JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

純潔の砦

2007年05月30日 00時05分00秒 | ちょ色気
 昔、勤め先のおじ様チームの飲み会に参加していて、流れでカラオケへ行くことになった。そこで、とあるおじ様が渡哲也の『くちなしの花』を選曲されていたのだが、冒頭の ’いーまでは ゆびわも まーわるほど~♪’ という所を、 ’いーまでは くびわも♪’ とお歌いになり、後輩と笑い転げた思い出がある。場がざわついていた所為か、周囲は誰も気づかない。当のおじ様はというと、我々がウケまくっているのを見てニヤリとし、何事もなかったかのように続きをお歌いになっていた。聞いててよかった。ナイスな瞬間に立ち合えて幸せ♪ にしても 『くちなしの花』 が、ワンちゃんの歌に変わるとは。
 
 カラオケじゃないけれど、家で音楽を聴いていて、ある歌詞を変えて歌ってしまうという事がある。私は、学生時代から浜田省吾の大ファンなのだが、彼の『ラストショー』(星は君のもーので、月は俺のもーのーだった~♪) という曲で、 ’ハンバーガースタンドで 俺たち待ち合わせてー 君のオヤジのくるまー 夜更けにぬすみーだし’ という所を必ず ’君のオヤジのブルマー♪’ と歌ってしまう。(そんなもの盗み出してどうするねん!)そうして一人で、ケケケと笑うのである。

 おっと、ブルマで思い出した。去年の事だが、息子が情けない声を出して「母さん、ヤバいよぉ」と擦り寄ってくるので、「何だい?」と聞いたら、「クラスでブリーフ履いてるの、僕くらいだよ~」と言う。今のガキは、しゃらくさいので、幼稚園からトランクスなのだ。ちなみに息子は、白いブリーフである。確かにその頃、他所のクラスのお母さん仲間から、「最近うちの子、ブリーフを嫌がるようになってねぇ。○○くんも、○○くんも、トランクスに変わったっていうのよ」と聞いていた。ふふん。ついにうちにも来たかと思い、「で、他にはいない訳?」と尋ねると、「もう一人いるかなぁ。でも、そいつは柄物だからサ。」いいじゃん。白のブリーフ。女の子だって純白のパンツなど履かない昨今にだゼ、あえて男が履くってのがいいんじゃんか。と母は無責任な理論を、心の中で展開する。

 「せっかくだから、もうちょっと履いてなよ。」人ごとなので冷たく突き放す。無論、母だって息子がいつまでもブリーフを履き続ける訳にいかない事はわかっている。高学年になって’ブリーフくん’なんてあだ名をつけられてはたまらない。いやそれどころか、中学になったら 「おい!ブリーフ!!」などと呼ばれそうである。さすがにそれはちょっとね、なのだが意味のない多勢に組み込まれるのも悔しいのだ。もうしばし、このままでいこうじゃないか、と思ってみたりする。ちなみに白いブリーフは、私の趣味ではない。ただ、幼少の頃からたまたま買い続けてきたのと、いただきものがもう1サイズ上まである。それだけの話。終わったら、息子の願いをかなえてやるつもりでいるのだが・・・

 4年になって「どうなの?今度のクラスでは?」と聞いたら、さして興味もなさそうに「知らん」と言った。もうどうでもよくなったかな・・・息子の ’純潔の砦’ がいつまで守られるのか、興味津々である。


参考にならぬドラマ評

2007年05月22日 00時43分00秒 | ドラマ
 『土曜ワイド劇場 刑事殺し』をチェック。かねがね私が困り顔の男としてマークする、仲村トオルが主演。家庭で、職場で、期待通り困り顔を展開し、その点では大いに満足する。またロングコートがよくお似合いになりますこと。署内でも一人コートをはおる、トオルちゃんであった。にひひひひ。ここ数年の彼の仕事ぶりを見るにつけ、継続は力なりとはよく言ったものだと感心する。エリート、平凡な夫、執念の刑事、ホラー、何をやらせても似合う。『ビーバップ・・・』 や 『あぶない刑事』の頃は、心もとない演技であったと記憶。よくぞここまで。よよ。私も頑張らなくちゃね 。(主婦業11年)

 さて、警視庁捜査一課の刑事(村田雄浩)が、自宅で射殺された。その謎を追う推理ドラマだと思っていたら、どうも様子がおかしい。真犯人はバレバレ、事件の発端となる恐喝事件はあまりに偶発的、何だかなーと思っていたら、どうやら夫婦のあり方を問う、ホームドラマだったようだ。

 冒頭では、トオルちゃんと妻(山本未來)が、いさかいを展開。「あなたが久しぶりに食事でもと言ったのに、何で忘れるのよーっ!」仕事に忙殺される夫への不満。よくある話だ。’そんなに怒るのなら、その時に電話をかければよかったのに’ と思ったが、「私は仕事の上に、家事、育児、近所付き合いまでやってるのに、あなたとの約束を忘れた事なんかないわ!」というセリフがあまりにリアルだったので、何も言えなくなった。「今までだって母子家庭状態だったんだから」というセリフに、何人の亭主族がドキリとしたのかは、ミステリー♪

 同僚刑事の死に、妻の不貞の香り。それに気づいたトオルちゃんが、「男と女は、一筋縄ではいかない。 例えば不倫です。人の女房だと承知で好きになる男がいれば、人妻でありながら夫以外の男に惹かれる女もいる。そういう男と女は、行き着いた先の結果に対して責任をとるべきだ。」などと説教する。このセリフに、何人の亭主族がドキリとしたのかも、ミステリー♪

 そういう意味での ’ミステリー’ であり ’サスペンス’ であったかと。

 しばらくすると、今度は麻生祐未の説教である。「好きで結婚したんだから、少しくらいの行き違いは乗り越えなきゃ。どんなに好きでも一緒になれない人もたくさんいるのよ。」はいはい。ごもっともでございます。へへーっと深く頭を垂れる。「例え何があろうと、二人穏やかな家庭を築き、いつか心も体も枯れた時にこれでよかったねと笑える夫婦になりたいと・・・」はて、このドラマは 『夫婦善哉』 であったろうか。確か、刑事殺しの謎を追うドラマだったハズだが・・・そんな疑問も、トオルちゃんの困り顔と、麻生祐未の見所ある演技と、古谷一行の頭髪にかく乱され、どうでもよくなってしまうのであった。

 古谷一行。ボリュームのある、妙に黒々とした頭髪なのだが、両耳の近くだけ白髪混じりでうらぶれている。むむ。とさる疑惑を抱き、じーっと観察。その証拠見逃すまじ、とセリフそっちのけで見つめ続ける。もうドラマは、どうでもよくなった。屋上で強風に煽られ、トオルちゃんと会話をするシーンでは、見ているこっちの方がハラハラ。一介の視聴者にあらぬ疑いをかけられて、古谷さんも迷惑千万である。山本未來&麻生祐未のスタイルのよろしいことトカ、何を見てるんでしょうねぇ。まったく。(細いのに胸だけあるんだよ。 超理想体型ですな。)麻生祐未の喪服姿には、しびれましたねぇ。

 俳優陣は、芝居のできる役者がそろっており、なかなか見応えがあった事も、ここに付け加えておきます。警察署内の男のドラマは、オツでした♪


バカヤローッ!

2007年05月17日 18時24分00秒 | 芸能ネタ
 まだ娘が幼かった頃の事。初めて娘と顔を合わせた友人が一言。「めぐみに似てるよね。」「めぐみ?ホンジャマカの?」「それは恵。私が言ってるのはMEGUMI。」「MEGUMIって誰?」「えっ知らないの~?」

 当時、MEGUMIは現在ほど世の中に認知された状態ではなかったのである。それなのに夫に 「ねぇ、うちの子MEGUMIに似てるって言われたよ」と話したら、「あんまりキレイな人じゃないよね」と、即座に返ってきた。藤原紀香と米倉涼子の判別も怪しい人が(未だに、原田知世ちゃん一筋なのだ)何故だかMEGUMIを認知していたのである。

 父にこの話をしたら 「いやーMEGUMIは、そうぶーちゃうで」むむ。オヤジも知っているのか。まぁうちのオヤジさんは、若いタレントチェックに余念がないからなぁ。しかし、MEGUMIって誰だよ。どんなヤツだよ~ ああ気になる。

 ママ友にも話してみた。「あら珍しい。あなたよくテレビ見てるクセに、MEGUMIを知らなかったの?」知らないよ。知らないわよ。それに私はテレビをよく見ているのではなく、ドラマを見てるんじゃ。これ、本当によく誤解される。 テレビの生き字引みたいな。冗談じゃないよー。限定されたものを、熱心に見ているだけだよん。もう一人のママ友も「私でもわかるんだけど~」ときた。どうしてみんな知ってて私だけ知らないんだよぅ。クソッ。何なんだ。このMEGUMI包囲網は。たすけてくれーっ。押しつぶされるー。「タモリさんの番組に出てるから見てごらん」ようやくママ友が教えてくれた。やれやれ。やっと本人が確認できる・・・

 さて、放送当日。緊張しながらチャンネルを合わせ、本人とご対面。悪くなかった。まぁ取り立てて美人とは言えないかもしれないが、私から見るとなかなかの好印象。ホメてくれてたんだ~と思った。ちなみに娘は夫似である。いや、もう少し詳しく言わせていただくならば、夫と義父と義母を足して3で割ったような。私の方の家系は、一体どこにいっちまったのよ~という顔立ちなのだ。小さな顔に、よくもそれだけの人物のパーツがせめぎ合っているものだと感心する。しかもそこに私が入り込む余地は、ほとんどない。悔しいじゃないか。誰がお腹を痛めて生んだと思ってるんだ。バカヤローッ。おまけにいささかぶーなんだよな。納得いかないや。ああ、もうちょっとでも私に似て欲しいものだなぁ・・・

 さて、帰省で実家に帰った時の事。自分の幼少の頃のアルバムを、子どもたちと見ていたら、息子が驚きの声をあげた。「何これ!激似じゃん!!」娘と私が、そっくりだというのである。「衝撃の事実だよ。」「本当?」横からのぞくと確かに似ている。丸い顔と垂れ目じり、口元も・・・そうかー私にも似ていたかーとニヤリとしたのだが、おやまてよ。という事は、この子がいささかぶーなのは・・・

 ???????

 今まで気づかなかった自分に ’バカヤローッ’正に笑撃の事実で、ございました。ちなみに今は「まぁ~母さんにも似て、可愛いわね~」と、毎日ホメホメしております♪ 


やってはいけない

2007年05月12日 16時05分00秒 | 夫婦
 夫との大ゲンカの甲斐あって?いささか事が運び易くなった。何よりドラマを気持ちよく見られるようになったのが嬉しい♪ 極楽極楽~

 妻が他の事に夢中になっているのが気に食わない性分の夫に、どんな妨害を受けてきたか、そのいくつかをとくとご覧あれ。胸に覚えアリの方は、ご注意を!

①出てくる女優の名前を一々聞く
 伊藤美咲や竹内結子ごときに返事をしたくはない。そこで黙っていると、「目を吊り上げて見ている」と言う。その質問だけで終わるならよいが、それに答えると第2第3の質問が飛んでくる。だから答えない。 人の集中力をそぐという妨害行為である。

②ドラマの設定にケチをつける
 「そんな馬鹿な」トカ「あんなハズはない」トカ、人が楽しんで見ているドラマにケチをつける。無論自身でもそういうツッコミをする事はあるが、人に言われると腹が立つものである。さてどっからケチをつけてやろうかという反対の為の反対なので、余計にいただけない。

③やたらと解説する
 出てくるものについて、長々と解説を始める。特に車、航空、鉄道、戦艦などに関する知識を得々と披露する。これには、家族全員が迷惑している。シーンは次へいってるのに、父ちゃんの解説だけが続くのである。

④隣室でヒゲをそる
 ドラマも佳境に入ろうという時、居間と隣室の扉を開けて覗き込みながら、ウィ~~~~~~~~ンと電気カミソリを始動させる。セリフが聞こえない。「父ちゃん来たりてヒゲをそるだよ。まったく!」と息子もおかんむり。洗面所でやれよ!

⑤不機嫌なムードでやたらうろつく
 集中して見ている子どもたちに今更的な用事を言い立てて、席を外させようとする。子どもたちを使った、間接的な私への嫌がらせと受け止めているので、こうなった時はブチ切れてテレビを消す。そうしてここで受けた不快感を、数日かけてたっぷりお返しする。

 他人ごとだと思って、笑わないでいただきたい。私にとっては、我慢のならない迷惑行為。ストレス解消の芽をことごとく摘まれるのだから、たまらない。できるだけビデオに録り、夫のいない間に対応しているが、自分以外の家族がドラマの話で盛り上がっていると、それも気に喰わないのである。ちょっとは絡んでいたいのだ。ドラマ嫌いを公言しているクセに、NHKの朝ドラと『はぐれ刑事純情派』と、時代劇と2時間ドラマはOKらしい。立派なドラマ好きではないか。しかもおもっくそベタ・・・自分はそういったものをこっそり見ているクセに、人には邪魔するのだ。

 作家曽野綾子の夫である三浦朱門は、それさえやっていれば妻の機嫌が良いというものには、目くじらをたてないという。賢い人だと思う。 妻と夫、逆もまたしかり。余程の道を踏み外さない限りは、ご容赦願いたいものだ。’嫉妬心でふんじばっちゃヤだろ!’ バービーボーイズだって歌ってるよ~( 『離れろよ』より )。

 P.S.このエッセーについても「好きなだけ書いてよい」との許可が下りました。何で私の活動に、夫の許可なるものが必要なのかよくわからん・・・ ぷーだ。


『グッド バイ』改め『復活の日』

2007年05月10日 18時06分00秒 | 夫婦

 数日前の深夜、夫と大ゲンカになった。このエッセイについて、どんな妨害工作が入るやらと思っていたら、案の定である。もうたくさんだぃ。私が外の世界とつながっているのが許せないんだね。あんまりガタガタ言うものだから、「あなたは、私が外の世界へ踏み出そうとすると、いっつもそうやって邪魔するのよ!」となり、その後、激しい言い争いが続いた。まったく2時間ドラマか!要するに、妻が他の事に夢中になるのが腹立たしいのである。これまでも、ちょっとしたストレス解消に目くじらをたてられ、様々な妨害工作を受けてきた。そこまで眉をひそめられるような事をしている訳ではないのにと、こちらは納得がいかない。いい加減にしてくれ! と怒り心頭に達する。
 
 大体何でそういう心情に至ったのか、わかってんのかー。今まで我慢していた事をぶちまけた。「私を閉じ込めるな!」気分は『ヤヌスの鏡』の杉浦幸である。ヤンキーに変身して、深夜に暴れるゾ。トウがたっているのと、胸がショボいのはお許し願いたい…。「ドラマだって、いっつも邪魔するじゃない。あなただってプラモデル製作してるでしょ~。私、邪魔したりしないよ。そのひと時があるから、また頑張れるんでしょー!」「うん、確かにそうだな」 体勢が微妙に変化してきた。「こりゃ、弱いトコ突かれたなー」 などと頭を掻いている。最後は 「まぁ体に気をつけて」 トカ何とか、つぶやきながら消えていった。そちらの見当違いな言いがかりのせいで、私の睡眠時間が削られたのだ。何が ’無理のないよう’ じゃ!!ええ加減にせぇ~。

 翌日は、朝からひどい頭痛で最悪の一日だった。人との諍いは苦手なのである。だから今まで極力反論せず、黙って言葉を呑み込み、不愉快な思いをくすぶらせてきた。今回自分にとって譲れない問題だったので立ち向かってみたものの、精神的にぐったりだった。子どもたちが帰宅しても、元気がでない。ふさぎこんでいる母をみかね、娘が 「お母さん大丈夫?」 と掻き抱く。柔らかな体が心地よい。しばらくして、今度は息子が近づいて来た。「母さん、いいもの作ってきたよ。」それは、夫の写真を枕にピンでとめ、うりゃ~っ! とケリを入れるというもの。つい可笑しくなり「わっはっは」と笑ってしまった。その日初めて、心の底から。「ねっいいでしょ。写真はここにしまっとくからね、辛くなったら使うんだよ。」「わかったよ。」彼は、私以上に関西人である。辛さを笑いに昇華させるスベを知っている。えらいなーと思った。夫が帰宅すると、いつになく寄り添う子どもたち。息子は昼間の行動を押し隠し、いつも以上に、にこにこ笑いながら話しかけている。’アイツ世渡り上手やのー’ と、またまた感心した。 (親バカなのだ)

 夕食後、ある作品が読みたくなり、近所の本屋へ自転車をとばした。ラプンツェルという娘が、魔女によって塔の上に幽閉される話である。彼女は数年間髪を伸ばし続け、やがてその髪を切り、一本の綱にして脱出するのだ。学生時代から大好きな話だった。その作家の作品を読まなくなって、随分経つ。’思春期にかかるはしかのようなもの’ と評されるが如く、私も大人になって向き合うのは気恥ずかしく、何かの機会がない限り、手には取らなかった。ただし、その何かの機会に触れたなら、もう昔のようにハナから心酔はしないものの…「バッカじゃない♪」とか「またぶっちゃって」とか、ニヤニヤ対峙しながらも…その後、きっと感動して泣いてしまうのである。今回も、そうだった。

 その夜、夫との仲は一応修復した。「少し言い過ぎた。 君がそんな気持ちでパソコンに向き合っているとは思わなかったから。」と、彼は言った。 私は、ふてくされた表情で「書く事とドラマは私の生き甲斐だから奪わないで」 と返した。ドラマが余計だな、カッコつかないやと思ったが、仕方がない。一介の主婦なのだから、気取る必要などないのである。まぁいいや。

 翌朝 「辻ちゃん、結婚だってねー」で、夫婦の会話はスムーズに幕を開けた。みんなが出かけてからパソコンを開くと、友人からのメール。「まったくその通り。 家もです! 夫は覆面マッチョだし…」「負けるなISSAこれにあり。 最近行方不明のISSAに応援されても、嬉しくないかな。」 などクスリとしているうち、元気になってきた。そして自分のH.P.を開けたら、活動停止状態だった前日も、何人かの人々が遊びに来てくれていたのである。まだ始めて日も浅いのに… ありがとう♪心からつぶやいた。ほのぼのエッセーを楽しんでくれていた方、とんだ楽屋ウラを見せてしまってごめんなさい。

 P.S.『ろまん燈籠』の結末は涙ものです。夫婦関係に行き詰った方は、是非お読みください。私自身まったく忘れていた ’続き’ があり、’ラスト’ がありました。