ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

浦和レッズレディース

2012年08月28日 18時16分00秒 | スポーツ・自転車・ウォーキング


浦和レッズには男性だけでなく、「浦和レッズレディース」という女子チームもあると知ったのは、ほんの最近のことだった。

これまでサッカーにほとんど興味はなかったのに、女性、男性チームのロンドン五輪での大活躍がきっかけになって、関係の記事を丹念に読み始めたからだ。

「なでしこジャパン」の銀メダル獲得の興奮もまだ冷めやらないうちに、サッカーの女子ワールドカップ(W杯)のU―20(20歳以下)の第6回大会が、16チームが参加して、12年8月19日から初めて日本で始まった。

この大会は08年から2年に一度開かれている。国際サッカー連盟(FIFA)主催の大会を日本が開くのは、韓国と共催した02年男子W杯以来だという。

8月19日の埼玉新聞によると、この大会に参加する「ヤングなでしこ」21人中、「浦和レッズレディース」から7選手が選ばれていて、主将(藤田のぞみ=MF)やゴールキーパー(池田咲紀子)まで務めるというから驚いた。

日本の女性チームの中でレディースから3分の1、最多の選手が選出されたのである。

この記事をさらに読んでいくと、U―20よりさらに年下のU―17(17歳以下)のW杯もあるらしく、FIFAの商魂にまた驚く。

U―20では過去ベスト8止まりながら、U―17では、10年に日本は準優勝している。「なでしこジャパン」より先に世界の頂点に迫っていたわけである。これまた知らなかったのでビックリだった。

その準優勝に貢献した楢本光(18)も浦和所属のMF(ミッドフィールダー)だ。もちろん今大会にも選ばれている。

楢本は、「ポスト沢」の呼び声もあり、今回の第一戦対メキシコ(19日)でも見事なミドルシュートを決めた。パスセンスにも優れる。

A~D組中A組のヤングなでしこは、メキシコに4-1(19日)、ニュージーランド(22日)に2-2で引き分け、スイス(26日)に4-0と、2勝1分けの勝ち点7のA組1位で準々決勝(8強)に進出した。

スイス戦でも楢本はペナルティキックで加点した。メキシコ戦で先制点を奪ったのは浦和のMF柴田華絵(20)だった。

30日の準決勝では、初のベスト4進出をかけて、B組1位の韓国と対戦した。韓国には10年のU―17W杯で決勝で敗れ、準優勝に甘んじている。

宿敵韓国戦でも柴田が2ゴール、見事に3-1で雪辱、4回目の出場で初の4強、準決勝進出を決めた。準決勝は9月4日、前回優勝のドイツと対戦、体格とスピードを兼備した今大会無失点のドイツを崩せず、3-0で完敗した

三位決定戦は8日、前回準優勝のナイジェリアを相手に行われ、2-1で競り勝ち、初の3位に食い込んだ。決勝では、米国が前回優勝のドイツを1-0で下し、2大会ぶり3度目の優勝を遂げた。

レッズレディースの本拠地さいたま市の「浦和駒場スタジアム」(21,500人収容=写真)では、今回残念ながらヤングなでしこの試合はなかったものの、準決勝までの8試合が実施された。

このようにレッズレディースと浦和駒場スタジアムは、世界の若手女子サッカー史上にもその名を残したのである。

浦和レッズに1千万人 さいたま市

2012年08月21日 18時12分39秒 | スポーツ・自転車・ウォーキング


サッカーのまち、浦和に「浦和レッズ」が生まれて12年で20年。

オリンピックのサッカー報道の陰になって、ほとんど報道されなかったものの12年8月4日、本拠地の「埼玉スタジアム2002」で行われた対FC東京戦で、20年間のレッズのリーグ戦の入場数が1千万人(J2時代の入場者を含む)を突破した。

Jリーグ史上の快挙である。

最近の成績はともかく、人気、観客動員数はJリーグで抜群。入場者数では、2位の横浜マリノスを約300万人も大きく引き離している。次いでアルビレックス新潟、鹿島アントラーズ、名古屋グランパスの順になるという。(朝日) 野球で言えば、巨人軍といったところだ。

チーム名には各国語が入れ混じってまぎらわしい。それと対照的に、「浦和レッズ」は単純明快。アマチュアサッカーの名門「三菱重工業サッカー部」→「三菱自工サッカー部」が前身なので、そのイメージカラーが赤、それに三菱グループのマークがご存知赤のスリーダイヤモンドだから、ずばり「レッド=赤」なのである。選手のシャツも赤シャツだ。

アマチュアからプロのJリーグへの動きの中で、フランチャイズを探していた三菱自工と浦和市の思惑が一致して1992年、「三菱浦和フットボールクラブ」(愛称:浦和レッズ)として結成された。

1996年「浦和レッドダイヤモンズ」と改名された本社は、日本最大、アジアでも最大級の63,700人収容を誇るサッカー専用の「埼玉スタジアム2002」(さいたま市緑区中野田)の中にある。

2002がついているのは、この年開かれたワールドカップの会場になったからだ。株は、三菱自工が50%余、さいたま市と埼玉県も5%ずつ持ち、埼玉市長も取締役に名を連ねる。

J1リーグでの優勝経験は一度(06年)、J2降格(1999)の経験もあるのに、リーグ開幕当時から熱狂的とよく言われる多くのサポーターを抱えていることで知られる。08年にはリーグ史上最高の80万人超の観客動員数を記録している。

熱心なサポーターが多いだけに問題も起こす。

14年3月8日に埼玉スタジアムで行われた対サガン鳥栖戦で男性サポーター3人がレッズのゴール裏スタンド入り口に「JAPANESE ONLY(日本人以外お断り)」の横断幕を掲げた。

クラブは撤去を指示したが、サポーターの了承を得るのに時間がかかり、試合終了まで3時間以上掲げられた(読売)。

このような差別的表現は、国際サッカー連盟(FIFA)、日本サッカー協会、Jリーグも禁止している。Jリーグはレッズの管理責任を問い、村井満チェアマンは13日、Jリーグ22年目で初めての「無観客試合」開催の処分を科した。

レッズの淵田敬三社長は会見で、横断幕を掲げたグループが属するグループ約20人にレッズ戦入場無期限禁止、当面レッズサポーターが横断幕、ゲートフラッグ、旗類などを掲げる行為を禁止すると発表した。

4月6日からは、クラブで作成した旗については許可することにした。

レッズは3月23日、ホームの埼玉スタジアム(6万3700人収容)で対清水戦を観客がいない状態で試合、入場料だけで1億円近い損失になった。

これに先立ち3月15日、広島であった対広島戦では、レッズから32人のスタッフや警備員が派遣され、横断幕と旗が消えた。浦和側スタンドでは、約1800人のサポーターはタオルマフラーを掲げて応援した。

レッズサポーターは10年5月の対仙台戦でも、「相手選手を人種差別的な言葉で中傷した」として500万円の制裁金の処分を受けている。

ゴール裏に陣取り、熱狂的な声援を送ってきたサポーターグループ11団体は3月28日、自主的に解散した。










ラン展 川口市立グリーンセンター

2012年08月18日 06時20分02秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物
ラン展 川口市グリーンセンター
 
ラン展の季節である。後楽園で開かれている世界ラン展に出かけようかと思ったが、「ちょっと待て。花の県・埼玉だから近くにランの展覧会があるはず」と思いついたのが、「川口市立グリーンセンター」だ。

ここなら浦和から自転車でも行ける距離だし、天気もいい。10年2月、いつものママチャリにまたがって訪ねると、案の定、観賞温室(ランの温室)で洋蘭展をやっていた。もう9回目になるという。

このグリーンセンターは、埼玉洋蘭会の初代会長で、大正製薬会長だった上原正吉氏がカトレヤのコレクションを寄贈したこともあって、野生種、園芸種合わせて約1200種、3500鉢のカトレヤを育てていることで知られる。その展示はさすがに見ごたえがある。カトレヤは「ランの女王」と呼ばれるのはご承知のとおりだ。

今年の主役は「リカステ」で、特別展示されていた。昨年の世界ラン展で日本大賞を受賞、人気を集めている。もともとはアンデスなどの涼しい高地の木に着生しているもので、その清楚な姿は「森の妖精」にたとえられる。(写真)

ギリシャ神話のトロイ王国最後の王の娘「リュカステ」にちなんで名づけられた。日本はリカステの育種では世界でも抜群の技術を誇るという。いくつかの品種があり、昨年の受賞はショールヘブン種の「ヨーコズデライト」だった。

日本の洋蘭栽培発祥地とされる新宿御苑からもあまり聞きなれない名を持つ珍しいランがいくつか出品されていて、興味をそそった。

温室の外に出ると広大な園内は、蝋梅や紅白の梅はもちろん、黄や赤のマンサクも花をつけ、ネコヤナギのつぼみもふくらんで、春を迎えようとしていた。

ウイークデーに行くなら、幼児づれや老夫婦がほとんどで人ごみもなく、すばらしい別天地だ。




奇想天外の花 川口市グリーンセンター

2012年08月17日 14時45分55秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物
奇想天外の花 川口市グリーンセンター

珍しい植物がある「川口市立グリーンセンター」は何度も訪ねている。

大温室のサボテン室には、「奇想天外」というおかしな名を持つ珍しい植物がある。「その花が咲いている」と新聞にあったので、猛暑の12年8月17日に出かけた。開花は数年おきでいつ開くかは分からないという。

仕事でアフリカ諸国を回っていたので、もう30年以上前、アフリカ大陸の南西部ナミビアのナミブ砂漠に出かけた際に目にして「びっくり」したのが、この珍種だ。

前にこのセンターにラン展を見に行った時、あるのを見つけて、また「びっくり」。気になっていた植物だ。

ナミブ砂漠特有のもので、この地と地続きのアンゴラ以外には存在しないという変わり者。多肉植物で、写真で分かるとおり、短い茎から大きな昆布みたいな帯のような葉が二本だけ地面に沿って伸び続け、地面をうねっているのが特徴だ。

陸上植物なのに、葉がコンブ類と同じ型の成長をする。

葉の気孔から大気中の湿気と、3mから最長10mにもなる長い根で地下水を吸い上げ、年間降雨量25mm程度という極限の乾燥地で数百年から2000年以上も生きるというから驚く。

大気中の湿気とは、砂漠の朝露だ。「生きている化石」とも呼ばれる。

1科1属1種の裸子植物で、雌雄異株。雌花序は雄花序より大きい。

学名はWelwitschia Mirabilis。ウェルウィッチアは発見者オーストリアの博物学者の名前、ミラビリスは「驚異の」を意味するという。

和名の「奇想天外」は1936年、種子を輸入して栽培した岡山の石田兼六という園芸商がつけ、園芸誌に発表した。

「サバクオモト(砂漠万年青)」と名づけた人もいるようだが、「奇想天外」の方がぴったりだ。

世界最大の花ラフレシア、人も乗れるオオオニバスと並ぶ「世界三大珍植物」の一つに数えられる。

世界に名高いロンドンのキュー植物園や、日本では京都府立植物園でも栽培されている。

グリーンセンターには、30年ほど前にサボテン愛好家から寄贈され、7,8年前から開花するようになった。今年のように雌株と雄株の花が同時に咲くのは珍しいという。確かに雌株のほうが大きい。(写真は雄株)

イギリス王立公園園芸協会はインターネット投票で「世界で最も醜い植物」10の中の4位に選定している。

腐臭を放つことから、「死体花」の呼び名もある世界最大を競う「スマトラ・オオコンニャク」がトップで、腐臭を持つのが上位を占める。

新聞やテレビの報道のおかげで、老夫婦連れや家族連れが押しかけて、盛んに写真を写していた。