「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

YouTubeへの動画掲載を通じて知る、コンテンツ保護の仕組み

2022年05月02日 13時08分45秒 | 世界のサッカー
当プログの管理人が主宰しているwebサイト「サッカーの世界にようこそ」(https://fc-forum.com/)に、最近、あらたなコンテンツを次々と投入しています。

そのうちの一つは当「サッカー文化フォーラム」が所蔵する膨大な試合映像や各種番組映像などのデータを紹介するデータパビリオンというページに、個別映像を10分前後の短縮版にした動画を「サムネイル画像」としてリンクを張り、どういう内容かちょっと見たいという時にクリックして見れるようにしました。

その「サムネイル画像」ですが、データすべてをリンクさせるには、これまた膨大な作業が必要となりますので、当方で「これは」というものをチョイスしてリンクさせています。

一番最初にリンクさせたのはJリーグの試合映像の記録データの一番最初の項目、すなわち1993年5月15日の開幕セレモニーや15日、16日に行われた歴史的第1節の試合の「サムネイル画像」ですが、開幕セレモニーで見せたTubeのギタリスト・春畑道哉さんの「Jのテーマ」演奏の部分などは6年前にYouTubeにアップしておきましたので2万回視聴いただいています。

最近になって、今度はサッカー関連番組や、W杯試合などのデータにも「サムネイル画像」をリンクさせたいと思い、ほぼ毎日のように作業を続けてきました。

その甲斐あって、サッカー関連番組の最初のデータ表である「1985年~1993年サッカー関連テレビ番組・市販ビデオデータ」という一覧表に280タイトルほどの番組等のデータがあるのですが、その中から16タイトルに「サムネイル画像」のリンクを張りました。

いまなお現役選手として活躍しているカズ・三浦知良選手の18歳当時の映像や「笑っていいとも」の番組に出演した時の映像、あるいは「ドーハの悲劇」が起きた試合の17秒には何があったのかに焦点をあてたNHKの「クローズアップ現代」の映像など、このあと何十年にもわたって、見てみたいと思ってもらえる映像を選びました。

W杯の試合映像もそうです。いまデータパビリオンに掲載されているリスト表は「1970年~1994年W杯試合・イベントデータ」という一覧表ですが、たとえば1982年スペインW杯で一番人気の高かったブラジル代表の黄金のカルテットと呼ばれたメンバーの試合や、1986年メキシコW杯でのマラドーナの準々決勝、準決勝の試合などは、このあと何年経っても繰り返しみたい試合です。
それらを、それぞれ10分程度の「サムネイル画像」に編集してYouTubeに流し、データ表の該当番号をクリックしていただくとYouTube動画にアクセスする仕組みになっています。(こちらは今日現在、まだリンク処理はしていませんが・・・)

YouTubeに動画をアップしている方ならご存じでしょうけれど、当方の場合はまずHDDに保存してある試合映像を10分程度に短縮する編集作業が必要です。中には20分ぐらい使いたい試合もありますが、15分以内に収めないとYouTubeにアップするのが面倒になるということのようです。

試合映像を1本1本選んで編集作業をしたら、今度はYouTubeにアップする作業を行ないます。これもアップロード作業なので結構時間がかかりますし、また通信回線のデータ使用量が多く、すぐ契約容量が足りなくなりそうになります。

次にwebサイト「サッカーの世界にようこそ」のデータベース表の該当番号とYouTube動画をリンクさせます。この作業は当方が直接ではなくパートナーとして仕事をお願いしている方に作業していただきます。
これでやっと、皆さんにデータベースを見ていただいた際、見たい画像をクリックしていただくとYouTube動画が見れるということになったわけです。

当方の試合映像や番組映像はほとんどがテレビ番組からの収録ですから、これまで長い間、個人が録画した画像をネットに流すことについてコンテンツ保護の観点から、法的に問題ありといったことで、どうすればいいのかわからないままに20年、いや30年ぐらい経過してきたのですが、ここにきてYouTubeにアップする一連の作業を通じて、これらの問題もYouTube側が動画アップの仕組みの中にチェック機能を組み込んでいることがわかりました。

具体的な映像を例にとって説明しますと、1994年アメリカW杯グループリーグアルゼンチンvsギリシャ戦という試合があります。
この試合、アルゼンチンにはバティステゥータ、カニーヒアといったストライカーと、中盤にマラドーナ、シメオネ、レドンドといったタレントを揃え、かなり期待度の高かったチームの初戦でした。
4年前のイタリア大会決勝で西ドイツに屈し悲嘆の涙にくれたマラドーナが元気にW杯のピッチに戻ってきたという点でも注目されました。

この試合、4-1でアルゼンチンが完勝、バティステゥータがハットトリック、マラドーナも豪快なミドルシュートを決めて、サイドラインに据えられていたテレビカメラの前に走ってきて吠えた場面が印象深い試合ですので、そのあたりを含めて12~3分の動画に編集してYouTubeにアップしました。

するとYouTube側から「この画像には著作権保護の申し立てがある部分が含まれています」という警告が出ました。
警告の詳細を見ると「開始から何分何秒の部分から何分何秒の部分までは著作権保護の対象になっています」という説明でした。
そして「その部分を削除したら残りをアップしても問題ありません。どうしますか削除しますか? 削除するつもりがなければ、プロックがかかり、この動画の視聴はできません」という告知でした。

それなら仕方がありません。その部分を削除します。残りの部分だけアップしますという処理をして、晴れて著作権保護の問題が解決しました。
ちなみに、この12~3分の中には3ケ所ほど削除しなければならない部分があり、それらにハサミを入れて削除しましたので、残ったのは2~3分だけみたいでした。まさにズタズタに切られたという感じですが、仕方がありません。

面白いなと思ったのは、著作権で保護している部分が、10分ぐらいの中でも細切れになっているということでした。今回、YouTubeへのアップ作業をして大変勉強になり、また、20年前と比べると動画の公開におけるチェック機能が格段に進歩していることも驚きでした。

当方は、30年前からサッカー映像などの記録を克明に残し100年後に継承していきたいという思いで、この取り組みを始めています。最初の頃の悩みは「著作権保護」の問題で、せっかくの映像をどこにも出せないのだろうかというものでした。次に「仮に映像は見てもらえなくてもwebサイトのデータベースという形で『こういう映像は残っていますよ』を告知だけでもしておこう」と考えました。

そのうちに、どうもYouTubeに流してもあまり問題なさそうだということがわかり、今回、その理由というか仕組みがわかったという次第です。
時代は進化しています。昔は難しかったことも少しづつ解決されて可能になっていることの端的な証拠です。
これからも、あきらめないで続けていくと時代が追い付いてくれて、以前できなかったことができるようになると信じていこうと思います。

皆さんからも、いろいろとメッセージをお待ちしています。

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