるいマスコットキャラクター」の略語という。最終的に集まったのは、47都道府県のほか、イスラエルなど海外6か国の452体だった。
10年に始まった「ゆるキャラグランプリ」は、パソコン、スマホ、ケータイを使って投票IDの登録者が1日1回投票できる仕組みで、13年は9月17日から11月8日まで1580のキャラクターが参加、前回を1千万上回る1700万票余が集まった。
それぞれ駅前や各種イベントに参加、首長や職員がビラを配ったりする選挙運動が展開された。
1位の「さのまる」(120万票 昨年は4位)に続いて、2位は浜松市の「出世大名家康くん」、3位は群馬県の「ぐんまちゃん」、4位は深谷市の「ふっかちゃん」、5位は栃木県大田原市の「与一くん」だった。
93体が参加した埼玉勢の期待を担うネギが二本頭から突き出した深谷市の「ふっかちゃん」は、一昨年6位、昨年5位で今年こそはとトップを目指したが、4位だった。
13年まで連続4回、羽生市水郷公園で開かれた「ゆるキャラさみっと」は、5回目の14年は「世界キャラクターさみっとin羽生」と名を改めて、11月22~23日に開かれた。
22日には米国やロシアなど海外からの10体を含め410体が参加、うち約90体による「羽生キャラクターズコレクション」(はにゅコレ)が開かれ、23日にはキャラクターたちに囲まれた結婚式「キャラコン」が行われた。初日は18万、二日目は23万人と41万の人出だった。
一方、投票でゆるキャラ日本一を決める、14年の「ゆるキャラグランプリ」は、愛知県常滑市の中部国際空港特設会場に場所を移して開かれ、13年は4位だった深谷市の「ふっかちゃん」」が、約83万6千票で2位に入賞、初のベスト3入りを果たした。1位は100万票を獲得した群馬県の「ぐんまちゃん」だった。
このグランプリには全国から1699体が出場、「ふっかちゃん」を含め県勢6体が上位100位に入る健闘ぶりだった。
15年の「第6回世界キャラクターさみっとin羽生」は11月21、22日に開かれ、21日は369体、来場者22万人、22日は324体、来場者23万人とキャラクター数は減ったものの、来場者は計45万人と最高を記録した。
公式テーマソング「ハロー!!はにゅ☆はにゅ」に合わせてキャラクター、来場者、スタッフが一緒に踊るダンスも初めて登場、人気を集めた。
16年の「ゆるキャラグランプリ」は11月5、6日、松山市の城山公園で開かれ、本庄市の「はにぽん」が深谷市の「ふっかちゃん」と同じ2位に輝いた。「3年で1位」を目標に、14年から本格的に参戦、同年67位、15年7位。インターネット投票では433万票以上を獲得、1位で松山市に乗り込んだが、現地の投票で、地元・四国の高知県須崎市の「しんじょう君」に2倍以上の差をつけらた。現地票はインターネットの4倍で集計された。
深谷市は16年5月、「道の駅はなぞの」2階に「ふっかちゃんミュージアム」をオープンした。ふっかちゃん効果があったのか、市の16年の観光客数は約392万人。ふっかちゃんが誕生した10年6月前の09年に比べると4割以上増えている。
17年の「ゆるキャラグランプリ」は、三重桑名・ナガシマリゾートで開かれ、りそな(銀行)グループのキャラクター「りそにゃ」が「企業・その他部門」で優勝した。「りそにゃ」は15年から参戦、15年は5位、16年は3位だった。
羽生市の羽生水郷公園で開かれる「世界キャラクターさみっとin羽生」は17年で8回目を迎え、11月25,26日に開かれ、41都道府県と世界4か国から約360体のキャラクターが集まった。2日間で来場者は約31万人。市が発表している経済波及効果は約12億5000万円だった。2日間で少なくとも延べ619人のサミット目当ての観光客が市内に宿泊した。このさみっとは16年11月、外国人が「世界に誇れる日本文化」を認定する「クールジャパンアワード」を受賞した。
18年の「ゆるキャラグランプリ」は11月17~18日東大阪市の花園中央公園で開かれ、志木市のカッパをかたどった広報大使「カパル」が優勝した。
埼玉県の目ぼしい市や町は、昔、街道の宿場だった所がほとんどだ。
埼玉県で江戸時代の街道と言えば、中山道がまず思い浮かぶが、江戸と徳川家康を祀る日光東照宮を結ぶ日光街道も忘れられない。
県東北部の杉戸町も例に漏れず、日光街道の宿場町の一つで、今でも旧日光街道が町の中心部を貫いている。
1843(天保14)年には、本陣、脇本陣はもちろん、旅籠屋が40、家数が365戸、1663人が住んでいたという記録がある。
西行法師も、奥州平泉の藤原氏を訪ねる途中で、病に倒れ、この町の下高野の小庵で手厚い看護を受けたことがあり、「西行法師見返りの松」が残っている。
江戸幕府が杉戸を日光街道5番目の宿場に定めたのは、1616(元和2)年。日本橋から日光へ向かう途中21ある宿場のうち、日本橋から数えて5番目に当たる。
日光街道は、日本橋から宇都宮まで「奥州街道」との共用区間だったため、東北諸大名の参勤交代にも利用されたほか、日光社参の道でもあった。
県東部で日光街道沿いの宿場は、草加、越谷、粕壁(春日部)、杉戸、幸手の5か所。ここは、江戸時代に京都の朝廷から日光東照宮に毎年、「幣帛(へいはく。ぬさのこと。紙、麻などを垂らし、神前に供えるもの)」を奉納するために参向した勅使(例幣使)の一行が通る街道だった。
例幣使の往路は、中山道、例幣使街道、帰路は日光街道、江戸、東海道を利用した。例幣使街道は、中山道の倉賀野(群馬県高崎市)を起点として、壬生通り(日光西街道)の楡木(栃木県鹿沼市)を経て、日光に向かう街道である。
今年16年がちょうど400年に当たり、人口約4万6千人、町としては県内最高の人口を持つ町では10月30日、「杉戸町開宿400年 宿場まつり」を開いた。
見どころは時代行列で、先頭を切ったのは、例幣使の行列。杉戸町宣伝大使のお笑いタレント「虻ちゃん」こと虻川美穂子さん(杉戸町出身)が台の上で愛嬌をふるまいた。(写真)
この行列は、過去、現在、未来の三つのグループに分かれ、現在、未来グループはそれぞれのいでたちで途中から加わり、総勢約400人。行列のフィナーレでは400個の風船を上げて気勢を挙げた。
街道沿いには、昔の高札場が復元されたほか、いくつかのステージ、うまいもの市、農産物を売るアグリマルシェ、観菊会なども開かれた。杉戸町史上最大のイベントとあって、約3万5千の人出があったという。