こういう本末転倒の論理で、配偶者控除を削減したからと言って、
「女性の社会での活躍を後押しする」ことになることは有り得ない!
何かにつけ、「見直し」とか「改革」と云えば、国民が「改善」と受け止めると
思っているらしい。 「税と社会保障の一体改革」が典型例だ。
「増税と社会保障の削減」 が、「税と社会保障の一体改革」の本質だった。
「配偶者控除」の『見直し』も実質増税であり、社会保障的控除の削減である。
多くのパートタイマー労働者(多くが主婦)世帯が実質増税の『恩恵』を受ける
ことになるのである。
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************
政府税調:配偶者控除「103万円の壁」見直し議論開始
(毎日新聞)- 2014年4月14日(月)20:37
政府税調 配偶者控除見直し議論開始
(NHKニュース&スポーツ) - 2014年4月14日(月)19:16
法人税の実効税率の引き下げを議論している政府税制調査会は、14日の会合で、減収を補う財源の確保を目指し、現在、企業の研究開発などを対象に税を特別に減免している制度について、抜本的な見直しを検討していくことでおおむね一致しました。また、女性の社会での活躍を後押しする観点から安倍総理大臣が検討を指示した「配偶者控除」の見直しについて、議論をスタートさせました。
103万円の壁…配偶者控除の見直しに「単なる増税だ」「心理的な壁」
(産経新聞) - 2014年4月14日(月)08:07
安倍晋三首相は3月、関係閣僚に対し「女性の就労拡大を抑制している現在の税・社会保障制度の見直し」を指示した。専業主婦らを優遇しているとされる配偶者控除の縮小などが今後、議論されることになる。果たして配偶者控除が女性の社会進出を阻んでいるのか、控除を縮小・廃止した場合の問題点は何か。認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏と、経済ジャーナリストの荻原博子氏に見解を聞いた。(溝上健良)
■駒崎弘樹氏「心理的な壁の撤廃必要」
--控除見直しの方針をどうみる
「大歓迎で、ぜひ廃止すべきだ。女性が働くことを阻害する要因は一刻も早く撤廃し、男女ともに働き、子育てができる社会をつくっていかねばならない。日本は先進国の中でもっとも女性が働いていない国だが、IMF(国際通貨基金)によると、先進国並みに女性が働くようになれば1人あたりGDPが4%増えるとの試算もあり、超高齢化社会における社会保障の持続性にもつながる」
--国政選挙で自民党は配偶者控除の維持を、民主党は廃止を訴えていた
「民主党政権下で年少扶養控除が廃止され、子ども手当が創設されたが『控除から給付へ』の流れはいいことだ。妻の収入が103万円以下なら夫の課税所得から38万円の控除が受けられる現行制度を廃止するだけではダメで、3800億円ほど増える国税収入をすべて子育て支援に使うべきだ。待機児童が解消できなければ女性の活用も進まない」
--増える税収で女性が働きやすくなるサービスの充実が必要だと
「それだけでなく、例えば幼稚園の質を高めるなど、専業主婦にもメリットのあるサービスであるべきだろう。配偶者控除の廃止は専業主婦いじめだなどともいわれるが、専業主婦という生き方を否定するものではまったくない。単に、働くときに年収に制限があるのはどうなのか、という話であり、女性の就労を制限するガラスの天井を突き破り、増えた税収を女性が活躍できるインフラに投資していくことが大事だ。配偶者控除の廃止についての批判で唯一、傾聴に値するのは『低所得者層のダメージが大きい』という点で、これに関しては控除を廃止する代わりにサービスを充実させることで手当てしていく必要があるだろう」
--“103万円の壁”をどうみる
「女性の収入が103万円を超えたからといって税金が急激に増えるわけではない、との話もあるが、実際には既婚女性の所得分布を内閣府のデータで見てみると、103万円を意識して仕事を抑えている人が明らかに多数いる。制度としてはともかく、103万円の心理的な壁は相当に高いといえる。税制には人の行動を変える力があり、配偶者控除の廃止は心理的な壁の撤廃になる。パートで働いていた人が正社員になろう、もっとフルタイムで働こうと思える誘因になるはずだ」
--配偶者控除が廃止されず、例えば50万円までとなった場合はどうなる
「中途半端に見直した場合『それなら年収50万円まで働こうか』と新たな壁ができて、今よりも事態が悪化しかねない。それよりは所得制限を設けて高所得者世帯のみ配偶者控除を廃止するのが、次善の策だろう。もちろん、全面的に廃止するのが一番いい」
■荻原博子氏「単なる増税で断固反対」
--見直し方針をどうみる
「配偶者控除の縮小・廃止は単なる増税にすぎない。一番おかしいのは、『配偶者控除があるから女性が働きに出られない』とされることだ。“103万円の壁”が議論になっているが、例えば妻が103万円を超えて1万円を稼いでも、夫の合計所得が1千万円以下なら『配偶者特別控除』があるので、住民税と所得税を差し引いても8500円が手元に残る仕組みになっている。女性の社会進出を阻んでいるのはむしろ、“103万円の壁”を強調する政府の方だといえる。本来なら、働くほどに手取りは増える、という事実を政府は訴えていく必要がある」
--配偶者控除は専業主婦の特権なのか
「それは間違いだ。近年は収入の少ない男性も増えており、本当は専業主婦をしたいけれど働かざるをえない女性も多い。病気の夫に代わって妻が大黒柱として家計を支えるケースもあり、その場合、夫は配偶者控除を受けられる。また自営業者であっても妻が夫と別の会社でパートなどで働く場合は控除の対象となる。決して専業主婦の特権ではない。配偶者控除は死守しなければならない」
--なぜ控除見直しに反対か
「中学生以下の子供に適用される年少扶養控除が民主党政権時に廃止され、実質的な増税になっているのが現状だ。今回の消費増税も含めると大増税だといえる。厚生労働省の毎月勤労統計調査をみると、所定内給与は20カ月連続でマイナスだ。所得が増えているのならまだいいが、給料が上がらない中で増税して日本はどうなるのか。デフレからも脱却できず、経済を悪化させることにもなる。家計にとっては耐え難い打撃だ」
--控除見直しで女性の就労意欲が高まると見込まれているが
「まったくの見当違いだ。女性の就労意欲を高めたいのなら、まず保育所の整備を進めねばならない。高齢者の福祉施設も充実させねば、安心して働きに出られないだろう。女性の就労促進といいながら、パートなどの安い給料で女性を働かせようという政府の意図がうかがわれ、腹が立つ」
--配偶者控除廃止で増えた税収を保育所整備に回すべきだとの主張もある
「過去の消費増税も、社会保障の充実と言いながら、結局は借金の穴埋めに使われた。まして保育所を整備するには自治体の負担があり、余裕のある自治体は少ない。民主党政権下で年少扶養控除を廃止するときには、子ども手当を月2万6千円にするという公約があったが、その約束はどこかへ飛んでしまった。配偶者控除が廃止されてもこれまでと同じで、保育所に税金が回ることはないと、過去の経緯から断言できる」
*******************************************
(左のアイコンをクリックして
もらえたら嬉しいです)
*******************************************