OUR HOME ISLAND - いおうとう(硫黄島)

戦前に在住していた島民が、戦後の小笠原返還後も故郷に帰ることが許されていない硫黄島についての情報発信をいたします。

島唐辛子(2) 大事な注意事項

2007年07月13日 | 硫黄島・小笠原村
6月の訪島では、小笠原村役場職員のスタッフの方と、私たち旧島民関係者は、小笠原村硫黄島平和祈念館(平成14年にできた40名ほどが宿泊できる施設)に一泊しました。

まだ、早朝に同部屋の硫黄島出身の先輩の方が、鎌を手にして、汗だくで部屋に戻って来ました。何をなさっていたか質問をしたところ、
「会館近くの、島トウガラシの木までたどり着きやすくするために、雑草を刈っていた。」

雑草を刈らないと、次回に来る時になかなか、場所を特定しくく、たどり着けなくなる心配からだそうです。
「まだ、なっているから、連れて行ってあげよう。」とのご親切な申し出に、甘えて、さっそく一緒に取らせていただくことにしました。

会館近くに何本か木があるのですが、距離はほんの十メートル強ぐらい入った場所にある木に行きました。
確かに、雑草の高さより低いぐらいの木(高さ1メートルぐらいでした)ですので、距離は短くても、雑草が生い茂っていたら、よほど、その場所に慣れている人
でもたどり着きにくくなってしまうという植生でした。

たっぷりと成っている島トウガラシの実。
手でつまんで摘む(もぐ)のは、そんなに難しいことではないのですが、
「緑の方が辛くて良いので、できるだけ緑を取るといいよ。」と教えていただいたても、葉や茎と同じ色の緑はなかなか見つけにくく、赤やオレンジ色で鮮やかに自己主張している実の方が、見つけやすくどうしても、赤、オレンジに目が行ってしまいます。

「とても大事な注意事項だが、島トウガラシを摘んだ手で、顔などを触らないように。特に目をこすってしまうと、大変なおおごとになるので、くれぐれも注意を」と教えていただきました。

摘んでいた時間は10分ぐらい。持っていったビニール袋にかなりの量を採ることができました。

注意してもらっていたおかげで、不注意で手で汗をぬぐってしまうようなこともなかったのですが、、、

特に傷があった箇所ではなかったのですが、手の中指の腹のところ、、、、そこに特に多くのトウガラシからの液体がついてしまったせいだと思うのですが、、、その日ずっと、かなりヒリヒリと痛みました。

手についただけで、あの痛みですから、傷や、目などに入ったら、どれぐらいのおおごとになるかが容易に理解できました。

帰ってから母に話すと、「そういえば、島トウガラシのついた手で目をこすってしまって、目がつぶれてしまうに同然の大変な事態になってしまうという事件が、かなりの件数あった記憶がある。」とのことでした。

生で食べると、口の中の熱さがしばらくとれません。普通のトウガラシの「熱さ」とは違って、麻酔注射で麻痺で感覚がなくなるような辛さが長引きます。水をのんだぐらいでは、口の中の熱さはなかなか引きません。時間がたって収まるのを待つしかないという辛さです。
苦味やえぐみは少なく、さわやかな味(麻痺しますので、味と呼べるか微妙なところですが)の辛さです。他のトウガラシとは違う、新体験でした。

母が醤油漬けにしているのを、昨日は、その「島トウガラシ醤油」でカツオの刺身を食べました。生で食べるほどの鮮烈な辛さはありませんが、かなり、醤油い辛さエキスが滲みでてきていて、おいしく刺身をいただきました。

島の慰霊碑、公園などは、きれいな花々でいっぱいに整備していただいてます。(写真)
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