ボクの町は四方を水で囲まれてるんだ
橋がなければ孤島って奴だな
渡し舟が今でもあるんだよ
町には大きな公園が三つもあるんだ
町を歩けば知り合いばかり
昔は町中の人を知っていたような気がする
それくらい穏やかな小さな町だったのさ
今は新しく家がいっぱい建ってね
工場は入れ替わって
新しい町になりつつあるんだ
埋立地も追加されてね
いつの日かこの埋め立て地にも
人が住んだり店ができたりするんだろうなあ
面白い町でね
町のまわりが海か川
堤防沿いには工場
その内側に人が住んでるんだ
だからトラックが行ったり来たりしてるんだ
空気は良くないだろうねえ
ボクは小児喘息になっていたそうだ
いまも工場の音が聞こえるよ
その代わり夜は静かだよ
工場も住民に配慮してるんだろうねえ
不思議な町さ
僕の町は今日も平和なときが流れてる
子供の頃ボクは町の隅々まで
知らないところはなかったね
町を冒険するのが遊びだったから
工場にも侵入したものさ
いま思えば危ないことしてたんだね
堤防を越えて海を眺めに町を一周したし
本当に隅々まで知っていたなあ
冒険のときに
何処かのおっちゃんに起こられて
叩かれることもしばしばだった
あそこの親父は恐いだとかね
爺さんは街角によくいたね
いまは公園で爺さんたちを見つけるけど
この町を冒険しなくなったなあ
さて今日も始まりかな
うんしょっと