不思議な体験

妻が買っていたイヌが死ぬ前日

死神が見えた

そしていかんと思いイヌを守った

その日は生きていたが

次の日

急に容態がおかしくなり

病院に連れて行くかはなしをしていると

イヌが

病院は嫌

布団で寝たい

とはっきりとした言葉で言った

もう死んでしまうんだなぁと悟った

その晩

ふたりのあいだにイヌを寝かせ

そして寝た

妻はイヌがなくなったのを悟ったのか

夜中に起きてイヌが死んだのを確認した

そしてまる一日

イヌを見送って

動物の焼却の手配をした

そのイヌの名はチビ

チビの毛をお守りにしている

あの時死神がまた見えてしまったんだ

守れなかった