6月に入った。午後6時になってもまだ明るいことから日が長くなってきたことが痛感される。4・5月に30人近くの山を迎えた新潟県のコロナウイルス感染者が、6月に入り、10人を割ることもある程に減少している。このまま続いてくれれば有り難いと祈るばかりだ。ただ我が蒲原平野の自然は、コロナウイルスとは関係ないかのように例年と変わりない姿を見せてくれている。
田植えから一月ほど経った稲苗は、順調に生育し平野部の水田が緑一色に見えるほどだ。6月7日に中学校の同級生N君を訪れた。上の写真は彼の田んぼの状況だが、下の写真と明らかに違うことがお分かりだと思う。実は彼の稲作栽培は有機栽培を主としているのだ。農薬や化学肥料は殆ど使わないようにして、食の安全を目指している。この栽培法では、田植えが1週間から10日ほど遅いのだ。理由は幾つかあるのだが、ここでは詳しく述べないでおこう。
写真はイチョウウキゴケ(イチョウゴケ)という浮遊・水性植物だ。イチョウの葉の形をしていることからこの名があるが、昔はどこの田んぼでも見ることができたが、除草剤散布などの影響で見ることが少なくなってきている。彼の田んぼでは、切藁とともに水面に沢山見ることができる。無除草剤のおかげだ。
N君の田んぼに近い80アールほどの彼の畑では、ここでも有機栽培を主とした野菜類を作っている。その片隅にユンボで掘った2つの池がある。湧き水が主となっており、周りから農薬などが入り込まないため、オタマジャクシやメダカ、貝類などの昔の田んぼに生育していた水性動物が沢山いた。周りにはマコモ等の水生植物が生い茂り、こじんまりとしているが昔懐かしい風景だ。下の写真では見えにくいが、拡大すると真ん中ほどにメダカが沢山泳いでいるのが見える。
我家の庭では、最初5月に咲いたニッコウキスゲが、第2回めの花を見せてくれている。今から30年ほど前に、志賀高原の宿で譲ってもらった種を庭に蒔いてから4年目頃から毎年花を見せくれる。
上の写真は友人の小山さんから送ってもらったもので、5月から6月にかけての国上山や弥彦山で咲いていものである。左はユキグニミツバツツジ(日本海側の多雪地帯に生え、三つ葉のツツジ)、右上はガクウラジロヨウラク(釣鐘型の花の形が仏像が身につけていた瓔珞に似ている)、右下はウゴツクバネウツギ(実が羽子板の突羽根に似ている)でいずれも弥彦・角田山系には沢山見ることができる。
写真はウツギ(由来は幹が空木から)である。5月にタニウツギの中で、田植え時期の花として紹介した。今は5月上旬に田植えが行われるが、昔は苗代で稲苗を育成して、5月から6月頃に田植えが行われていた。この頃に花の盛りを迎えることから田植えの花として有名であった。垣根としても庭木としても人家の周りに植えられているが、弥彦・角田山系でもたくさん見ることができる。