1ヶ月が経過するうち、秋も深まって参りました。じんちゃんは、週末ごとのお出かけに、いささか疲れ気味。やはり、寄る年波には勝てませんなぁ。まぁ適度に休息を挟みつつ、実りゆく秋を楽しもうと思います。芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋…堪能できる対象はいろいろあれど、最近ご縁があるのは、こんな分野かしらん。
先日、コスプレ喫茶へ足を踏み入れる機会が訪れまして。いや~オモロかった。だって、めったにできない体験なんだもーん。兵庫の片田舎から、はるばる出かけて行った甲斐があったヨ。電車を乗り継ぎ、また乗り継ぎ、aikoの歌になった三国駅を通過してねぇ。。。
同行していた息子に、「なぁこの駅、aikoの歌に出てくるねんで」とサビの部分を口ずさんでいたら、しばらくして、まったく違う歌だったのに、ひっそりと気づいた。 地味な出だしよりサビの方が分かり易いと思ったのに、とんだしくじりだ。子どもに嘘ばかり教えているので肩身が狭い。一度でいいから『Doctor-X』の大門未知子(米倉涼子)のごとくカッコ良くキメてみたい。「私、失敗しないので。」
さて阪急宝塚線の、とある駅に降り立ちまして。そこからは、友人の案内で目的のエリアへ。敷地自体には、5分足らずで到着するのだけどね、その先が、とてつもなく広いのよ~。なだらかな石畳をゆけば、右手にお寺やアパートが。さらに歩みを進めると、今度は池が見えてきた。ここは街ですか⁉︎
「緑が多くて素敵な環境だねぇ。」「ゆったりしてるのは、ええんやけど、移動が大変らしいわ。」そんな会話を交わしていたら、いつしかメインストリートへ。そこには、テントを張った出店がギッシリ。「結構な賑わいだよね。」「この界隈をぶらぶらしてるだけでも、お腹が膨れるよ。ねぇ、どこから回る?」「広過ぎて迷うなぁ。」
まずは、おぼろげながらでも全体像を把握したい。そう考えて、とりあえずメインストリートを辿っていくうち、一角から現れたのは、ピンピカの研究所。「ひゃ~すごーい。こんな建物があるのぉ?」こちらの概念を覆す構造に、息をのむ。たまには外の世界も、眺めてみなきゃいかんねぇ。片田舎に生息していると、井の中の蛙状態だもの。
そのスケールに目を見張りながら散策しておりますと、ブォォォォ~ン。傍らの道路を、カートに乗ったスーパーマリオが、駆け抜けていきました。車が走れるんだ。。。 マリオじゃなくて、そこへツッコむんか~い!敷地内をざっと見学した後は、プラネタリウムへ立ち寄ったり、占い処を覗いたり。で、その極みが「せっかくだから、どこか行きたいところはある?」と友人に問われ、セガレが探し出したコスプレ喫茶だったのネ。
コスプレって何やねん。いぶかしみつつ現場へ行ってみると、「満員です」。受付から見渡した店内には、ナースやポリス、メイドの格好をした女の子が、所狭しと歩き回っている。「しばらくお待ちいただかなくては…」ときたので、息子に「どうする?」中を示しながら尋ねたら、満面に笑みを浮かべ 「待つ」。そりゃあもう、心の底から嬉しそうに。あれは紛れもなく、男の表情だったね。
やがて順番が来て、席へ案内される。メニューのボードを手に取ると、飲み物や食べ物の他に、ウェイトレスを選択できるようになっており、ナース、女子高生、ポリス、メイドといった内訳が。友人は女子高生、私はドSのポリス、息子はメイドを選択して待ちました。さらなるオプションには、’告白’ ’ビンタ’ ’あーんして♪’ ’写真’ などの項目が。ウェイトレスの指名だけで+100円。こういったオプションで、+200円~500円。ん?なんか単価安いぞ。
実はここ大学なんです。 私たち、学祭へ来ていたの。しかし、よくできた趣向やねぇ。女の私でも、ポリスのお姉さんの格好を見て、トキメいてしまいましたから~。ミニスカからスラリと伸びたおみ足。黒の網タイツ姿にキターッ、男の子ばかりのグループなんて、絶対楽しいと思う。壁には、その日の最高額が表示されており、13000円となっていました。(←よう使いはったなぁ~)
私たちは絡み辛い客だったらしく、ドSのお姉さんが 「さっさと食べな!」注文したものを置いていった後は、ひっそりと放置されていたのですが、気を利かせた女の子が、「あの~楽しんでいただけてるでしょうか?」声をかけてくれまして。それをきっかけに話しておりますと、彼女がナント!陰のボス、企画立案者だったのでした。
’ただのメイド喫茶なんてつまらない!’と、今回の形式にしたそうで。日頃はお堅そうな女の子たちで構成されてるってのがまた、萌え~なんだよね。メンバー全員、法学部の学生さん。その反動でこうなったのか。はたまた、おかしな客が来た時に日頃の勉強の成果を発揮するつもりなのか。「『リーガルハイ』の広末涼子みたいに」 (←私)「退室を命じます!なんてな。」 (←息子) そんな風に想いを巡らすのも、一興だった。
「来年の文化祭で、逆バージョンをやってみたら?」息子が通う学校は男子が多く、とりわけ彼が在籍する学科は、男女比率が37:3。そんな環境の中、できるコスプレってなんやろ〜。「女性に好まれるものなぁ。」医者や自衛官、警官にパイロット、それから執事♪「自衛官は今、人気らしいよ。コンパ相手で一番望まれているんだって!」何気に詳しい友人の情報にウケる。一体どこで仕入れてくるのか。
「息子クンのおかげで変わった体験ができたわ。女同士じゃ入り辛いもんね。」こちらこそ、校内の要所要所で、いろんな説明をしてもらって、ありがたかった。「大学っていうより企業みたいだった!」とはセガレの弁。学部によっては、校舎じゃなくてビル。友人の息子さんが在籍する基礎工学部や理学部は、建物そのものも美しく、入口にはオシャレなガラスの案内板があり、ちょーかっこよかった。「あ、ポストだ」まぁここまでは、他の大学でもあるかもしれない。「確か郵便局があったはず。コンビニもね。」
学生さんは、思いの他ノリが良く、そうして礼儀正しかった。バンドでもアカペラでも、ダンスでも、趣味でやっていることのレベルが高い。何にでも全力投球!真面目な学生さんが多いんだなぁという印象でした。鉄道研究会の緻密な模型や体験運転には、子どもたちの目が輝いてた。「やーん。名鉄電車や~懐かしいわぁ」「遠出をする時、パノラマカーに乗るのが楽しみだったよな。」壁に飾ってあった写真の中から、長年住んでいた地域の列車を見つけ、息子と感激。
その後、写真、漫研、電子工作、レゴの展示を見学。それにしても、小さなお子さんを抱っこしたパパママが、いたるところに。近隣の方々ばかりやないでしょう。 ’母校へのリピート率高し’ と見た。息子は、廊下で客引きをするコスプレ組に目がくぎづけ。アニメやゲームでお馴染みのキャラクターに扮した学生さんに、度々撮影許可を求めていたのだが、「女の子ばっかり」と友人にツッコまれ、やむなくカメラに収めたガスマスク姿のお兄さんに、ご縁があったようで。。。
「あの後、違う場所で会うたんやけど、手をふってくれたよ。」しばらくして…「今度は離れた所で見つけてん。おーい!って手をふったら、オーッ!とふりかえしてくれた。」 怪しげな姿とはウラハラに、愛想のいいガスマスクさんなのだった。それにしても男同士、ひっそりと交流を温めていたのね。
息子が校舎を回っている間、私たちは外へ出て、木陰でおしゃべり。やはり旬の話題は、共通の友人に、赤ちゃんが生まれたことだった。 「うちには、国民年金の案内がきたよ。」「20歳違うんだもんね。」「彼女からのメールを読んでいると、赤ちゃんを取り巻く環境が私たちの頃とは違って、びっくりすることがある。予防接種にしても、オモチャにしても。」「時代は、変わっていくからねぇ。」
それは思春期の子どもも同様で、友人の息子さんたちがかぶらなかった波を、うちのセガレはまともにくらった。中3の時、部活仲間を発端に広まったLINEである。進路を決める大切な時期なのよ!歯噛みする親の心配をよそに、子どもたちは、つながる楽しさに一気に溺れた。
そう。’step by step’ じゃないんだよね。親としては、段階を踏んで大人への階段を上ってほしいものの、諸々の事柄が押し寄せてきて、パニックになる。iPod購入に至るまでだって、すったもんだしたのに、春休み中の外出やら、女の子との交際やら、心配の種がわらわらと。本人は、思春期特有のつんつんした棘を身にまとっているしさー。伝えたい気持ちはあれど、上手く伝わらず、ガタピシ衝突。お互い涙を流し、ぶつかり合ったこともあった。「負けちゃダメ」母仲間にはそう言われたが、ぶっちゃけ辛かったよ。
「大変そうだねぇ。でも、ある意味まっとうな形の成長だよ。」「フツーだよね。」「うんうん。極めてフツー。」「今まで仲が良かっただけに辛いんだと思うわ。」「しかし女の子にシッシッって言ってる様が、まるで 『下流の宴』の黒木だね。」「黒木じゃなくて泰葉。今は己を磨く時。女とチャラチャラしてる場合か。もっと精進せい!と、小朝に怒ってた泰葉。」(←私)「ぷっ余計に可笑しい。」
そんな友人たちに、サクラサクの報告ができ、そうしていつしか、息子との軋みも落ち着いていった。念願の学校に通い出し、親元からいささか離れる結果となったのが、良かったのかもしれない。相変わらずiPodは手放せないようだがー いじりながらも、家族の会話に入ったり、ドラマを目で追っていたりする。「お兄ちゃん、何気に加わってるよね。」家族の一部始終を、不安げに見つめ続けていた娘が、最もホッとしているようだった。
心配の種は、変わらず日常の淵に存在している。何をきっかけに、それが芽吹いてくるやもわからない。魔に魅入られる可能性は、誰にでも -それこそ私たち大人にだって- あるのだ。そんな時、どこかで踏みとどまれるのか。危うい領域へ陥ってしまわない、その境目は何なのか。どういったモノが、自分をつなぎとめてくれるのか。-私が私を裏切ることがないように-主人公の哀しい祈りに、ページを開いたまま想いを重ねるうち、今日もまた、秋の夜は更けていくのです。。。
先日、コスプレ喫茶へ足を踏み入れる機会が訪れまして。いや~オモロかった。だって、めったにできない体験なんだもーん。兵庫の片田舎から、はるばる出かけて行った甲斐があったヨ。電車を乗り継ぎ、また乗り継ぎ、aikoの歌になった三国駅を通過してねぇ。。。
同行していた息子に、「なぁこの駅、aikoの歌に出てくるねんで」とサビの部分を口ずさんでいたら、しばらくして、まったく違う歌だったのに、ひっそりと気づいた。 地味な出だしよりサビの方が分かり易いと思ったのに、とんだしくじりだ。子どもに嘘ばかり教えているので肩身が狭い。一度でいいから『Doctor-X』の大門未知子(米倉涼子)のごとくカッコ良くキメてみたい。「私、失敗しないので。」
さて阪急宝塚線の、とある駅に降り立ちまして。そこからは、友人の案内で目的のエリアへ。敷地自体には、5分足らずで到着するのだけどね、その先が、とてつもなく広いのよ~。なだらかな石畳をゆけば、右手にお寺やアパートが。さらに歩みを進めると、今度は池が見えてきた。ここは街ですか⁉︎
「緑が多くて素敵な環境だねぇ。」「ゆったりしてるのは、ええんやけど、移動が大変らしいわ。」そんな会話を交わしていたら、いつしかメインストリートへ。そこには、テントを張った出店がギッシリ。「結構な賑わいだよね。」「この界隈をぶらぶらしてるだけでも、お腹が膨れるよ。ねぇ、どこから回る?」「広過ぎて迷うなぁ。」
まずは、おぼろげながらでも全体像を把握したい。そう考えて、とりあえずメインストリートを辿っていくうち、一角から現れたのは、ピンピカの研究所。「ひゃ~すごーい。こんな建物があるのぉ?」こちらの概念を覆す構造に、息をのむ。たまには外の世界も、眺めてみなきゃいかんねぇ。片田舎に生息していると、井の中の蛙状態だもの。
そのスケールに目を見張りながら散策しておりますと、ブォォォォ~ン。傍らの道路を、カートに乗ったスーパーマリオが、駆け抜けていきました。車が走れるんだ。。。 マリオじゃなくて、そこへツッコむんか~い!敷地内をざっと見学した後は、プラネタリウムへ立ち寄ったり、占い処を覗いたり。で、その極みが「せっかくだから、どこか行きたいところはある?」と友人に問われ、セガレが探し出したコスプレ喫茶だったのネ。
コスプレって何やねん。いぶかしみつつ現場へ行ってみると、「満員です」。受付から見渡した店内には、ナースやポリス、メイドの格好をした女の子が、所狭しと歩き回っている。「しばらくお待ちいただかなくては…」ときたので、息子に「どうする?」中を示しながら尋ねたら、満面に笑みを浮かべ 「待つ」。そりゃあもう、心の底から嬉しそうに。あれは紛れもなく、男の表情だったね。
やがて順番が来て、席へ案内される。メニューのボードを手に取ると、飲み物や食べ物の他に、ウェイトレスを選択できるようになっており、ナース、女子高生、ポリス、メイドといった内訳が。友人は女子高生、私はドSのポリス、息子はメイドを選択して待ちました。さらなるオプションには、’告白’ ’ビンタ’ ’あーんして♪’ ’写真’ などの項目が。ウェイトレスの指名だけで+100円。こういったオプションで、+200円~500円。ん?なんか単価安いぞ。
実はここ大学なんです。 私たち、学祭へ来ていたの。しかし、よくできた趣向やねぇ。女の私でも、ポリスのお姉さんの格好を見て、トキメいてしまいましたから~。ミニスカからスラリと伸びたおみ足。黒の網タイツ姿にキターッ、男の子ばかりのグループなんて、絶対楽しいと思う。壁には、その日の最高額が表示されており、13000円となっていました。(←よう使いはったなぁ~)
私たちは絡み辛い客だったらしく、ドSのお姉さんが 「さっさと食べな!」注文したものを置いていった後は、ひっそりと放置されていたのですが、気を利かせた女の子が、「あの~楽しんでいただけてるでしょうか?」声をかけてくれまして。それをきっかけに話しておりますと、彼女がナント!陰のボス、企画立案者だったのでした。
’ただのメイド喫茶なんてつまらない!’と、今回の形式にしたそうで。日頃はお堅そうな女の子たちで構成されてるってのがまた、萌え~なんだよね。メンバー全員、法学部の学生さん。その反動でこうなったのか。はたまた、おかしな客が来た時に日頃の勉強の成果を発揮するつもりなのか。「『リーガルハイ』の広末涼子みたいに」 (←私)「退室を命じます!なんてな。」 (←息子) そんな風に想いを巡らすのも、一興だった。
「来年の文化祭で、逆バージョンをやってみたら?」息子が通う学校は男子が多く、とりわけ彼が在籍する学科は、男女比率が37:3。そんな環境の中、できるコスプレってなんやろ〜。「女性に好まれるものなぁ。」医者や自衛官、警官にパイロット、それから執事♪「自衛官は今、人気らしいよ。コンパ相手で一番望まれているんだって!」何気に詳しい友人の情報にウケる。一体どこで仕入れてくるのか。
「息子クンのおかげで変わった体験ができたわ。女同士じゃ入り辛いもんね。」こちらこそ、校内の要所要所で、いろんな説明をしてもらって、ありがたかった。「大学っていうより企業みたいだった!」とはセガレの弁。学部によっては、校舎じゃなくてビル。友人の息子さんが在籍する基礎工学部や理学部は、建物そのものも美しく、入口にはオシャレなガラスの案内板があり、ちょーかっこよかった。「あ、ポストだ」まぁここまでは、他の大学でもあるかもしれない。「確か郵便局があったはず。コンビニもね。」
学生さんは、思いの他ノリが良く、そうして礼儀正しかった。バンドでもアカペラでも、ダンスでも、趣味でやっていることのレベルが高い。何にでも全力投球!真面目な学生さんが多いんだなぁという印象でした。鉄道研究会の緻密な模型や体験運転には、子どもたちの目が輝いてた。「やーん。名鉄電車や~懐かしいわぁ」「遠出をする時、パノラマカーに乗るのが楽しみだったよな。」壁に飾ってあった写真の中から、長年住んでいた地域の列車を見つけ、息子と感激。
その後、写真、漫研、電子工作、レゴの展示を見学。それにしても、小さなお子さんを抱っこしたパパママが、いたるところに。近隣の方々ばかりやないでしょう。 ’母校へのリピート率高し’ と見た。息子は、廊下で客引きをするコスプレ組に目がくぎづけ。アニメやゲームでお馴染みのキャラクターに扮した学生さんに、度々撮影許可を求めていたのだが、「女の子ばっかり」と友人にツッコまれ、やむなくカメラに収めたガスマスク姿のお兄さんに、ご縁があったようで。。。
「あの後、違う場所で会うたんやけど、手をふってくれたよ。」しばらくして…「今度は離れた所で見つけてん。おーい!って手をふったら、オーッ!とふりかえしてくれた。」 怪しげな姿とはウラハラに、愛想のいいガスマスクさんなのだった。それにしても男同士、ひっそりと交流を温めていたのね。
息子が校舎を回っている間、私たちは外へ出て、木陰でおしゃべり。やはり旬の話題は、共通の友人に、赤ちゃんが生まれたことだった。 「うちには、国民年金の案内がきたよ。」「20歳違うんだもんね。」「彼女からのメールを読んでいると、赤ちゃんを取り巻く環境が私たちの頃とは違って、びっくりすることがある。予防接種にしても、オモチャにしても。」「時代は、変わっていくからねぇ。」
それは思春期の子どもも同様で、友人の息子さんたちがかぶらなかった波を、うちのセガレはまともにくらった。中3の時、部活仲間を発端に広まったLINEである。進路を決める大切な時期なのよ!歯噛みする親の心配をよそに、子どもたちは、つながる楽しさに一気に溺れた。
そう。’step by step’ じゃないんだよね。親としては、段階を踏んで大人への階段を上ってほしいものの、諸々の事柄が押し寄せてきて、パニックになる。iPod購入に至るまでだって、すったもんだしたのに、春休み中の外出やら、女の子との交際やら、心配の種がわらわらと。本人は、思春期特有のつんつんした棘を身にまとっているしさー。伝えたい気持ちはあれど、上手く伝わらず、ガタピシ衝突。お互い涙を流し、ぶつかり合ったこともあった。「負けちゃダメ」母仲間にはそう言われたが、ぶっちゃけ辛かったよ。
「大変そうだねぇ。でも、ある意味まっとうな形の成長だよ。」「フツーだよね。」「うんうん。極めてフツー。」「今まで仲が良かっただけに辛いんだと思うわ。」「しかし女の子にシッシッって言ってる様が、まるで 『下流の宴』の黒木だね。」「黒木じゃなくて泰葉。今は己を磨く時。女とチャラチャラしてる場合か。もっと精進せい!と、小朝に怒ってた泰葉。」(←私)「ぷっ余計に可笑しい。」
そんな友人たちに、サクラサクの報告ができ、そうしていつしか、息子との軋みも落ち着いていった。念願の学校に通い出し、親元からいささか離れる結果となったのが、良かったのかもしれない。相変わらずiPodは手放せないようだがー いじりながらも、家族の会話に入ったり、ドラマを目で追っていたりする。「お兄ちゃん、何気に加わってるよね。」家族の一部始終を、不安げに見つめ続けていた娘が、最もホッとしているようだった。
心配の種は、変わらず日常の淵に存在している。何をきっかけに、それが芽吹いてくるやもわからない。魔に魅入られる可能性は、誰にでも -それこそ私たち大人にだって- あるのだ。そんな時、どこかで踏みとどまれるのか。危うい領域へ陥ってしまわない、その境目は何なのか。どういったモノが、自分をつなぎとめてくれるのか。-私が私を裏切ることがないように-主人公の哀しい祈りに、ページを開いたまま想いを重ねるうち、今日もまた、秋の夜は更けていくのです。。。