既自以心爲形役
奚惆悵而獨悲
既に自ら心を以て形の役(しもべ)と為す、
奚(なん)ぞ惆悵(ちょうちょう)として独り悲しむや。
ナレーション
これまで、心を体の僕としていたのだから、
これまで、心を体の僕としていたのだから、
どうして独りくよくよ歎き悲しむことがあろうか。
悟已往之不諫
知来者之可追
已往(いおう)の諫(いさ)むまじきを悟り、
来者の追ふべきを知る。
ナレーション
過ぎ去った事は、悔やんでも仕方が無いけれど、
これから先の事は、いか樣にもなる。
實迷途其未遠
覚今是而昨非
覚今是而昨非
実(まこと)に途(みち)に迷ふこと、其れ未だ遠からず、
今の是にして、昨の非なるを覚りぬ。
ナレーション
道に迷っていたとしても、それほど遠くまで来てはいない。
今が正しくて、昨日までの自分が間違っていたと気づいたのだから。