兼載雑談一、 さればとて苔の下にも急がれずなき名を埋む 習ひなければ此の歌は、宮内卿、後鳥羽院のえいりょにかなひたりし頃、定家に密通の名立ちて勅にそむく。局に引き籠りてよみたりし歌なり。是をえいらんありて、感じ給ひてやがて勅免ありしとなり。