浦和レッズには男性だけでなく、「浦和レッズレディース」という女子チームもあると知ったのは、ほんの最近のことだった。
これまでサッカーにほとんど興味はなかったのに、女性、男性チームのロンドン五輪での大活躍がきっかけになって、関係の記事を丹念に読み始めたからだ。
「なでしこジャパン」の銀メダル獲得の興奮もまだ冷めやらないうちに、サッカーの女子ワールドカップ(W杯)のU―20(20歳以下)の第6回大会が、16チームが参加して、12年8月19日から初めて日本で始まった。
この大会は08年から2年に一度開かれている。国際サッカー連盟(FIFA)主催の大会を日本が開くのは、韓国と共催した02年男子W杯以来だという。
8月19日の埼玉新聞によると、この大会に参加する「ヤングなでしこ」21人中、「浦和レッズレディース」から7選手が選ばれていて、主将(藤田のぞみ=MF)やゴールキーパー(池田咲紀子)まで務めるというから驚いた。
日本の女性チームの中でレディースから3分の1、最多の選手が選出されたのである。
この記事をさらに読んでいくと、U―20よりさらに年下のU―17(17歳以下)のW杯もあるらしく、FIFAの商魂にまた驚く。
U―20では過去ベスト8止まりながら、U―17では、10年に日本は準優勝している。「なでしこジャパン」より先に世界の頂点に迫っていたわけである。これまた知らなかったのでビックリだった。
その準優勝に貢献した楢本光(18)も浦和所属のMF(ミッドフィールダー)だ。もちろん今大会にも選ばれている。
楢本は、「ポスト沢」の呼び声もあり、今回の第一戦対メキシコ(19日)でも見事なミドルシュートを決めた。パスセンスにも優れる。
A~D組中A組のヤングなでしこは、メキシコに4-1(19日)、ニュージーランド(22日)に2-2で引き分け、スイス(26日)に4-0と、2勝1分けの勝ち点7のA組1位で準々決勝(8強)に進出した。
スイス戦でも楢本はペナルティキックで加点した。メキシコ戦で先制点を奪ったのは浦和のMF柴田華絵(20)だった。
30日の準決勝では、初のベスト4進出をかけて、B組1位の韓国と対戦した。韓国には10年のU―17W杯で決勝で敗れ、準優勝に甘んじている。
宿敵韓国戦でも柴田が2ゴール、見事に3-1で雪辱、4回目の出場で初の4強、準決勝進出を決めた。準決勝は9月4日、前回優勝のドイツと対戦、体格とスピードを兼備した今大会無失点のドイツを崩せず、3-0で完敗した
三位決定戦は8日、前回準優勝のナイジェリアを相手に行われ、2-1で競り勝ち、初の3位に食い込んだ。決勝では、米国が前回優勝のドイツを1-0で下し、2大会ぶり3度目の優勝を遂げた。
レッズレディースの本拠地さいたま市の「浦和駒場スタジアム」(21,500人収容=写真)では、今回残念ながらヤングなでしこの試合はなかったものの、準決勝までの8試合が実施された。
このようにレッズレディースと浦和駒場スタジアムは、世界の若手女子サッカー史上にもその名を残したのである。