JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

ミューズの晩餐 My essay,My life -TANGO NOIR-

2014年04月25日 13時55分39秒 | My essay,My life
御無沙汰しております。年の初め、関西人にとっての阪神タイガースのごとく応援し続けていた、やしきたかじんさんがお亡くなりになりまして。喪に服していた…という訳でもないのですが、創作活動から遠のいておりました。

その間も、生活は平凡で、平凡でも困難で、星の隅で継続中と、まさにBUMP OF CHICKEN の歌のような日常を送っていたじんちゃん。が、決してクサってはいけませんねぇ。自分の持ち場で、コツコツ物事に取り組んでいると、時折スッと光の差し込む瞬間が訪れる。ああ人生悪くないな、明日も頑張ろう。なんて心にパワーチャージして、また日常へと戻っていく。そんな近況でございます。

2月の中頃、我が家へ新しい家族がやってきました。春の足音も近付いているし、お出かけしたいなぁという話になり、いざ行かん!蟹を求めて丹後路へ♪と、ニューフェイスのぷーちゃん(プリウス)に乗り、天橋立へ向かうことに。家族揃ってマイカーでの旅行なんて久しぶり~。ここ数年、みんなで乗る機会自体減っていたからね。学校生活にどっぷりの長男を乗せるのは、ばぁちゃん危篤で呼び出される時、なんて哀しい追憶も。思い出すなぁ。あれやこれや…

危ないと言われつつも、どうにか持ちこたえていた灯が、尽きようとしていた。病院帰り、しんみりした心持で、カーラジオから流れる歌に、耳を傾けていると「ただいまー お迎えが~ 参りました」当意即妙な台詞が登場し、家族一斉に吹いてしもたりして。よりによって、嘉門達夫さんの歌だったのねぇ。まさか、あのタイミングで巡ってくるとは!「笑う門には福来る~♪」娘がその、のどかなメロディーを気に入り、幾度となく口ずさんでいたのも可笑しかった。「嘉門さん、いいよね。」「うん。緊張がほぐれるわ。」

あれから、本当にいろんな出来事があった。人の死って、そこで終わりじゃないから。悲しみに暮れる暇などない程、あちらこちらへ奔走。やがて、少しずつではあるが、潮が引くように収まっていき、諸々の雑事からようやく解放されたのが1月。考えてみれば半年とちょっとなのだけど長かった~。中身のギッシリ詰まった7ヶ月だった。一人っ子という境遇上、自ら動かねばなぬことも多く、メンドクサイ思いを随分した。うんうん悩みながら、提出書類を作ったり…。専門家へ任せれば楽はできるが、お金がかかる。父の時も何とか遣りおおせたしと、踏み出してみたものの、やっぱり大変でしたね。税務署と法務局の書類作りは。

「すべてを手伝ってあげる訳には、いかないんですよ。」穏やかな紳士風の職員さんに、微笑みながら手引書を渡され、ひぇ~となったりもした。資料だけまとめておいて、一から教えてもらおうと、甘い考えでいたのである。スゴスゴと自宅へ戻り、仕切り直し。持ち帰った手引書やら過去の提出書類を解析しながら、どうにか作成…と、文章にすれば、あっという間なんだけどもね、実際はそう前向きに事が進む訳はなく。どこから手をつけよう→萎える→放置→カレンダーを横目で睨む→渋々手をつけるって感じで。それでも頑張りましたよ。疑問箇所をまとめ再び訪れると、今度は親切に教えてくれた。「わからんかったら聞いたらええねん。」生前の母は、さらりと言ったものだが、質問できるレベルまでもっていくのが大変なのだ。だから、しんどい。しかし良くしたもので、無事提出の運びとなると、一層の充実感や達成感を味わうことができた。

おっと、ぷーちゃんの旅だった。新車購入から1ヶ月、私たちは舞鶴若狭自動車道をひた走っておりました。心地ええわぁ。だって空っき空きなんだもん。あっという間に舞鶴到着。こんなに楽に行けるのなら、もっと早くに出掛ければよかったという位。まずは、ベイサイドのレストランで、お食事です。ひと口食べると甘さと、深いコクが、口の中いっぱいに広がります♪なんて触れ込みの黒ハヤシライスに興味津々。だったのだけど…結局サラダやドリンクがセットになった海のランチを注文。お得感に、つい負けてしまった。しかも家族全員かよ。

窓際の席は、横長のカウンターになっており、海(舞鶴湾)を挟んですぐそこに、対岸の山が見える。小雨パラつく、あやしい天気の所為であろうか?そう高くはない山の中腹あたり。雲のような、霧のような、もわっとした塊が浮かんでいる。幻想的な風景やわぁ。フィンランドにいるよう~って、どこまでトリップしとるねん。そこへ時折、薄日が差し込み、キラキラと輝く訳ですよ。早春の舞鶴は、まだひんやりとして肌寒い。だからこそ、こういう光景が映えるのだ。

「あっ、ヘリ…」ぼんやりと眼前の景色を眺めていたら、上空からパタパタと回転音が聞こえ、ヘリコプターが3機程通り過ぎていった。「海上自衛隊かなぁ。」「第23航空隊か?」俄かに色めき立つ男たち。夫は、映画やドラマに航空機や戦艦が登場しようものなら、それにまつわる知識を披露し始める、迷惑極まりない輩である。その解説で、肝心のセリフが聞き取れず、ミステリーの折には殺意すら抱く。近頃は息子にまで、そうした片鱗が見えるのが悩ましい。’艦これ’なるシュミレーションゲームに夢中なのだ。もっとも彼らに言わせれば、私の趣味嗜好も娘へ飛び火しているらしく、「着実に腐女子道を歩んでいる」と指摘。「BL好きな訳じゃないもん。」当人は、しがない抵抗を試みるも、「声優にワーキャー言ってる時点で、立派な腐女子じゃねぇか!」口の悪い兄に、日々遣り込められている。

さて、食事の後ダメ元で駆けつけた、海上自衛隊舞鶴地方総監部は、惜しくも見学時刻を終えていた。それでも、フェンス越しに停泊中の艦艇を眺めることができたのだが…「うわぁ~デカいねー。」「あの店で時間をとり過ぎたんだよ。」感動の種を見つけ、ささやかな幸福に酔いしれる妻の傍、一言申さずにおれぬ夫がパサッと水をかける。だったら見学時刻を調べときなさいよ。舞鶴に施設があるのはわかっていたクセに。ってか、お腹痛い。この辺りトイレないんスカ?

夕方に向け気温は一段と冷え込み、パラついていた小雨も、連続的に降り出した。ああ、早く温泉で凍てついた心と体を癒したい。いや、その前に京都府最大の水産基地、舞鶴港の海鮮市場’とれとれセンター’へ寄っておかねば。BUMP登場まで、まだまだかかるなぁ。。。


BUMP OF CHICKEN『車輪の唄』