大部屋が相談所になっていった
からだ中の顔に至るまで
自分で刺青をした人がいた
こんなからだにしてしまったら
雇ってもらえないと言っていた
そんなに絵を描くのが好きなら
絵を描くことで仕事にするとか
そういうことはできないのかなぁと
言って
誰かの退院のときにもらった色鉛筆を
その人に渡した
彼はしばらくしていなくなったのだけど
どこに行ったのだろう
すぐに居なくなってしまう人とかがいた
キャバ嬢をからだを売る風俗に勤めさせる人もいた
その人はそういう相談に乗っているうちに
正直な自分のほうが耐えられなくなったようだった
人間には生まれもって良心がある
両親から生まれてその影響を受け
良心ができあがる
そしていくら良心を騙しても
結局からだは反応してしまう
自分を騙そうと思っても騙せないのだろう
警察に送られる人も入院していたみたいだった
だから薬物の講座もあった
病気で入院している子がこういっていた
私らは病気で幻聴・幻覚を見る
彼らはわざわざ薬を飲んで幻聴・幻覚を見ると
確かにそのとおりだ
しかし病気になって飲んでいる薬も
似たようなものじゃないのかなぁと思った
医者は毎日のように診察してくれていた
外泊ができるようになり
引越し先を探さなくてはいけなくて
頻繁に外泊をするようになっていた
最初のうちは誰か送り迎えに来ていた
付き添いが居ないと外泊ができなかったのだ
送り迎えを必要とした
また不動産屋をめぐり家を探した
ようやく古いマンションではあるけども
広い部屋を見つけた
ユニットバスなのがいやだったが
1LDKだからいいかと思った
役所との交渉をして
引越しの日付も決めた
そうして病院に戻ったら退院の日が決まった
医者が入院当初の話をする
なぜ血だらきになっていたのですか?
それは私もわからない
全身に痙攣がおきて倒れることが3度くらいあった
その痙攣のたびごとに誰かの犠牲になっているという
感覚が襲ってきてそれを受け入れていた
隔離されているとき寝て起きなかったですよね?
いや寝ていないんだよ
目は閉じたままだけど意識が働いていたんだ
記憶が十分でないけど
意識を失っているときは寝たように見えたかもしれない
意識を失うときは死を覚悟していた
何度も知事の入院の書類を読み返したんだよ
意識のないときに警察の尋問か医者の診察か
何かわからない映像の記憶だけあるんだけど
あれは実際にあったのかなぁ?
意識がないから何を応えたのかもわからないんだ
退院の日
引越しの準備を始める日でもあった
引越し完了でもって退院する案を医者は出していたらしい
しかし長期間の外泊の後の退院は認められないと
引越しの準備の段階で退院となった
結局、病棟の外は自由には出られなかった
入院期間はおよそひと月だった
素っ裸で入院してきるものもなかった隔離からだった
氏名 不詳
年齢 40代
その書類がまだ残っている
からだ中の顔に至るまで
自分で刺青をした人がいた
こんなからだにしてしまったら
雇ってもらえないと言っていた
そんなに絵を描くのが好きなら
絵を描くことで仕事にするとか
そういうことはできないのかなぁと
言って
誰かの退院のときにもらった色鉛筆を
その人に渡した
彼はしばらくしていなくなったのだけど
どこに行ったのだろう
すぐに居なくなってしまう人とかがいた
キャバ嬢をからだを売る風俗に勤めさせる人もいた
その人はそういう相談に乗っているうちに
正直な自分のほうが耐えられなくなったようだった
人間には生まれもって良心がある
両親から生まれてその影響を受け
良心ができあがる
そしていくら良心を騙しても
結局からだは反応してしまう
自分を騙そうと思っても騙せないのだろう
警察に送られる人も入院していたみたいだった
だから薬物の講座もあった
病気で入院している子がこういっていた
私らは病気で幻聴・幻覚を見る
彼らはわざわざ薬を飲んで幻聴・幻覚を見ると
確かにそのとおりだ
しかし病気になって飲んでいる薬も
似たようなものじゃないのかなぁと思った
医者は毎日のように診察してくれていた
外泊ができるようになり
引越し先を探さなくてはいけなくて
頻繁に外泊をするようになっていた
最初のうちは誰か送り迎えに来ていた
付き添いが居ないと外泊ができなかったのだ
送り迎えを必要とした
また不動産屋をめぐり家を探した
ようやく古いマンションではあるけども
広い部屋を見つけた
ユニットバスなのがいやだったが
1LDKだからいいかと思った
役所との交渉をして
引越しの日付も決めた
そうして病院に戻ったら退院の日が決まった
医者が入院当初の話をする
なぜ血だらきになっていたのですか?
それは私もわからない
全身に痙攣がおきて倒れることが3度くらいあった
その痙攣のたびごとに誰かの犠牲になっているという
感覚が襲ってきてそれを受け入れていた
隔離されているとき寝て起きなかったですよね?
いや寝ていないんだよ
目は閉じたままだけど意識が働いていたんだ
記憶が十分でないけど
意識を失っているときは寝たように見えたかもしれない
意識を失うときは死を覚悟していた
何度も知事の入院の書類を読み返したんだよ
意識のないときに警察の尋問か医者の診察か
何かわからない映像の記憶だけあるんだけど
あれは実際にあったのかなぁ?
意識がないから何を応えたのかもわからないんだ
退院の日
引越しの準備を始める日でもあった
引越し完了でもって退院する案を医者は出していたらしい
しかし長期間の外泊の後の退院は認められないと
引越しの準備の段階で退院となった
結局、病棟の外は自由には出られなかった
入院期間はおよそひと月だった
素っ裸で入院してきるものもなかった隔離からだった
氏名 不詳
年齢 40代
その書類がまだ残っている