4月19日(土)太宰府でのこと。
4月19日(土)の総括(ダイジェスト版)はこちらからどうぞ。
福岡県太宰府市、九州国立博物館で開催中の
特別展「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」の感想 その2です。
※感想その1はコチラ。
■第四章 書の新風 近衞信尹
近衛家十七代の信尹(のぶただ)は、
安土桃山時代から江戸時代初期にかけての能書家だそうです。
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「和歌六義屏風(わかりくぎびょうぶ)」
大きな文字が迫力あります!!
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「源氏物語和歌色紙貼交屏風(げんじものがたりわかしきしはりまぜびょうぶ)」
近衛信伊 筆
『源氏物語』各帖の和歌を色紙に一首ずつしたため、屏風に押したもの。
屏風絵を描いた筆者は不明で宗達派と目されているのだとか。
菊の花が華やかで素敵です。
色紙に書かれた和歌が読めて、知っている歌だと嬉しくなります。
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写真左側に掲げてあるのが
「渡唐天神(ととうてんじん)像」 近衛信伊画賛
こちらは陽明文庫の所蔵ではなく、東京国立博物館の所蔵品です。
【4月15日~5月4日までの展示】
頭部が「天」という文字、体は「神」という文字を草書体で表しています。
この「渡唐天神像」の絵って、
数年前に九州国立博物館で開催された『国宝 天神さま』展でもお見かけしたような・・・。
(帰宅後、『国宝 天神さま』展の図録を見てみたところ、
近衛信伊によるもので北野天満宮にも所蔵されているようです。)
「束帯天神像」 伝 近衛信伊作
木造で近衛信伊自作の像と伝わっているものだとか。
厳しいお顔をした菅原道真公のお姿です。
■第五章 温故知新 近衞家
近衛家二十一代の家(いえひろ)は、江戸時代の代表的な文化人だそうです。
どうしても書より表具に目がいってしまう私です。
「表具裂(ひょうぐぎれ)」
「官服裂(かんぷくぎれ) 紺地龍八宝鶴鹿模様(こんじりゅうはっぽうつるしかもよう)」
清時代(中国) 16~18世紀のもの。
こちらも表具用の裂として収集されたものなのかも。
■第六章 宮廷文化の余香
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「四季花鳥図屏風」 酒井抱一 筆
今回の特別展のチラシに大きく使用された屏風絵です。
春夏秋冬の花鳥が鮮やかに描かれています。
ずっと見ていたくなるような屏風でした。
御所人形も可愛かったです。
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「銀細工雛道具」
小さいけれども精巧にできている雛道具の数々です。
この雛道具については記事を分けてご紹介します。
以上、九州国立博物館の特別展「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」で
印象に残ったことを書きだしてみました。
この特別展は、6月8日(日)までの開催です。
途中、展示替えがありますのでご注意くださいね。
※九州国立博物館 公式サイト
⇒ http://www.kyuhaku.jp/
⇒ http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s35.html
※特別展公式サイト
⇒ http://konoeke.jp/
※当ブログは、九州国立博物館の第30回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
4月19日(土)太宰府でのこと。
4月19日(土)の総括(ダイジェスト版)はこちらからどうぞ。
福岡県太宰府市、九州国立博物館で開催中の
特別展「近衛家の国宝 京都・陽明文庫展」の感想 その1です。
※当ブログは、九州国立博物館の第30回「ぶろぐるぽ」にエントリーしています。
展示写真は、九州国立博物館より提供いただきました。
会場に入ってすぐには、藤原道長の和歌
「この世をば・・・」が大きく掲示されているのでした。
近衛家は藤原道長の子孫にあたります。
第一章は、近衛家の先祖と子孫が紹介されている印象を受けました。
■第一章 近衛家の曙光
まずは第一章を鑑賞。
藤原氏の始祖、「藤原鎌足像」。
上に同じく「藤原鎌足像」。全体の様子です。
鎌足の前に描かれているのは
長男の定恵(じょうえ)と次男の不比等(ふひと)。
この3人は神として敬われ、
近衛家の歴代によって大切にされたのだといいます。
日本古代史好きな私としては、この像にお目にかかれて嬉しかったです。
こちらは、陽明文庫ではなく
奈良国立博物館が所蔵する「春日鹿曼荼羅」。
【4月15日~5月4日までの展示です】
鹿のお顔が何とも愛嬌があって親しみを覚えます。
背中には春日五社の本地仏(ほんじぶつ)が描かれています。
陽明文庫が所蔵する
重要文化財「春日鹿曼荼羅」の公開は
【5月27日~6月8日まで】。
それぞれ見比べてみるのも素敵だと思います。
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「春日権現霊験記絵巻」
詞書:近衛家 筆
絵 :渡辺始興 筆
原本は鎌倉時代のものですが、
こちらは江戸時代に模写されたものです。
色彩豊かでうっとり。
この画像の場面では、藤原忠実(ただざね)が描かれています。
平安末期ファン必見ですね。
「年中行事絵巻」2巻が展示されています。
平安末期に後白河法皇によって制作された「年中行事絵巻」の摸本です。
江戸時代に制作されました。
大極殿を舞台とした「御斎会(ごさいえ)」と
内裏の仁寿殿と綾綺殿の間で行われた「内宴(ないえん)」が
それぞれ描かれています。
「年中行事絵巻」は宮廷の主要な年中行事を
絵画化したものなのでとっても興味があります。
見ることができて嬉しかったです。
※第二章 千年の記憶の国宝「御堂関白記」などについては、こちらの記事で書いています。
どうぞご覧くださいませ。
■第三章 書の至宝
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「天子御影(てんしみえい)」。
安土桃山時代の作です。
鳥羽院から陽光院まで、24人の天皇・院の肖像画を収めた絵巻。
展示部分は、平安末期ファン必見です。
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左から、
詠草「泊瀬山」 藤原定家 筆
和歌懐紙「六月和歌」 後鳥羽上皇宸筆
熊野懐紙「深山紅葉・海辺冬月」 後鳥羽上皇宸筆 【4月15日~5月11日までの展示】
後鳥羽天皇宸翰消息
書のことは恥ずかしながらよくわからないのですが
それぞれ表具が凝っていておもしろく思いました。
第3章では、体験コーナー「かな文字を書いてみよう」もありました。
指で文字を書いてみることができます。
タッチ画面では、なめらかに文字が書けておもしろかったです。
展示品がずっと並ぶ中、
こういう体験コーナーがあるとほっとしますね。 感想レポートはその2へ続きます。