自然好きなシニアの部屋

近くの野山を歩いて、植物・虫などを観察し、写真に撮っています。

蒲原平野の自然2020年3月

2020-03-11 21:52:37 | 日記

 我が故郷である蒲原平野の2020年の出だしは、雪もなく寒さもあまりなかった異常な年だった。3月に入ったが、時には17℃もある4月の暖かさも記録した。私は来年には80歳になるが、こんな気候はあまり記憶にない。しかし、自然においてはいつもように、例年よりは早いが植物の開花が始まっていたのだ。

蒲原平野の象徴である弥彦・角田山系は、積雪の気配はなく春を迎えようとしている(上)。目を東に向けると粟ヶ岳が雪を抱いて、手前のまだ芽も出ていないブドウ畑を見下ろしている(下)。

まだ褐色を呈している蒲原の水田あぜ道には、春の花が咲いていた。オオイヌノフグリ(青色の花)とヒメオドリコソウ(紫からピンク色)が盛りであった。オオイヌノフグリは、その実の形が犬の陰嚢に似ているのでこの名があるが、同じ仲間でタチイヌノフグリという雑草もある。このタチイヌノフグリという雑草は、オオイヌノフグリより花も実も小さく、直立して生えることからこの名がある。ヒメオドリコソウの仲間にオドリコソウ(姿形は大きくて花も白い)があるが、4月から5月頃に弥彦・角田山系でその花を見ることができる。この近くにツクシも見た。春だ。

この季節に山を歩くと、桜の仲間で一番最初に花を見ることができるのがオクチョウジザクラである。名前の由来は花が丁字に見えることからで、大木にはならず柴状である。弥彦・角田山系に咲く桜には、これ以外にオオヤマザクラとカスミザクラなどがあるが、これらはオクチョウジザクラに比べて大きな樹木になり、4月から5月頃に見ることができる。昔湯治でお世話になった湯の腰温泉(今は廃墟になっているようだ)辺りにこれらの群落を見ることができる。

春になると真っ先に咲くと言われる、マンサクは早春の花だ。名の由来はいろいろあるが、春に真っ先に咲くとか万年豊作などの説がある。オクチョウジザクラと同じく周りに枯れ木が目立つ山に温かな香りを漂わせている。

春の花としては美しくなく目立たないが、ハンノキの花も3月の花だ。写真はハンノキの雄花であるが、4月頃に咲くクヌギやコナラやヤシャブシもこの様や雄花を見ることができる。

なんと言ってもツバキは我が故郷の代表的な花だ。どこでも見ることができるが、角田山には登山口からほど遠くないところに「椿谷」というところがあり、そこにはこのヤブツバキの群落を見ることができる。国上山ではこのヤブツバキとユキツバキ(加茂市で多く見られる)の中間種ではないかと言われている「ユキバタツバキ」を見ることができる。春はまだ新緑がないころにひっそりと色々の花を見ることができて蒲原の自然は永遠不滅である。



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