鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

鬼火焚きの準備

2019-12-15 12:02:44 | おおすみの風景
所属する池園町内会では新年の1月4日の夜に鬼火焚きを行うが、今日はその準備(矢倉組み)があった。

集まった人たち17,8人で朝8時から近くの山林に生えている孟宗竹を30本ばかり田んぼに集め、すでに準備してあった古材やらスギの枝などで高さ12メートルばかりの矢倉を組んだ。

芯になる部分に古い木製の電柱を支柱として最も太い孟宗竹を一本すっくと立て、それを四方から杭とロープで止める。

今度は四周から孟宗竹を立てかけるようにしてちょっとやそっとの風でも倒れないようにした後、笠状になった内部に燃えやすい杉の葉や古材などを詰め込んでいく。

少し汗をかいたが、2時間半くらいで先端までの高さ12メートル、下端部の周囲20メートルほどの矢倉が完成した。

鬼火焚きは普通は1月7日に行われる「厄払い」の行事であるが、ここではまだ冬休みの時期のほうが子供たちの参加も得られようかと前倒しで行うようだ。

同じ大隅でも錦江町田代などでは鬼火焚きではなく「節替え(せっがい)」という名で2月の節分の夜にやっている。

「節」とは「節分」の節で、こちらは鬼払い(追儺)と同じだが、鬼火焚きにしても「災厄=鬼」を払うという点では同じ内容だ。

火を焚く行事では串間市などに「柱松(はしたまつ)」があるが、向こうは松、こちらは孟宗竹の違いだけだと思われる。

実際の行事まであと三週間、その間強風で倒れないかと心配もあるが、その分乾燥が進み当日はよく燃え上がるだろう。