当ブログでは、すでに一昨日に書いていた話だが、
やはり、東京電力・福島第1原発の2号機・3号機もメルトダウン
していたことが、当の東京電力の発表によって確認された。
「史上最悪」の原発事故が、さらに『最悪度』を高めたことになる。
東京電力や原子力安全保安院の発表では、最近までこの事態が
解らなかったようであるが、それは疑わしい。
電力喪失でメルトダウンの危険性があることは、
震災後数日を経た段階で、学者・メディアなどあらゆる方面から
指摘されていた。
2か月以上経った今頃メルトダウンしていたことが解ったなど
信じられないし、隠していたと言う他は無い。
もし、本当に解らなかったとすれば、原発は如何に不安な状況で
稼働しているかを証明した訳である。
『爆発事故を起こしたから』『放射線が高く近づけなかったから』
解らなかったというのは通用しない。
事故が起きた時に測定できないのであれば、そのシステム自体に
欠陥があると言うことであり、
そのようなシステムは元々稼働するべきではない。
いずれにせよ原発という物が 「安全で安上がりな電力供給源」
ではなく 「極めて危険で高くつく電力供給源」 である
ことが、今回の一連の事態で証明された。
当然、現在稼働中の原発は計画的に縮小し、
近い将来に全て廃止するべきである。
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今回の発表で、
3月12日に爆発が起こった時点で既にメルトダウンしていた
ということになり、放射性物質は水蒸気爆発よりはるかに危険性の
高い状態で、空気や廃水を通じて拡散していた可能性がある。
その時点で、直ちに周辺住民を避難させるべきであった。
また、【SPEEDI】 のデータも公開するべきであった。
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しかし、昨日 (5/16) の自民党の国会質問には失望した。
午後一番に質問した自民党議員は、3月11日~12日に掛けての菅総理と
民主党政府の対応が如何に迅速を欠き初動の遅れをもたらしたかを執拗に
追究していたが、今の時点で2か月前の対応のまずさを幾ら追究しても
現状の事態の解決や改善に全く繋がらない話である。
それに、国民は、わざわざ国会の大切な場と時間を使って民主党の
無能を証明してもらわなくても、とうの昔に解っているのであって、
そのような質問は「時間の無駄」でさえある。
今、国民や被災者が国会に求めているのは、現状を如何に打開して
くれるのか? 避難生活のこの先の改善の展望はどうなのか?
農業・漁業・工業などの産業被害は如何に償われるのかを、
いち早く知りたいし、決定して欲しい ということだと思う。
国会論議は、そのような観点から行い、迅速に施策を打って欲しい
のである。
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2・3号機もメルトダウン 東電データで裏付け
(朝日新聞) - 2011年5月17日(火)06:12
東京電力福島第一原子力発電所の2、3号機でも炉心溶融が起こり、原子炉圧力容器の底に燃料が崩れ落ちるメルトダウンが起きていたとみられることが、16日に東電が公表したデータで裏付けられた。3号機では溶けた核燃料がさらに下の格納容器内に落ちた恐れもある。専門家は事故直後から指摘しており、細野豪志首相補佐官も16日の会見で2、3号機でのメルトダウンの可能性を示唆した。
東電が4月17日に示した工程表は、6~9カ月で原子炉を安定した状態で停止させるとした。1号機に続き2、3号機でもメルトダウンの可能性が出てきたことにより、工程表の大幅な見直しは必至だ。炉心を冷やすシステムづくりに時間がかかり、高濃度の放射能汚染水の処理も膨大になるからだ。
データによると、圧力容器内の圧力が、2号機は3月15日午後6時43分に、3号機は3月16日午後11時50分に、それぞれ下がった。圧力容器の密閉性が損なわれ、圧力が抜けたとみられている。
圧力容器の底には制御棒や計測機器を外から通すための数多くの貫通部がある。メルトダウンした核燃料が圧力容器の底にたまり、その熱の影響で機器が溶けるなどした結果とみられる。3号機内の汚染水からは、原子炉内の核燃料が損傷して出るテクネチウムなどの放射性物質も確認されていることから、溶けた燃料がさらに圧力容器から格納容器内に落ちた可能性もある。
東電は会見で「プラント全体の事象を追いかけられておらず、評価できていない」と明確な判断を示さなかった。
一方、細野氏は会見で炉心に水が入らなかった時間について「1号機は14時間9分、2号機は6時間29分、3号機は6時間43分と短くない」とし「炉心の完全な溶融(メルトダウン)の可能性をみておかないといけない」と話した。
また原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は16日の定例会後の会見で「3月下旬に2号機で高濃度汚染水が発見された時点で、メルトダウンしていたという認識があり、助言した。1号機と3号機も、事故の経緯を考えると同じことが起こっているとの認識を持っていた」と語った。
東電によると、機器の記録から、運転中だった1~3号機は地震によっていずれも自動停止。配管の破断などの兆候はみられないとしている。非常用ディーゼル発電機も正常に起動していたという。東電はこれらの記録や地震計のデータをもとに、地震直後は機器が正常に作動し、津波到達までは大きな損傷はなかったとみている。
2011年5月17日 (朝日新聞 中村浩彦、佐々木英輔)
福島第1原発1号機、16時間でメルトダウン 注水遅れ“致命傷”
(産経新聞) - 2011年5月17日(火)08:00
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