奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

僕の罪と僕の罰【歌詞っぽく】

2012-11-16 | 詩詠~うたうたい
こんな愚かな僕のために
君は戦ってくれたね
この心臓を狙う
矢の盾となって

ひとりにしないでと
叫んだ君の声が
飛び交う矢の雨に
かき消されていった

それなのに僕の頭は
大事なことさえ
覚えておけないんだ

命の恩人の顏さえ
モザイクがかかったように
思い出せなくなっていくよ


こんな無様な僕のために
君は泣いてくれたね
怖くなんかないよと
呪文を唱えながら

ひとりじゃないからと
頬を撫でてくれた
君の手の感触
君の涙ぐむ声

それなのに僕の心は
温もりさえも
忘れてしまうんだ

僕のかわりに傷ついた
君の心の痛みさえ
振り返れなくなってしまうよ


こんな愚かな僕に
神様はこれ以上もない
罰を与えたんだ

こんな無様な僕が
醜態を晒し生きている
それこそが僕の罰

君がいたこと
君といたこと
君を失ったこと
すべて僕の中から消えて……

タダヨフイシキ タダヨフニクタイ

2012-11-16 | 心詩~こころうた・己
漂う意識
漂う肉体
私は
いったいどこにいる


体も心も
自分のものではないように
実感もなく
ふわふわと彷徨う

このまま
自分という存在は
消えてしまうのではないか

このまま
消えてなくなることを
望まれているのではないか


形容しがたい
虚しさと
苛立ちと

それさえも
遠くにある
誰かのもののようで


ここで息をして
生きている自分は
本当は
どこにも存在など
してはいなくて

すべては幻
すべては
実体のない私が見ている
夢物語

この世界も
しがらみも
記憶のすべてが
錯覚であったなら

なんだそうかと
苦笑し
なにもかもを
リセットしてしまえるのに


なぜ
こんなに苦しい
どうすれば逃れられる

自分の体を
自分の心を
取り戻したい