前回の書き込みから2週間空いてしまいました。コパ・アメリカは終わりEUROもファイナル直前まで来ました。
なんといっても明暗くっきりなのが、リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドです。現在、サッカー界の世界最高峰に君臨する二人。
メッシはコパ・アメリカの優勝トロフィーを掲げられなかったばかりか、その10日後にはスペインの裁判所から脱税容疑について禁固刑の有罪判決を受けてしまいました。メッシの憔悴ぶりや、いかばかりでしょうか。
一方のクリスティアーノ・ロナウド、欧州チャンピオンズリーグのタイトルをとった勢いをEUROまで持ち込み、スペイン、イタリア、ドイツといった強敵が次々と脱落する中、自国ボルトガルを決勝にまで導きました。
まだタイトルには手が届いていませんがブックメーカーの優勝予想では強豪7ケ国のうち最低評価だったことを考えれば望外の活躍と言えるでしょう。もっとも欧州選手権に関しては過去5大会コンスタントにベスト8以上の成績を残している彼らにしてみれば「望外の活躍だと?バカ言うな、今度こそ優勝だ」と意気込んでいるのかも知れません。
EUROに関するブックメーカーの優勝予想ナンバーワンは、グループリーグ直前でも準決勝4チーム決定後もフランスでした。準決勝4チームではドイツと同率でしたから、この2つが激突した準決勝が事実上の決勝戦というのが大方の予想ということになります。
さて、そのフランス代表のエース、これまではカリム・ベンゼマでしたが彼は今大会、スキャンダルを起こしたことで招集を見送られていました。
そのため私は、ジルーというFWを名前だけ知っている程度の知識しかありませんでした。とうの昔に代表を引退していたフランク・リベリーを「今大会は出ないのだろうか」と思っていたぐらいです。
ところが、今大会、アントワーヌ・グリーズマンという選手が主役の座に躍り出ました。この選手、ブックメーカーのオッズでも得点王の第2位にランクされていた選手で、むしろ驚きでも何でもない活躍というわけです。
さらに私が自分の無知ぶりに気づいたのは、彼が所属しているチームが、私が最近信奉しているシメオネ監督率いるアトレチコ・マドリーの選手だということです。どうも、これまで選手の表記がグリエズマンだったりしていたことも影響したかも知れません(相当言い訳がましいですが・・・。彼自身はグリエズマンと呼ばれるべきだと話しているとかいないとか・・・。)
いまスカパーでは、5月まで行われていた欧州チャンピオンズリーグをグループリーグから2~3試合づつ再放送しています。グリーズマンはCLで7得点をあげており、中でも圧巻は準々決勝バルセロナ戦の2Lg、一人で2得点を叩き出し見事逆転勝ち上がりの立役者になりました。
これらも含めてスカパー再放送のチャンスをできるだけカバーしたいと思います。
このバルセロナ戦2Lgの直前予想で、戦いのキーマンにグリーズマンをあげていた日本人サッカージャーナリストを見つけました。小宮良之さんです。web版スポルティーバ掲載の2016年4月13日付けコラム「バルサ戦のカギ握るアトレティコのグリーズマン。『10クラブで落とされた』」がそれです。見事な慧眼です。ぜひご一読を。
ちなみに落とされた10クラブというのは最近のことではなく、13歳以前の頃、プロクラブの下部組織への入団の時みたいで、よくある「うまいけど小柄すぎた」という理由からのようです。
そのグリーズマン。メッシ、C・ロナのあとのバロンドール候補という声も出ているとのこと。今大会フランスが優勝したら、C・ロナを差し置いてバロンドール当確ということになるかも知れません。 注目です。
いずれにしても何年か後に「2016年6~7月がメッシ、C・ロナ時代の終焉時期」と言われるのは間違いないでしょう。少なくとも、バルセロナとレアル・マドリーという宿命のライバルチームで幾度となく覇を競い合った時代が終わりを迎えるでしょうから。
グリーズマンがメッシ、C・ロナ後のスーパースターの座を不動のものにするまでの最大の敵はケガです。まず、このシーズンオフ、ほとんど身体を休ませられないまま新シーズンに突入しなければなりません。
これまでもスーパースター候補生が何人も、この魔のシーズンオフのせいで脱落していきました。ただただグリーズマンがケガをせずに次のオフまで持ちこたえて欲しいと願うばかりです。
もう一つ、グリーズマンが乗り越えなければならない壁。それは大舞台の修羅場ともいえるPKの場面です。5月のチャンピオンズリーグ決勝レアル戦、これを決めれば同点に持ち込めるという場面で得たPKを任されたグリーズマン。真のエースと呼ばれるかどうか最終選考のような、このPKを決めることができませんでした。
これが初めての大仕事でしたから、やむを得ないと言えるかも知れません。けれども、次は決めなければならないでしょう。そういう強いメンタルを持つこともスーパースターの条件だからです。そういう彼に対して、アトレチコは2020年までの現行契約をさらに1年延長したそうです。
その契約延長を発奮材料にしたのかどうか、フランス代表ではEURO準決勝のドイツ戦で、先制できる絶好の場面でPKを任されて、見事に決めてみせ、重圧から解放された後半には自ら得点して、難敵ドイツ撃破の立役者になりました。スーパースターの階段を一歩登ったのかも知れません。
欧州CL準々決勝のバルセロナ戦2Lgといい、EURO準決勝のドイツ戦といい、まさに天王山とも言うべき大一番で輝けるという点では、スーパースターの資質を十分備えているようです。
このあとも、彼がメンタルトレーニングなどのサポートを得て、どんな場面にも動じない強靭な精神力を培うことを期待しましょう。
それにしてもメッシはどこへ行くのでしょう。バルサ残留なんていう選択肢があるのでしょうか? そしてC・ロナ、モウリーニョが監督に就任したマンUへの復帰?といった噂がないではありませんが、それこそEU離脱問題が影響しそうなプレミアリーグです。視界不良のリーグになりつつあります。
さぁ、EURO2016が終われば、次はリオ五輪サッカー日本代表戦、そしてロシアW杯アジア最終予選と、再びジャパンブルーに熱くなる時が来ます。
いつまでも若々しいのに、いつの間にか50歳台になっている川平慈英さんのフレーズを拝借して若々しく「クーッ!!!」です。
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