久方ぶりの更新ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?装いも新たに、このページへ戻って参りました。
SNSで想いを綴り始め9年…JINCHAN'S CAFEでは、ほぼ模様替えをせずにきたのですが、じんちゃんのessayはクドくて、長くて、愚痴多いからねぇ。せめて雰囲気だけでも、パーッと明るくしようと。今回から虹をかけてみました
さて、娘の卒業式をピークに、いろんな出来事が重なりまして。じんちゃん行き倒れてしもた。 凡人なんでね…不器用な形で頑張るしかなかったのよ。委員疲れは、新年度に入ってもとれなかった。
もう何が脱力て、仕事があるのを名目に、ほとんどの活動を私におっかぶせていた某メンバーが、最後の手伝いのさ中、口にした一言よ。「まぁ、これから職場へ戻ってやる作業は、お金になるからいいんだけどね。」ありゃあ、夫の物言い以上に、「ふぅ~」「はぁ~」のため息モンやったわ。
涙も~ 痛みも~
すべては~ ひとりでぇ~
愛する~ ことから~
分かるの~ いつの日かぁぁ~
くたびれた心に、安井かずみさんの訳詞が沁み渡ります…
愛のうた求めて
エマニュエ~~~ル
何のテーマ曲に合わせて切ないため息をついとるねんな。
娘は娘で、卒業間近に役割を振られ、似たような悩みを抱えていた。「お母さんも頑張ってんだから、キミもやんなさーい。」いささか納得しかねる理由で、担任から卒業制作の委員長を任されてしまったらしい。推薦入試や私立受験で合格している子なら、他にもいるハズ。娘にしてみりゃなんでそうなるのッ?!ですよ。
その後紆余曲折あり、またしても受験に取り組むことになったので「委員長だけでも他の人に代わってもらうよう、先生に交渉してみたら?」と申しますと、「一度決まったことだからねぇ…」そこで融通を利かせる先生なら、最初から無茶ぶりしてこないと?
「委員長に関しては割り切ったんだけど、委員をやってる友達に、ちょっとした作業を頼もうとすると、いちいち眉間に皺を寄せて、えーっ?!って言う。それがすごく嫌なの。」「お母さんと一緒やわ。」
まとめる側の苦労なんて、知ったこっちゃない。各々が、自分だけの世界の中で、ぶーぶー文句を垂れている。俯瞰で全体を見渡しているのと、自分の立ち位置しか見えていないのとでは、齟齬が生まれて当然なのかもしれない。が、それを補うモノだって、あるんじゃないかなぁと思う。
「ゴチャゴチャ揉めるのも気分的にしんどい。だったら一人でやった方が楽だし早い。明日の朝、学校でやらないかん作業があるねん。起こしてね。」夜は遅くまで勉強の予定が…これまた卒業制作である。後に残るので妥協はしたくないと、美術部の意地とプライドをかけ、懸命にやっていた。受験にも、このくらい気合を入れてくれたらねぇ。
そんな状況で、夫のドラマ妨害が始まる訳ですよ。
夕食の後、息抜けに、お気に入りの番組へチャンネルを合わせておりますと、傍らから画面を見るなり「うわぁ~ペペペペペっ 」。何スカ?一体なん何スカ どうやら有村架純ちゃんのドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』に反応したらしい。確かに辛気臭いムードに救いようのない設定だけどサ、心の琴線に触れ涙することでカタルシスになる…私にとっては、そういうドラマだった。
主人公の二人が、お互いの感情の間を行き来しながら、夜の観覧車へ向かってトラックを走らせるシーンでは、胸がキューンとなった。 高良健吾くんが、晩年のじっちゃんの荒くれた感情を喰らい、しんどくなってしまう所では、母との日々を思い出して、しんみりした。
大切な人を未だ失くさず済んでいる夫には、くだらない恋愛ドラマにしか映らんのだろう。まぁ人それぞれ、好みもあろうし嫌なモノは仕方ないが、私なら、黙って本を片手に2階へ上がる。 <`ヘ´>
「それは高度な対処法。お父さんには無理じゃない?」「〜人は、三度、恋をする〜ってサブタイトルのついたドラマの時は、テレビの前で地団太踏んでいたからねぇ。」「子どもかぃ!(笑)」「あの時も、皆があの内容を肯定していたんじゃなくて、あの展開はないよトカ…」「ツッコみながら見ていたんだよね。」
子どもたちにだって、自分の身へ置き換えたら賛同できない設定もあろう。それでも場の雰囲気に呑まれることなく、自分なりの見方をしていたのだ。夫はいつも上っ面だけ捉えてこうと決めつけ、大騒ぎをする。(相手はドラマですゾ。)
「お母さんも、お父さんの反応を気にし過ぎなのよ。」「そうかなぁ~ 」「私やったら負けへん。大体、人が見ているモノをセーフとかアウトとか、何でお父さんが決めるの?ペペペペペって反応したら、うりゃ~~~って見せつけたったらええねん。洗面所まで逃げてくわ。」
家族中から、ヘタレとからかわれていた娘が、いつの間に、こんなに逞しくなったのか。挙句「お母さん、もっと気をしっかり持って!」と、叱咤されてしまった。^_^;
しかし、コトはそう上手く運ばない。数日後、娘が溜まりに溜まった録画分を消化しようとドラマを見始めると、またしても夫が、わーわー言い出した。目くじらの矛先は、やはり ‘いつ恋’ である。坂本裕二さん(脚本家)、すまんのぅ~
父の様子をジロリ横目で睨みながら、リモコンを握り締める娘。あたしゃ絶対譲らんゾ!との強い意志が漲る。これは言葉どおり娘の勝利かなと思いきや、やおら走り出てきた夫がテレビのスイッチを消し、プシューン強制終了。
「人が見てるのに何するのよー!」「このドラマは見たくないんだ!!」「だったら部屋から出て行けばいいでしょう?!」言葉を返せない夫は洗面所へ行き、ガタピシものにあたり始める。これには私がキレた。この家は、亡き母が守り通してきた城やで。乱暴に扱わんといてんか
ってか、ここは寺内貫太郎一家ですか?(@_@)
ちょっとしたことへ必要以上に拘り己を追い込む…そんな青い時代もあったが、さすがに学習した。自らかきむしったってロクなことない。気に障るのであれば対象から目を逸らしたり角度を変えて眺めてみるのも、心を楽にする方法かな。そうして娘にだって、私にだって、しばし浸っていたい世界がある。夫は無遠慮に踏み込み過ぎるのだ。
こんな夜には例のごとく、娘の部屋を訪れガールズトーク。「やっぱりねぇ…という結末やったな。お母さん、何度か遣り合ったけど、変わらんかったもん。」「もう馬鹿馬鹿しくて。」「配慮してほしかったんだってサ。」「いらん時には入ってくるクセに~すぐ何?何?って」「いっちょかみやからな。(笑)」「アニメ見てる時、後ろに張りつくの、やめてほしいんですけど(笑)」
いつしか学校の話になった。「委員長の仕事はどう?ストレス抱えてたんじゃないの?」「周りが、ちょっとずつ動いてくれるようになってん。放課後何人かで作業していたら、面白いから明日の朝は私たちも早出しよう!って。」「じゃあ、これからは一人でやらなくて済むのね?」娘はニッコリ頷いた。面倒くさそうな反応をしていた友達が、場を盛り立ててくれるようになったのだそうだ。共に係わることにより見えてくるモノ、気付くことが、あったのかもしれない。
「お爺ちゃんは優しかったなぁ。」「そうだったね。」「いろんな話ができた。今こんなことに興味があってトカ、こんな風に考えててトカ、お婆ちゃん以上に言えたかも。よく食事に行ったり、飲みに行ったりしたよ。」「父さんとはあり得んわ。」「可哀想にねぇ…」「誰の所為よ!」「改めて思うのだけど、お母さん多分ファザコンやわ。」「私、ファザコンにはなれそうもない…ふふ」すまんのぅ~許せよ。「ただ、嫌だ嫌だと思ってるタイプを結婚相手にしそうで、それが心配。」「ホンマやなぁ。気ぃつけよ。ダメんずには。」
高校生活が始まり今まで以上に忙しくなった娘は、ドラマを見る余裕もなくなった。初の遠距離通学に加え部活に勉強。ともすれば、パジャマ姿の夫が寝室へ引き上げようかという頃、帰宅する。どうせならあの時、見たい番組を気持ちよく見せてあげたらよかったのにと、ちょっぴり腹立たしい。何事にも旬の時期ってものがあるのだ。一方チャチャを入れた側は、リビングで悠然とTVライフを謳歌している。
先日、あるバラエティー番組に出演していた若い役者を指して「誰?」と問うので、「窪田正孝くん」と答えたら、「知らんなぁ~」。妻の好きな役者を知らんのか。ちなみに子どもたちは承知している。ややあって、「何に出とったん?」ときた。頭の中に、いくつかの作品が浮かぶ…しかしながら、夫に理解してもらえそうなドラマではないのだ。
「『デスノート』『火村英生の推理』」(←息子)「少し前なら『花子とアン』『ST(警視庁科学特捜班)』とか?」用心深く、無難な内容の作品を拾い上げながら、アンタが苦手な脚本家の『最高の離婚』じゃボケ!心の中で、毒づいた。