奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

子供のままの私

2012-11-04 | 心詩~こころうた・己
あの頃の
子供のままの私

前を向いて歩こうとしても
ふとしたことで蘇る
あの頃の歯がゆい記憶
あの頃の惨めな気持ち

この不毛に囚われているかぎり
本当の意味で前には進めない

あの頃の子供のまま
私の心の成長は
きっと止まってしまっている


『協調性がない』
そう書かれた通知表
いじめのターゲットとなり
クラスから孤立した人間が
どうすれば
協調性を保てるというのか

それさえも見抜けない
教師にしか出会えなかったのだ
大人にしか出会えなかったのだ

闇に葬られた真実
闇に葬られた私


今も子供の心のまま
救い出してくれる誰かを
ずっと求めているのかもしれない

そんな大人に
出会えないまま
大人になった私

なりたいと思った
理想の大人に
なる方法なんて
ひとつも分からない

どんな大人になりたかったのか
それさえも今は
分からなくなってしまった


過去の自分が
憑りつき離れない
これがお前だろうと
消せるわけがないだろうと
光を乞う哀れな姿を
嘲笑っている

こんな大人にしか
なれなかった自分と
この先もずっと
生きていくしかない

大人の汚さと卑怯さと
大人の責任と賢明さを
子供の心でしか
判断できないまま


汚(けが)され
踏みにじられ
ぼろぼろになりながら
大人になることを
知ってゆくのだろうか

過去を悔やみ
後戻りすることをやめたとき
本当の大人になれるのだろうか

過去も受け入れ
赦せるようになることが
本当の大人になることなんだろうか

私には
いまだに 分からない