らぷそでぃ
夜 の 蝉
東京の本来業務に復帰して。自由律が多くなり(2004年~)
久しぶりの仕事に
花を見て
桜を見ての名残かな
つつじ祭
盛り過ぎ根津の躑躅の
進まなさ
誰も見ぬ大輪の下
白つつじ
テニスに出て
雨降って輝きだすや花さうぶ
茶会準備の姉へ
寄付きに
一輪差してはしり梅雨
露地下駄の数揃えたり
さつき雨
睡蓮の水面吹きぬく
風は夏
電車が止まっていらいらしている人を見て
意のままに
動くもの無し
さつき雨
不夜城に鳴かされつづく夜の蝉
さまざなことありし
せみしぐれ
空梅雨の
乾いた空に日陰刺す
暗闇がせまる町 ・・・・空は広いな
苦しさを重ねた人ほど
虹の色
いつの間に
朝顔育ち水いらず
オリンピックの悲喜交々
挫折を力にする人
竹の春
からくにの人と眺める
十三夜
君が行こうと言った別れの花火
俺はオレあんたはアンタかんの酒
幾つ悲しみ幾つ苦しみ曼珠沙華
九月連休に
虫の音が蝉から変わる夏休み
琳派展にて
抱一の葡萄を食べて
月見かな
日野市新撰組展で
義士ほどの風は吹かずに
秋の雲
出来ぬのも旅の一興彼岸花
秋華賞で久しぶりの快晴に
快晴の久しぶり見る秋の華
台風地震と連続しBS投稿
禍よ太鼓驚け秋祭り
伝助とは、いかさま賭博のことなり
伝助も驚ひてゐる
菊の花
新札のかおり漂ふ小春かな
小春日や
今日の予定はなかりけり
5ミリから3ミリとなり
日向ぼこ
四国窪川町展で
くぼかわの光と影の
日向ぼこ
葬儀に
ヨキ人ノ葬列悲シアキノ雨
喧騒の行く手を阻む酉の市
一葉も熊手を持って晴れ着ゝて
秋祭り人と人とが交差して
盛岡の月の寒さや夜の汽車
相傘をさす手も嬉し初しぐれ
今日からは師走となりと毎年に
有馬記念を浅草場外へ行く途中
吉原を素通り歩く年の暮れ
帰りに
吉原を帰りも素通り年の暮れ
はくほどに
こひもつぶれて
神無月
灰色の都会の中に
霙ふく
晴れ着の新成人が
新成人 これでプリクラ撮りたいね
帰省する岩手の山も笑ふかな
天平の甍にかかる残り雪
るしゃ那とは光に御座候むめの花
陽光もやわらかになる彼岸かな
四分ほどの色香を備へ桜かな
寒拾も今日は春日を祝ひけり
疾風にて櫻前線飛び越えて
石割桜
割ることのない意志を
櫻は咲きぬ
花冷えも熱き心の
酔ひ覚まし
雨の日の土手の櫻の散りし跡
何事も二の足を踏む走り梅雨
粕壁は電車の音と藤の花
子どもらもイナセに通る三社かな
新しきネクタイ買って更衣
傘忘れ
またねと帰る梅雨やすみ