ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

葉酸プロジェクト 坂戸市

2018年01月22日 12時32分09秒 | 市町村の話題


坂戸市が06年から女子栄養大学と共同で続けている葉酸を一日に400㎍(マイクログラム)摂取しようという「葉酸プロジェクト」が18年1月、NHKの「ためしてガッテン」でも取り上げられ、老人の認知症予防の面からも注目されている。

葉酸とは、字のとおり、ほうれん草、小松菜、春菊、にら、豆苗、イチゴ、アスパラガス、ブロッコリー、オクラ、モロヘイヤなど濃い緑色の葉を持つ野菜や焼きのり、煎茶、レバーなどにも含まれる水溶性のビタミンB群の一つだ。

妊娠初期時に胎児が正常に発育するために重要なビタミンで、妊娠のごく初期に赤ちゃんに神経管閉鎖障害が起こり、無脳症や二分脊椎症(運動機能や排尿、排便機能に問題が生まれる)になるのを防ぐため、妊婦に飲ませるものだった。厚生労働省は2000年、妊娠を計画している女性に対し、1日当たり400μg以上の摂取を推奨している。

米国など世界81か国では穀類への葉酸添加を義務付けている。女子栄養大学では、葉酸が体内で働くために必要なビタミンB12とB16を同時に摂取できる「葉酸米」を開発している。

葉酸はまた、認知症や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、うつ病、骨そしょう症の予防にも効果がある。日本人の約15%は遺伝子の関係で体内で葉酸を活用する能力がない。厚生労働省の基準では、成人1日あたり240マイクログラムの摂取が推奨されている。

動脈硬化の原因となる「ホモシステイン」から必須アミノ酸である「メチオニン」を生成するのに葉酸が必要とされ、不足するとホモシステインが血中に蓄積し、動脈硬化の危険が高まると考えられている。

                                                                                                                               坂戸市は、伊利市長が音頭をとり、2006年に「健康づくり政策室」を設置し、女子栄養大学の研究を健康づくりに活かす“葉酸プロジェクト”に乗りだした。

厚生労働省の1日当たり摂取推奨量240μgに対し、400μgの摂取を提唱している。このプロジェクトは2006年に内閣府より地域再生計画に認定されている。

葉酸を強化した食品開発も進めており、葉酸入りパン「さかど葉酸ブレッド」を地元企業と共同開発し学校給食にも導入しているほか、レトルトカレー、うどん、ドレッシング、たまごなどにも葉酸食品を拡大している。

 地元農産物を活用したヘルシーメニューを提供する店舗を「健康づくり応援店」として認定する制度も始め、ホームページで紹介している。

 その成果が現れ始めており、医療費の伸び率は県下最低の増加率に低下し、介護保険1人当たり給付費も減少を続けているという。


日本一の学校給食 越生小学校

2018年01月13日 16時56分57秒 | 市町村の話題

 

「甲子園」の名がつく高校生を対象とする全国的な催し物には
「俳句甲子園」、「科学の甲子園」、「数学甲子園」・・・と
色々ある。「全国学校給食甲子園」という地元食材を使って、
おいしさを競う大会があることは知らなかった。

すでに12回を迎えており、17年12月2、3日に東京・駒込の
女子栄養大学で行われた決勝大会で、越生市の越生小学校が優勝
したというニュースを東京新聞の埼玉版で見て驚いた。

主催は、特定非営利活動法人「21世紀構想研究会」。
文部科学省や農林水産省などが後援するもので、今回は2025校が
参加した。

第4次審査までで選ばれた全国6ブロックの代表12校・施設が参加
制限時間1時間以内で、栄養教諭(または学校栄養職員)と調理員の
各一人2人がチームとなって、給食6人分を作り上げ、片付けまで終わらせて
味、見た目、地場産の食材をどう使ったかを競い合った。

実際に学校給食として提供したことのある献立という条件付きで、女子栄養大学の香川明夫学長らの審査員が、献立内容、調理技術、衛生管理、チームワークに目を光らせた。

越生小から参加したのは、栄養教諭の小林洋介さん(38)と調理員の三好景一さん。唯一の男性ペアで、男性ペアが優勝したのは初めてだった。

献立を考案したのは、小林さんで完成まで一年かかった。いずれも越生町の名産を取り入れたもので、越生梅林の梅で作った「越生うめりんつくね」越生産のゆずの果汁を使った「ゆずの里ゼリー」、ごはんは、「山吹の里歴史公園」
にちなんで、ターメリックともちきびで山吹の花、枝豆で山吹の葉を表現した
「山吹の花ごはん」と5品目に郷土色を取り入れている。

新井雄啓(かつひろ)町長は、県庁で知事に報告、「野球の甲子園で優勝した
花咲徳栄高校に続いて埼玉県に『甲子園』の優勝旗を持ち帰った」と胸を張った。
(写真)

町では18年1月24日に越生中学校で教育委員や各区長、一般町民50人も
招いて試食会を行う予定。

給食用だけでなく、町の名物料理として梅見客などに売り出してみたらどうだろう。

 

 

 


17年の県内の交通事故死者数177人で全国2位、増加数は全国1

2018年01月06日 16時59分27秒 | 県全般

17年の県内の交通事故死者数177人で全国2位,増加数は全国1

17年の日本全体の交通事故の死者数は3694人で、統計が残る1948年以降最少になった。最悪だった70年の5分の1近くの減少ぶりである。

ところが、県警の発表によると、県内の死者数は177人で16年から26人(17.2%)も増加しており、08年以来の全国ワースト2位(愛知県の200人に次ぐ)になった。増加は全国1位を記録した。

夜間に高齢の歩行者が犠牲になる事故が多発したのが目立った。65歳以上が95人で53.7%、40歳代が20人、20歳代が19人。

歩行中が69人(昨年比14人増)、自転車が前年と同じ33人。発生場所では交差点内や交差点付近が95件と半数以上を占め、うち37人が歩行者だった。原因のほとんどは車の運転手が前方不注意などで、歩行者を発見するのが遅れるなどしたためだった。

時間帯は午後4~10時が65件。夜間の事故による死者が110人(昨年比35人増)で6割以上を占めた。

一方、人身事故は2万6277件(前年比1539件減)で1986年以降、負傷者は3万2019人(同2193人減)で85年以降で最少で、いずれも7年連続の減少となった。

18年の県内交通事故の死者数は、175人(前年比2人減)で、愛知(189人)、千葉(186人)に次ぎ全国ワースト3位になった。年齢層別では、65歳以上が83人(同12人減)と最多で全体の約半数の47.4%。歩行者が65人(同5人減)と最多だった。前年と比べて増加が目立ったのは自転車の50人(同18人増)だった。

人身事故は2万4127件(前年比2149件減)で、負傷者数は2万9089人(同2933人減)で、いずれも8年連続で減少した。