このマーチに初めて参加したのは、11年第9回目の「天覧山 多峯主山」コース10kmのコースだった。
マーチの主催者の朝日新聞を眺めていたら、15年は第13回目になり、前年は工事でコースからはずされていた人気の宮沢湖ルートも復活したと書いてある。当日申し込みは1日ごとに1千円の参加費も設定されたという。
飯能市は何度も訪ねたものの、宮沢湖には行ったことがないので、4月23日、10kmのコースに参加した。
短い手ごろなコースだから、先生に連れられた小学生のグループも多い。中央会場の飯能市役所出発時に、しんがり付近にいたら先頭が見えないほどの盛況だった。
「飯能桜の森」などを抜けていくコースである。夏日になったものの、新緑が輝くような山道を歩くのは素晴らしい。
宮沢湖は、灌漑用の人造湖だが、今では冬はワカサギ、年間を通じてヘラブナ釣りで親しまれている。周回道路を散策するのも楽しい。
驚いたのは、各所に設けられた接待所の「ご接待」だった。たいした距離を歩いているわけではないのに、中学生を主にしたボランティアが至れりつくせりのサービスをしてくれる。
接待所には、狭山茶の製造販売の老舗や、地元の企業も参加していた。狭山茶の新茶を、女性のプロが丁寧に何度も小出しについで出してくれた。狭山茶の新茶を飲んだのは今年初めてで、狭山茶の本当のうまさを堪能した。
電気関係会社のノボリのあるテントで飲んだなめこ汁は実にうまく、思わず感嘆の声が上がるほどだった。この二つの接待は、ツーデーマーチが飯能市の住民すべてのものになっていることを実感させてくれた。
吾野中学校のボランティアが作った「緑のバンダナ新聞」も参考になった。接待の内容も書いてあり、市内にある駿河台大学の接待所では、広いキャンパス内で、疲れた足をクールダウンする「足水コーナー」を設けたり、昼食をとる参加者のためにお囃子を演奏した、とあった。
2日目の24日は、続いて天気に恵まれたので、天覧山・吾妻峡コース15kmにも出かけた。新聞に吾妻峡は実行委お勧めの名勝とあったからで、同じマーチに2日連続参加したのは初めてである。
前橋にいたことがあるので、群馬県の吾妻川の国の名勝「吾妻渓谷」には何度も行ったが、入間川の「吾妻峡」は初めて。
ここでも「バンダナ新聞」にお世話になった。奇岩が多く赤岩、兎岩などと呼ばれる岩があって、兎岩は片方から見ると上を向いているように見え、もう片方から見ると、水を飲んでいるように見えるという。
ドレミファ橋という丸い飛び石があり、飛んで渡れるようになっている。(写真)
旅の歌人若山牧水も大正時代2度ここを訪ねていて、市民会館前の碑に
志らじらと流れて遠き杉山の峡の浅瀬に河鹿鳴くなり
という句を残している。
飯能市は05年に「森林都市宣言」を出していて、「エコツーリズム」のまちとして知られる。この宣言どおり新緑の候、どこを歩いても気持ちがよく、市民のもてなしも温かい。
2日間の延べ参加者は目標としていた2万人を初めて突破し、過去最大規模の大会となった。