JUNSKY blog 2015

私の時事評論等です
文化関係の記事は、
【観劇レビュー&旅行記】(ブックマークのTOP)
で書いています

生活保護の“支給額”と収入の低い世帯の“支出”を比べて 『世論誘導』

2013-01-19 23:14:16 | 政治
2013年1月19日(土)

 先日来、生活保護水準についてマスメディアが報道しているが、

NHK報道に違和感があったので、書いてみる。

 と云うのは、比較の仕方が恣意的であることだ。

「生活扶助の基準額」検証結果公表
 NHK - 2013年1月16日(水) 15時43分


 その部分を一部引用してみると・・・

【「夫婦と子ども2人の4人世帯」の場合、生活扶助の 支給額 は18万5500円で、収入が低い世帯の 支出 より2万6300円、率にして16.5%上回っていることが分かりました。】 


 NHKは、当たり前のように報道していたが、支給額 の概念

と、支出 の概念では全然違うではないか?

 できるだけ近い概念で比べるなら、生活扶助の 支給額 と、

収入が低い世帯の 収入額 とを比べるべきではないか?


 収入が低い世帯ではあっても所得税や市町村民税・健康保険料など社会保障

控除が差し引かれ、一方で収入額の一部は万が一の備えのため貯金する

であろうから、支出額は収入額より減るはずである。


 逆に言うと、支出額より収入額の方が少しは多いはずである。

 それと生活扶助の 支給額を比べれば、生活保護給付の方が

『2万6300円上回る』ことは無かった可能性がある。

 その上、このような逆転する事象についてNHK報道では

【こうした世帯は生活保護の受給世帯の僅か0.4%だけです。】とのこと。

 この恣意的な比較方法は、NHK報道では、

厚生労働省の専門家会議が、生活保護の支給額と
収入の低い世帯の支出を比べた結果】

 としていることを見ても厚労省お手盛りのものであったことが解る。

 許せない偽計が政府機関によって行われているのである。

 以下、これに関する異論も含めて紹介する。

最初から「引き下げありき」だった?
  生活保護見直しを巡る厚労省と当事者・支援者の攻防

 (ダイヤモンド・オンライン) - 2013年1月18日(金)09:10
 

生活保護引き下げ、受給者以外にも影響 就学援助など
 (朝日新聞) - 2013年1月16日(水)23:52


*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************

「生活扶助の基準額」検証結果公表
 NHK - 2013年1月16日(水) 15時43分

 

 生活保護で支給される食費や光熱費の支給の基準額が妥当かどうか検証している、厚生労働省の専門家会議が、生活保護の支給額と収入の低い世帯の支出を比べた結果、夫婦と子どもがいる世帯では、支給額のほうが上回った一方、1人暮らしの高齢者世帯では、支給額のほうが下回ったことが分かりました。

 厚生労働省は、この結果を参考に、ことし4月以降の支給の基準額について、見直しを進めることにしています。

 生活保護で支給される費用のうち、食費や光熱費などに当たる「生活扶助」は、地域や年齢、それに世帯の人数によって支給額が決まっていて、厚生労働省は、5年に1度、専門家を集めた会議で支給の基準額が妥当かどうか検証しています。

 専門家会議は、「収入が低いほうから10%以内の世帯」の1か月の平均支出と、仮にその世帯が生活保護を受けた場合の生活扶助の支給額を比較しました。
 それによりますと、「夫婦と子ども2人の4人世帯」の場合、生活扶助の支給額は18万5500円で、収入が低い世帯の支出より2万6300円、率にして16.5%上回っていることが分かりました。

 しかし、こうした世帯は生活保護の受給世帯の僅か0.4%だけです。

 一方、生活保護の受給世帯のうち52%を占め最も多い「60歳以上の1人暮らしの世帯」の場合、生活扶助の支給額は7万3300円で、収入が低い世帯の支出より3300円、率にして4.3%下回っていることが分かりました。

 専門家会議は、生活扶助の基準額が、低所得の世帯が利用する子どもの就学を援助したり住民税を非課税にしたりするさまざまな制度と連動していることから、低所得者世帯への影響に配慮するよう求めています。

 厚生労働省は、この結果を参考に、ことし4月以降の生活扶助の基準額について、見直しを進めることにしています。


6つの世帯パターンで比較

 今回の検証結果を基に、厚生労働省は、人数や年齢が異なる世帯の6つのパターンについて比較結果を公表しました。
 1か月の生活保護の支給額と収入の低い世帯の支出の差が最も大きかったのは、▽「夫婦と子ども2人の4人世帯」で、生活扶助の支給額は18万5500円で、収入が低い世帯の支出の15万9200円より2万6300円、率にして16.5%上回りました。
 また、▽「夫婦と子ども1人の3人世帯」でも生活扶助の支給額は15万6600円で、収入が低い世帯の支出の14万3300円より1万3300円、率にして9.3%上回りました。
 この2つのパターンの世帯は、生活保護を受給する世帯の1%程度に当たります。

 専門家会議によりますと、この結果は、世帯の人数が増えるほど、1人当たりの食費などが効率的になることが影響しているということで、世帯の人数が増えるほど生活扶助の支給額のほうが多くなる傾向が明らかになりました。
 また、受給者世帯の4%を占める▽「母親と子ども1人の母子世帯」では、生活扶助の支給額は13万8700円で、収入が低い世帯の支出の13万1500円より7200円、率にして5.5%上回りました。

 さらに、受給者世帯の24%を占める▽「20代から50代の単身世帯」でも生活扶助の支給額は7万8200円で、収入が低い世帯の支出の7万6900円より1300円、率にして1.7%上回りました。
 こうした若い世代では、今の生活扶助の基準では食費が年齢に必要なカロリーに応じて決まっているため支給額が比較的高くなっていることが関係しているということです。

 一方、受給世帯のうち52%を占め最も多い▽「60歳以上の1人暮らしの世帯」では、生活扶助の支給額は7万3300円で、収入が低い世帯の支出の7万6600円より3300円、率にして4.3%下回りました。
 また、受給世帯の4%を占める▽「高齢者夫婦の2人世帯」でも、生活扶助の支給額は10万6300円で、収入が低い世帯の支出の10万8000円より1700円、率にして1.6%下回りました。


田村厚労相“上回っている世帯は引き下げの方向”

 田村厚生労働大臣は、宮城県石巻市で記者団に対し、「きょう、頂いた数字を基に、生活保護の給付費の適正化を図っていかなければならない。
 ただ、生活保護を受給している人たちの自立策などをどうするのかということも考えなければならず、適正化は、それを見ながら図ることになる」と述べました。
 そのうえで、田村大臣は、基準額を引き下げるかどうかについて、「大人数の世帯に対し、一定の指針を出してもらったが、それを基に適正化を図ることになる」と述べ、検証結果で、生活保護の支給額が一般の収入の低い世帯の支出よりも上回っていると指摘された世帯については、基準額を引き下げる方向で検討を進める考えを示しました。

自民・公明両党は
 生活保護の制度を巡っては、自民・公明両党は連立政権の合意文書に「適正化をはかる」ことを盛り込んでいます。
 とりわけ自民党は、衆議院選挙の政権公約で、生活保護の支給額が、▽最低賃金で働いた場合の1か月の収入や、▽国民年金で支給される満額を上回る、いわゆる「逆転現象」が起きていることを踏まえ、支給額の基準を原則10%削減することを明記しており、田村厚生労働大臣は、検証結果を踏まえ、ことし4月から、一部、基準額を引き下げる方向で検討を進める考えを示しました。
 また、公明党の石井政務調査会長も「きちんと説明がつくのであれば、適正化はやらざるをえない」と述べ、ことし4月からの引き下げを含め検討する考えを示しました。
生活保護の具体的な基準額は、新年度・平成25年度予算案の編成過程で決めることになっていて、今後、政府・与党の間で調整が図られる見通しです。 



最初から「引き下げありき」だった?
  生活保護見直しを巡る厚労省と当事者・支援者の攻防

 (ダイヤモンド・オンライン) - 2013年1月18日(金)09:10
 

長いので一部引用

 生活保護当事者・支援者・法律家など幅広い立場の人々で構成される「生活保護問題対策会議」は、「生活保護基準引き下げ」という厚労相方針に対して緊急声明を発表し(http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-95.html)、第12回基準部会の直後、厚生労働省内で緊急記者会見を行った。

 会見で最初に発言したのは、弁護士の宇都宮健児氏である。宇都宮氏は最初に、日本の捕捉率(貧困状態にある人のうち公的扶助を利用している人の比率)が欧米諸国と比較して極めて低い水準にあることと、昨年来、孤立死・餓死が多発していることを指摘した。さらに、「むしろ生活保護の利用を促進するべきなのに、生活保護基準の切り下げや利用の抑制が行われれば、今後、孤立死等が多発するのではないか」という懸念を示した。

 生活保護という制度は、生活保護を利用している現在の当事者にだけ関係がある制度ではない。生活保護基準は、国民生活のさまざまな制度と連動している。生活保護基準を引き下げるということは、国民生活の全体を引き下げるということに他ならない。

 生活保護基準が引き下げられれば、おそらく、連動する形で最低賃金も引き下げられる。 




生活保護引き下げ、受給者以外にも影響 就学援助など
 (朝日新聞) - 2013年1月16日(水)23:52

【永田豊隆、有近隆史】
 生活保護の基準額引き下げの流れが鮮明になってきた。社会保障審議会の作業部会が16日、子どものいる生活保護家庭などへの支給額が、低所得世帯の支出を上回るとの結果を公表。これを受け厚生労働省は、2013年度予算編成で引き下げ幅などの検討に入る。ただ基準額の引き下げは広く国民生活に影響するだけに論議を呼びそうだ。

 「一定の数字を出して頂いたので、それをもとに適正化をはかる。全体として引き下げることになると思う」。宮城県石巻市を訪れていた田村憲久厚労相は16日、受給者213万人に達した生活保護の基準額引き下げに意欲を示した。

 よりどころにするのは、この日公表された生活保護基準と低所得世帯の消費実態を比較した5年に1度の検証結果だ。

 夫婦と子ども1人の3人世帯では、生活保護で支給される生活費(生活扶助)の方が、低所得世帯の消費支出よりも月約1万3千円多い、というものだ。子ども2人の4人世帯では、差は約2万6千円に広がる。

 ただ検証では、60歳以上の高齢者世帯で、低所得世帯よりさらに厳しい受給者の生活状況も浮き彫りになった。「基準額を上げないといけない世帯もある。つまみ食いはしないで欲しい」。作業部会の委員は国に注文をつける。 




*******************************************
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  (左のアイコンをクリックして
              もらえたら嬉しいです)
*******************************************