ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

南方共栄圏

2016-08-26 16:00:35 | Weblog
燕とアスファルト

南方共栄圏から海を越えて燕が渡って来る。
< 中略>
古いこの説話に、錫・護謨・石油・ボーキサイトなど
高度国防国家の建設に必須な南方資源の輸送路を警護
する重大な任務を新しく課したのだ。

燕よ、心して汝の任務を果たせ。
そして新しき時代の伝説を創造せよ。

『立原道造全集』(ノート)より

2016-08-25 13:56:58 | Weblog
私は今日よりも明日を生きたいのだ。私は飛ぶように
していたいのだ。私は誰よりも早く。ーー私は今日
よりも明日を生きたいのだ。

今の瞬間でなく、次の瞬間ーー私は、その時に生きている。
私の生命は、私の眼でなく私の視線の落ちている場所にある、
すなわち、時間について。

つまり今生きている場所の色どりや形は、本当は、昨日の
僕の夢ではなかろうか。だから、明日の僕がそこにいる。
僕には今日の姿が、わからないということとは別だ。

光っているのだろうか。
僕の身体は空間にどんな風にしてあるのだろうか。
椅子にもたれている。黒い上衣を着ている。壁を見ている。
『立原道造全集 四巻』(ノート)より

『王維詩集』より

2016-08-25 12:36:57 | Weblog
山居秋瞑(さんきょしゅうめい)

静かな山の初めて降った雨の後。空の様子は、
暮れ方ともなれば、いよいよ秋らしい。明るい
月が松のあたりを照らす。澄んだ泉が岩の上を
流れる。竹藪がにぎやかなのは、洗濯娘のお帰り。
蓮の動いているのは、漁師の船のお下り。春の
花は好きなように散ってなくなってしまうがいい。
若様はそんな事など構わずに、じっと留まっている。
『王維詩集』岩波文庫

測量船 不知奈(ふちな)

2016-08-24 20:37:02 | Weblog
測量艦 不知奈(ふちな)

私は測量船不知奈の運用を続けた。

雪白なダンテルのシュミズをぬいで、波斯湾が現はれた。
チグリス、ユーフラットの両つの河が静脈のやうに、まいて
その内股に消えた。
バーレイン諸島英波係争問題。
紛争はハレムに始まるのだ。
(安西冬衛)『大学の留守』より

『杜牧詩選』

2016-08-24 18:53:19 | Weblog
江南の春
見晴るかす千里の彼方まで、鶯は鳴き、
緑の若葉が紅い花々と照り映えている。
水辺の村にも山辺の街にも、酒を売る
旗や幟が春風に揺れている。
ああ、かつてここに栄えた南朝四百八十もの寺々よ。
この煙るような雨の中に、どれほど数々の高殿が
朧に霞んでいることか。『杜牧詩選』岩波文庫

『中心の喪失』

2016-08-22 23:04:40 | Weblog
何はともあれ、「神」を中心に置いて
思索すると、だいたいの事はその真の
姿を見せてくれる。私が高校生の頃
45年も前だか「中心の喪失」と題された
書物が有ってその「中心」とは「神」だと
いう論旨。今でもいや今だからこそ有効だ。
おやすみなさい。世界へいい夢を!

地球開発会社に投資

2016-08-22 20:40:48 | Weblog
黄河の仕事

回回教は混凝土(こんぎょうど)を発明した。
Lo-lo族は巴里警視総監よりも優美である。

甘粛省 といふ文字は、建築群の機構を暗示する。
私は埋蔵された都市の発掘を、支那政府に建言する。

敦煌の燈火集中を見よ、地球開発会社に投資せよ。

安倍は病識有るの?

2016-08-22 19:59:56 | Weblog
安倍のバカタレを見ていると。
昔、ブッシュの兄ちゃんが、戦闘機で
航空母艦に着艦したのをさも誇らしげに
そこらへんの米兵に笑顔をふりまいていたのを
思い出した。イラク戦争の前だか後だかバカ丸出しの
サル。ブッシュはそのカルマで来世脳性まひで生まれるはず。

勲章(安西冬衛)

2016-08-22 14:37:09 | Weblog
勲章

地を這う「青い痣」(あおいあざ)。落日が倒れた。
惨憺たる終焉が戦の上に垂れ下がった。
既に一度は来て犯した屍斑(しはん)が、長い長い
夜陰と苦痛の後に断たれた。
困憊(こんぱい)した軍医の手に、愴然(そうぜん)と
私の一脚が堕ちた。

天明が来た。

*安西冬衛は、足が悪く、この記述では
足を切ったようだ。

『軍艦茉莉』より

2016-08-22 13:17:44 | Weblog
業が劫に堕ちてゆく。

新疆の太陽

新疆(しんきょう)の太陽が、私を奪った。
既に罪悪的な省城は、大流沙(だいりゅうさ)の彼方、
水平線に出現を始めた。再現の世界に於いて、辛うじて
オペラのみがもつ、これは無上の接待である。曾(かつ)て
私が投げかけた狭い世界、一つの記憶がみるみる後退する。
迅速する大流沙を絶(わた)る困憊(こんぱい)の中、霾(つちふる)
曙の中に。

*霾 大風が土砂を巻き上げてこれを降らせる。
土曇り。
(安西冬衛)『軍艦茉莉』より

あなたとわたしの間に

2016-08-21 18:01:10 | Weblog
残念だけれど
ここは天国でも浄土でもない
ここは煉獄または娑婆世界

悲しみも苦しみも憎悪さえ絶えない

悪の芽を根気良く摘み取り
善性の種を撒くしか
凡人の俺にはいい考えが浮かばない

悪を徹底的に叩き
善性を醸し出すさ

あなたとわたしの間にしか
天国は無いそうだ