「ムーミンバレーパーク」がオープン 飯能市
ムーミンは、言うまでもなくフィンランドの童話作家トーベ・ヤンソン女史(1914~2001)が描いた童話漫画の主人公で、日本はもちろん世界中で人気があり、親しまれている。
そのムーミンの世界と北欧の雰囲気を、フィンランド以外では世界で初めて飯能市の宮沢湖畔に再現しようとするテーマパーク「ムーミンバレーパーク」(7.3ha)が、19年3月16日にオープンした。隣接する入場無料の北欧文化の体験施設「メッツァ(フィンランド語で森を意味する)ビレッジ」(16.3ha)は11月9日先行開業していた。この二つを合わせて「メッツァ」という呼び方もある。
「ムーミンバレーパーク}には、ヤンソンの文学や芸術作品に触れられる展示施設「KOKEMUS(コケムス フィンランド語で体験という意味)」、ムーミン、スナフキンら物語に登場するおなじみのキャラクターがショーを見せる「エンマの劇場」、ムーミン一家の住まいを立体的に再現した「ムーミン屋敷」(写真)、湖上にかけたワイヤに滑車でぶら下がって往復400mの空中滑走を楽しむアトラクションなどが設けられている。ムーミンの物語に登場する灯台も園内にある。
先行開業したメッツァビレッジには、北欧をイメージした木造建築物が並び、マーケット棟では、北欧のブランド雑貨、家具や市内産野菜などを販売、レストラン棟には北欧料理「スモーブロー」の専門店など6店が集まっている。湖にはカヌー乗り場も設けられ、地元産木材「西川材」で作られたカヌー10隻が利用できる。施設内には工房もあり、希望者はカヌー作りにも挑戦できる。
これまでの受け身のテーマパークとは違って、入場者が自分の物語が作れる環境づくりを目指した。観光振興のほか、飯能市の地方創生に役立つように、建設工事は市内共同企業体が請け負い(市内の協力事業者も含めると50社以上)、スタッフは市民雇用優先、メッツァへの出品も市内事業者、ふるさと納税ではオリジナルのムーミングッズを返礼品にして、全国から多くの寄付を得た(文化新聞)
メッツァへの最寄駅の西武鉄道飯能駅は、フィンランド風の駅舎にリニューアルされた。駅とメッツァをつなぐ直行バスの運行も始まり、土、日、祝日には同線とJR八高線が通る東飯能駅からも直行バスが運行される。
メッツァビレッジと合わせて年間100万人の入場者を見込んでいる。入場料は大人(中学生以上)1500円、小人(4歳以上小学生以下)1000円。