あの頃の関係に戻れないのには
理由がある
私にしかわからない理由がある
心の内は結局誰にも言えなかった
話したところで巻き込まれるだけなのだ
エッセイにだって書けなかった
諍いの道具として使いたくもなかった
だから、ずっと一人で抱えていた
相手が口にした誰かへの痛烈な批判さえも
いい気なものね
何も知らないクセに
心の奥深く埋めこまれた言葉を
時として誰かに向かって投げつけたくなる
しかし口にした以上
それは私の言葉となり誰かの心に突き刺さる
このまま抱え続けるか、解き放つ時が来るのか
或いはさらなる時間の経過と共に
取るに足らないことになっていくのか
本音と建前
同調と共感
今日も人は、自分に相応しい手法で誰かとつながっていく
そうして私は、苦々しい思いでありふれた台詞を噛み締める
「気持ちわかるよ・・・」