JR福知山線での列車脱線事故に関する報告書が漏洩していた事件で、JR西日本は組織ぐるみの工作を認め、当時の社長など責任者を事実上更迭した。
遅きに失したとはいえ、当然のことである。
讀賣新聞によれば、
【記者会見したJR西の佐々木隆之社長(63)は、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)委員らに対する一連の働きかけについて、「組織的な取り組みであったと思わざるを得ない」と認め、「関係するすべての方々に心から深くおわびを申し上げます」と謝罪した。】
とのことである。
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************
JR西社長「組織ぐるみ」と謝罪…事故調漏えい
読売新聞 2009年10月23日(金)22:07
(読売新聞)
JR福知山線脱線事故の最終報告書案の漏えい問題を受けて、JR西日本は23日、取締役の山崎正夫前社長(66)と土屋隆一郎副社長(59)が、一連の問題の責任を取り、同日付で役員を辞任すると発表した。
また、この日記者会見したJR西の佐々木隆之社長(63)は、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)委員らに対する一連の働きかけについて、「組織的な取り組みであったと思わざるを得ない」と認め、「関係するすべての方々に心から深くおわびを申し上げます」と謝罪した。
この日佐々木社長から経過報告を受けた前原国交相も、「会社の中枢部が組織だって、 隠蔽 ( いんぺい ) 工作、情報漏えい工作を行ったと言われても仕方がない。企業体質を直さない限り、存続自体が難しいのではないか」と話した。最終報告は、11月中旬に提出される見通し。
経過報告の後で記者会見した佐々木社長は、「調べる方と調べられる方の区分けができていなかった。自分たちの技術が高いレベルにあり、自分たちの考え方が答えだと思ってしまう。おごりがあった」との見方を示した。そのうえで、「企業防衛やエゴがなかったのか、強く反省しなければならない。ここで立ち直らなければ将来はない」と危機感をにじませた。
一方、この日提出された中間報告書では、同社がATS(自動列車停止装置)に関する社内資料の一部を事故調や兵庫県警に提出しなかった問題について、同社が設置した第三者委員会が「会社側に何らかの作為があったのではないかとの疑念を抱かざるを得ない」と指摘したことも盛り込まれた。佐々木社長は会見でこの点にも触れ、「(意図的ではないという)これまでの主張に疑問が生じる。詳しく事実関係を確認する必要がある」と述べた。
JR西、向き合えていなかった 漏えい問題で社長謝罪(共同通信) - goo ニュース
2009年10月23日(金)18:05
山崎前社長ら事実上解任 情報漏えいでJR西(神戸新聞) - goo ニュース
2009年10月23日(金)15:54
JR西漏洩問題 垣内元社長も事故調と接触 経過報告、国交省に提出(産経新聞) - goo ニュース
2009年10月23日(金)15:35
被害者の思いは真相究明
元事故調部会長に説明求める
2009年10月19日(月)「しんぶん赤旗」
---------------------------------------------------
JR福知山線脱線事故の事故調査委員会のメンバーにJR西日本側が接触し、事前に事故報告書を入手し改ざんを求めていた情報漏えい問題に関連し、当事者の一人で元事故調鉄道部会長の佐藤泰生氏による説明の場が18日、兵庫県尼崎市内で設けられました。
一連の疑惑をめぐる全ぼうと真相を知りたいと、同事故の遺族と負傷者でつくる「4・25ネットワーク」、同支援弁護士グループ、鉄道安全推進会議(TASK)がよびかけ、マスコミ関係者も含めて約130人が参加しました。
佐藤氏は、旧国鉄時代の後輩であるJR西日本の鈴木喜也東京本部副本部長に10回にわたって都内の飲み屋で会い、新型ATS(自動列車停止装置)設置の遅れや日勤教育の問題が報告書に盛り込まれるかどうかを聞かれていました。
佐藤氏は、懲罰的な日勤教育が事故に大きくかかわっていたとの認識から、人事状況やその後の教育について聞き出したかったと釈明、「秘密に属することは言っていない」と語りました。国鉄時代の自身の経験から、部署間で事故件数の「貸し借り」、速度記録などの証拠隠しが行われていたと述べました。
「鈴木氏に会う際、トレード(情報交換)という想定はなかったのか」と被害者らから質問が相次ぎました。
事故当時、2両目に乗車し負傷した男性(40)は「被害者にとって真相を知りたいというのは当然の思いです。事故報告書は被害者が次の一歩を踏み出す大きなよりどころ。最初から本当のことが聞けるような報告書であってほしかった」と無念の思いをにじませました。
「ネットワーク」世話人の男性は「仕掛けたのはJR西日本。組織の体質が問われなければならない。真相究明のとっかかりをつくるスタートとなったのではないか」と話しました。