飛鳥亀石 梨壺の五人 万葉集は、もとはひとへに真名仮名といふものに書きたるものにて、才知ある者は読み、文字知らぬ者は、え読まず。まして女などは、え見ずのみありけるを、この御時、梨壺の五人、かつは定め合せて、源順宗と才気ある者にて、和してなん、常の仮名は付け始めたりける。 それより後なん、今は、女なども見る事にはなれるなるべし。