「ネギのまち」として知られる深谷市は、ブロッコリーでも全国2位の生産量を誇り、「道の駅おかべ」で4月下旬、「ふかやブロッコリーまつり」も開かれる。
野菜だけでなく花卉栽培でも知られる。春はチューリップ(切り花出荷量全国2位)、夏はユリ(同1位)、秋はコスモスといずれも全国で覇を競う「花のまち」でもある。
利根川と荒川に挟まれた肥沃な大地の恵みだ。訪ねてみると、どこまでも平らな地に、温室栽培のビニールハウスが並び、裸地栽培のネギの香りが風の中に漂っている。
ネギも深沢栄一も、このブログで書いたことがあるので、今度はチューリップを見ようと、13年4月13日(土)に「深谷グリーンパーク」の花壇を訪ねた。
バスはあまりなさそうなので、深谷駅から歩く。足は遅くても、いくらでも歩けるので気にはならない。
パークでは、チューリップが満開だった。事前に電話して調べておいたからである。満開の花を見るには事前調査が必要なことは、長い経験から身についている。
清掃センターの大きな煙突が見えるから、南欧風の造りの北関東最大という屋内温泉プール「パティオ(中庭)」は、その廃熱利用かと納得する。
パークは東京ドームくらいの広さで、芝生広場など5つの広場に子供用の遊び道具もあり、花壇はパティオに最も近いところにある。
ここには夏にはユリ、秋にはコスモスが植えられる。
チューリップは6品種、3万6千本が咲き誇っていた。
それぞれの区画に品種名が掲示されているのが助かる。「ヤンファネス(黄)」「フレミング・バロット」「レッドシャイン(赤)」「ロザリー」「ハッピージェネレーション」「ハウステンボス(白・ピンク)」とある。
色と花の形の違いは分かっても、初めて聞く名前なので、チンプンカンプン。
なにしろ、本場オランダの「品種の分類リスト」によれば、実に5600種もあるというのだから。
例えば、九州の佐世保にある「ハウステンボス」でなじみのあるこの花「ハウステンボス」の場合。
2000年に迎えた日本とオランダの交流4百周年を記念してできた。チューリップの花はカップ状のものが多いのに、これは花ビラの先に細かな切れ込みがあり、「フリンジ(ふさ飾り)咲き」と呼ばれる。
可愛らしく気品があるので、「森の家」を意味する「ハウステンボス」にふさわしいと、日本で人気が出た。
40年前オランダを訪ねた際、チューリップのせり市を見学したことを思い出した。
トルコ原産のチューリップが、オランダを経て、富山や新潟、さらに深谷市へと伝わってきて、見事に咲いている姿にある種の感慨を覚えた。
深谷市では、13年4月27、8日には「全国花のまちづくり深谷大会」、恒例の第10回ふかや花フェスタ、71軒が参加する自称日本一のオープンガーデンフェスタも29日まで同時に開かれる。
この市にはこのほか、「緑の王国」や、合併した旧花園町には、バラで有名な「花園フォレスト」もある。
12年には第22回全国花のまちづくりコンクールで「花のまちづくり大賞(農林水産大臣賞)を受賞した。
花が咲くたび訪ねてみたくなる所である。