西日本新聞、他各紙によれば、
九電は「玄海3号機漏水はポンプ軸破断原因」 だったと発表したとのこと。
(上記 【解説図】 は、Asahi.com より引用)
玄海3号機 漏水はポンプ軸破断原因
(西日本新聞,1面) - 2011年12月17日(土) 00:17
冷却機能を失った原子炉がメルトダウンを起こしたのが福島原発である。
冷却水ポンプの軸が破断して、冷却水循環能力を失えばフクシマと
同じ事態が起こりかねない重大な事故 であり深刻な状況だった訳である。
昨日の記者会見で、当初、この漏水事故を報告しなかったことについて、
九電の豊嶋原子力発電部長は、「今でも正しかったと思う」と言ったという。
(西日本 12/17, 31面)
九州電力は、改めて居直った訳である。 全く反省が無い!
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九州電力では、2008年にも鹿児島県・川内原発で、同様の事故を起こして
国に報告するまで約2カ月かかっている、とのこと(西日本ほか)。
同じ事故を繰り返していることになり、極めて信頼性に欠ける対応だ。
今日の西日本新聞の記事では、その川内原発で、
【緊急安全対策として設置した核燃料冷却用の仮設ポンプ全6基を、
耐震性の弱いプレハブに保管していることが分かった。】とのこと。
プレハブに冷却ポンプ 川内原発 耐震弱く再稼働影響も
(西日本新聞, 29面) - 2011年12月17日(土) 00:10
その記事によると、玄海原発では、仮設ポンプ全12基を、コンテナに
保管している と云う。 三陸の津波ではコンテナは木の葉のように
流されたのを多くの人々が見ているというのに・・・
フクシマ原発事故を受けた『安全対策』が、この程度の形式的、且つ
付け焼刃のものであることが明瞭になった。
まさに、九電らしい『お粗末な対応』である。
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【関連記事】
玄海原発の冷却水漏れ、ポンプの主軸の折れが原因
(朝日新聞) - 2011年12月16日(金)20:08
防水リング損傷が原因か=冷却水漏れ、ポンプが折損―玄海原発
(時事通信) - 2011年12月16日(金)20:03
<佐賀・玄海原発>3号機冷却水漏れ 「ポンプ主軸が折損」 九電が原因発表
(毎日新聞) - 2011年12月17日(土)13:00
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玄海3号機 漏水はポンプ軸破断原因
(西日本新聞) - 2011年12月17日(土) 00:17
九州電力は16日、定期検査中の玄海原発(佐賀県玄海町、出力118万キロワット)3号機のポンプ施設内に放射性物質を含む1次冷却水が1・8トン漏れた問題で、ポンプの主軸が破断して水漏れを防ぐ金属部品が損傷していたと発表した。
破断した主軸はステンレス製で長さ約2・5メートル、直径6-8センチ。回転してポンプを動かす機能があり、モーター側から約1・6メートルのところで完全に折れていた。折れた主軸が傾いたまま回転を続けたことで、モーター側で回転している金属部品への負荷が強まり、損傷。そこから大量の冷却水が漏れたとみている。主軸は3号機が運転開始した1994年以来、交換していなかった。
九電は、主要部品である主軸が破断した原因を今後くわしく調査。3号機の安全評価(1次評価)の提出は、調査結果を国に報告した後になる見通し。
川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機でも2008年4月、同様にポンプの主軸が折れる事故が発生。原因を国に報告するまで約2カ月かかっている。
=2011/12/17付 西日本新聞朝刊=
プレハブに冷却ポンプ 川内原発 耐震弱く再稼働影響も
(西日本新聞, 29面) - 2011年12月17日(土) 00:10
九州電力が、川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)に福島第1原発事故後の緊急安全対策として設置した核燃料冷却用の仮設ポンプ全6基を、耐震性の弱いプレハブに保管していることが分かった。九電の山元春義副社長は西日本新聞の取材に「(プレハブが)壊れたら、がれきを除去して持ち出す。除去用のフォークリフトも準備している」と話しているが、経済産業省原子力安全・保安院は「本当に素早く使えるのか、再稼働に向けた安全評価の対象になる」と指摘している。
九電鹿児島支社によると、仮設ポンプは全交流電源喪失で核燃料の冷却機能が失われた際、発電所内の池や海から蒸気発生器や使用済み燃料ピットに給水する。福島の事故を受けた国の指示で4月に設置した。
保管場所は、津波対策で標高27メートル地点に建てたプレハブだが、来年3月にはコンクリート製の保管庫が完成するという。
また、緊急時は蒸気発生器と配管でつながる復水タンクや2次系純水タンクからの給水を優先。ポンプを使うのは事故発生49時間以降で「がれきを除く時間的余裕は十分にある」(山元副社長)と説明している。
これに対し、川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長(63)=薩摩川内市田海町=は「本当にすぐに除去できるのか。取り出せば大丈夫という考えも常識に外れている」と話している。
一方、玄海原発(佐賀県玄海町)では、仮設ポンプ全12基はコンテナ内に保管。九電は「コンテナは鋼鉄製で耐震性に問題はない」としている。
=2011/12/17付 西日本新聞朝刊=
玄海原発の冷却水漏れ、ポンプの主軸の折れが原因
(朝日新聞) - 2011年12月16日(金)20:08
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県)3号機の1次冷却水が漏れていた問題で、九電は16日、冷却水の放射性物質を取り除く系統へ水を導くポンプの主軸が折れていたと発表した。これで主軸が正常に回転しなくなり、主軸を覆う水漏れ防止用の合金製部品が破損したとみられる。
水漏れは9日に起き、放射性物質を含む冷却水約1.8トンが漏れた。九電がポンプを解体して調べたところ、16日になって長さ2.5メートルの主軸が折れていることを確認した。折れた原因は特定できていない。主軸は1994年の運転開始時から使用しており、2008年の定期検査では異常は見つからなかった。
主軸の損傷は、04年3月に四国電力の伊方原発(愛媛県)3号機、08年4月には九電の川内原発(鹿児島県)1号機でも起きている。
防水リング損傷が原因か=冷却水漏れ、ポンプが折損―玄海原発
(時事通信) - 2011年12月16日(金)20:03
九州電力は16日、定期検査で停止中の玄海原発3号機(佐賀県玄海町)のポンプ施設で警報が鳴り1次冷却水が漏れたトラブルで、点検の結果、ポンプの主軸が折れていたほか、主軸周辺の水漏れを防ぐリング(メカニカルシール)が損傷していたと発表した。九電は同日、点検結果を佐賀県や玄海町など地元自治体と国に報告した。
九電によると、トラブルが起きたのは1次冷却水から不純物を除去、浄化した後、再び戻す充填(じゅうてん)ポンプと呼ばれる装置。水を循環させるポンプの主軸が折れ、軸が不安定になって摩擦が起き温度が上昇して警報が鳴り、主軸が折れたことが影響してメカニカルシールが損傷、水が漏れたとみられる。今後、主軸の折れた原因などを調べる。
<佐賀・玄海原発>3号機冷却水漏れ 「ポンプ主軸が折損」 九電が原因発表
(毎日新聞) - 2011年12月17日(土)13:00
九州電力は16日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)3号機で放射性物質を含んだ1・8トンの1次冷却水が漏れた問題は、充填(じゅうてん)ポンプの主軸が折れたことが原因だったと発表した。08年に同様のトラブルが起きた川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機では原因判明まで約2カ月を要しており、玄海3号機の再稼働に向けた安全評価(ストレステスト)の1次評価報告提出も遅れるとみられる。
トラブルは9日午前10時48分、1次冷却水を浄化する充填ポンプ内の軸受け温度計が80度以上になり、警報が鳴って判明した。ポンプ主軸が折れたことで、メカニカルシールと呼ばれる冷却水を封じ込める部分が欠け、1次冷却水が漏れ出した。主軸を支える軸受け部の油切りと呼ばれる一部も変形していた。漏れた1次冷却水1・8トンはタンク(容量10トン)で回収、外部に放射能漏れはなかった。【中山裕司、太田圭介】
◇防止策不全が問題
旧三菱原子力工業で玄海3号機と同型の原子炉設計などに携わった原子力安全基盤機構元検査員、藤原節男さん(62)は「ポンプの主軸が折れるのは大きな事故だが、過去にも例があり、驚きはない。むしろ川内1号機で同様の事故があったのに、再発防止策がきちんと機能していない」と述べ、九電の安全管理に問題があると指摘する。