「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

当「夢追い人」は朝ドラ「らんまん」から、いろいろな刺激を受けています。

2023年09月11日 17時01分17秒 | サッカー文化
当「サッカー文化フォーラム」夢追い人は、自己紹介欄に書いていますように「1993年のJリーグスタートをもって萌芽した日本のサッカー文化を、克明に記録し続け100年先に繋ぎ伝えたいという夢を現実にしたい」という思いで、日々、作業を続けています。

克明に記録したものは、webサイト「ようこそ、サッカーの世界に」にアップして、皆さんに濃密な「日本のサッカー文化」を楽しんでいただくことにしていますが、ここ半年以上は新規のアップがストップしています。

その間、なにもしていなかったかというと、いわば舞台裏のほうで、こつこつと仕込み作業をしている状況が続いています。
NHKの朝の連続ドラマ「らんまん」の主人公、牧野万太郎が毎日ひたすら図鑑用の植物資料を製作しているのを見て、気の遠くなるような作業を続けていることを感じます。

このドラマは、主人公やその妻たちの会話からも、共感する言葉が発せられ、とても刺激を受けています。
ある日の万太郎と妻・寿恵子の会話にこんな場面がありました。

万太郎は、日本中のすべての植物を網羅した図鑑を完成させることを夢見ていますが、果たして、そんなことが実際できるのか不安も抱いていました。それについて寿恵子は「私の愛読書である滝沢馬琴先生の南総里見八犬伝は、全98巻、106冊の大著です。滝沢先生は、それをやり遂げたからこそ、皆が喜んで愛読しているのです。未完ではダメです! 必ずやり遂げてください。」と迫ったのです。

私もハッとしました。人は誰でも何かをやりたいと考えます。けれども途中で辞めてしまったもの、未完に終わったものは評価しようがないことになります。「これをやりたい」と志を立てたなら、どんな困難があっても、どんなに苦しくてもやり遂げて、世に出してこそ、初めて評価の対象になるものです。
寿恵子は続けます。「何年かかっても、どんなに難しくても言い訳してはなりません」
そのとおりです。

史実の牧野富太郎博士が図鑑を完成させたのは78歳になった時だそうです。志を立ててから半世紀以上も時が過ぎた苦難の末の業績です。その間、関東大震災や戦争にも見舞われ、どれほどの困難を伴ったことでしょう。
けれども、志を果たすという「鉄の決意」があって、それはドラマでは妻・寿恵子の後押しがあってのことというわけです。

私などは、初めてからまだ30年、残された時間は牧野博士ほど長くはありませんが、少なくとも、あと10年以上は死ねないと思います。

そして、この会話からはもう一つ、貴重なアイディアをもらっています。滝沢馬琴先生は108冊にも分けて世に出したのですから、あなたも分冊にして、できたら世に出すというやり方をすればいいのです、長い時間がかかっても出し続ければいいというアイディアです。
私もこのアイディアをいただき「日本サッカー文化全集」といった全集をテーマごとにでも何冊かに分けて世に出すことにします。

「らんまん」から受けた刺激について、もう一つご紹介します。ちょうど今朝(9月11日)の放送の中で、万太郎が物思いにふけっているシーンがありました。そして寿恵子にこうつぶやいたのです。「図鑑はもう少しでできるけれど、完成しただけでは、ただの自己満足にしかならない。果たして、この図鑑は皆に愛されるのだろうか? 誰からも愛される図鑑なのだろうか」
これにもハッとさせられました。そのとおりです。自分の手がけたものが自己満足だけのものではなく、誰からも愛されるものにするには何が必要か? という問いかけなのです。

この答えはまだ知りません。明日以降のドラマの中で教えられることでしょう。ですから、この書き込みも未完のまま、一旦終わります。

最後にもう一つ、これは朝ドラから教えられたものではなく、今年8月6日付の産経新聞「古典個展」というコラム欄で、大阪大の加地伸行名誉教授が書いておられた「報告と論文の違い」という文章からのものです。

当「夢追い人」も正直、どういう内容を伴ったものが論文なのか、説明できませんでしたが、加地先生が明快に説明してくださっていました。
すなわち「「朝ドラ・らんまん」の内容をもって学問のイメージを持たれると困るなぁと思いました。牧野博士の仕事は優れた業績で大きな価値のあるものですが、あくまで「植物に関する報告」であって「植物に関する論文」ではないという点を心得ておいて欲しいのです。もちろん優れた報告には大きな価値があって、研究の重要な基礎資料ではあるけれど・・。学者が世に出す「研究論文」とは、さまざまな報告に基づいて、そこから見つけ出すか生み出すかした「新しい見解」を「説」として出す文献でありまして、ただ調べた結果をまとめただけの「報告書」ではありません。」

加地先生は「その点をお間違いないように」と教えてくださったわけで、当方は、目からうろこでした。当「夢追い人」の成果物は「研究論文」ではなく「調査報告書」なのだと、やることが明確になりました。
牧野博士と同じように、後世、サッカー文化について研究したいという研究者が、当「サッカー文化フォーラム」のまとめた報告書を価値ある報告として、新しい見解を見つけ出すか生み出す動機づけにしてもらうことを目指したいと思います。

加地先生は「牧野博士の業績にケチをつけるようなことになっては申し訳ない」という気持ちでいたかも知れませんが、むしろ、このように教えていただいて感謝します。当方は牧野博士を目指します。という者もいるということですね。
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日本代表がまたドイツを破った。日本が強いのかドイツが弱いのか・・・。

2023年09月11日 12時17分50秒 | サッカー日本代表
9月9日(土)、日本時間10日未明、ドイツで行われたテストマッチ ドイツvs日本戦、テレビ中継はなかったようなので10日(日)にネット検索で試合結果を知りました。なんとアウェーにもかかわらず4-1と快勝したそうです。

この結果をどう見るべきなのか、正直、すぐには思い浮かびませんでした。こんな経験、30年以上の日本代表応援経験で、 おそらく初めてでしょう。

日本がそれほど強くなったのか、ドイツがあまりにも弱くなったのか。
4点とった攻撃、1点に抑えた守り、仮にドイツが相当レベルダウンしていることを差し引いても、日本の力が相当上がっていることは間違いないでしょう。

ネットでは二人の選手にスポットがあたっていました。
一人は、MOMに押すサイトもあるDF冨安健洋選手、この選手の能力がこれからピークに向かっていくと、日本代表はしばらく「守り」という部分で相当自信を持つように思います。今回のスタメンで、中盤の底からDFラインにかけて、遠藤航選手、守田英正選手、伊藤洋樹選手、冨安健洋選手、板倉滉選手、菅原由勢選手の布陣は、これまで最強の布陣といえると思いますし、冨安健洋選手がゲーム全体をマネジメントしながら統率するという点で、かなり信頼度の高い「守り」が計算できると思います。

このまま、またW杯が来て欲しいところですね。

そして、もう一人は、スタメン落ちで後半残り15分からの出場でありながら、2アシストの活躍をした久保建英選手、ネットには「コンディションは僕史上、過去最高」「さすがに僕は100%(先発で)出ると思っていた。正直がっかりした」というコメントが飛び交い、すわ監督・チーム批判か? と思わせるような雰囲気でしたが、無理もないところです。スペインリーグでは開幕から4試合連続でMOMに選ばれ、自他ともに「きれっきれ」と認める状態だったようですから。

しかし、これについて元日本代表の武田修宏氏は「その理由は森保一監督の「チーム序列」にある」と指摘しています。森保監督の序列主義は、以前から知られていたスタイルで、少し調子がよさそうだからといって、簡単には変えないスタイルです。
もし、これでドイツに惨敗していたら「久保をスタメンで使わないからだ」と批判を浴びると思いますが、森保監督としては、決めた序列の選手に大きなアクシデントやコンディション不良がなく、いわば代える理由がなければ、そのまま使ったということであり、スタメンの選手もそれに応えたということになります。

ですから、武田修宏氏が指摘するように、久保建英選手もスタメンを張った三苫選手、鎌田大地選手、伊東純也選手の中に割って入り、序列を変えるだけのパフォーマンスを見せ続ける必要があるということでしょう。
久保選手もそれをわかっていますから、次を見据えて頑張ると思いますが「調子は水もの」で、いつまでも持続できるものではありませんので、まぁ、できるだけ長く持続して欲しいと願うばかりです。

今回は、久保選手だけではなく堂安律選手や田中碧選手も控えですし、ワントップのスタメンが上田綺世選手、浅野琢磨選手は控えといった具合に、誰がスタメンでも控えでも結果を出せそうな選手がズラリと揃っているという点では、強いチームらしくなってきたことは確かです。

ただ今回の久保選手の一件で痛感したのは、欧州にもスカウティング担当のコーチを専従で配置すべきではないかという点です。現在、森保監督、名波コーチ、前田コーチが分担して代表メンバーの状況をチェックしていると思いますが、欧州で活躍している選手の状況はどうしても把握が不十分になっているはずです。
欧州駐在の協会スタッフは、代表選手のスカウティングが主たる仕事ではないと思いますので、もう一人、専任のコーチを常駐で配置して欲しいところです。
今回の一件で、検討が加速することを願っています。
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