奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

ひとが生きるということは

2012-11-15 | 心詩~こころうた・世
ひとは
俗世にまみれて
生きるもの?

なにかを手に入れるため
なにかを守るため

欲望のおもむくまま
理性に制御されながら

誰かのものを奪い
ゼロから築き上げ

のし上がり
地べたを這い


ひとは
生きるために
生きている?

生命を維持するために食べ
ただひたすらに
命を守り

種の存続のために
子孫を残し
テリトリーを守り

ひともまた
そのように生きる
生物なのだろう


だが ひとは
生存のためだけに生存しない
稀有な存在

他種を排除し
ひとのためだけに
特化された世界を構築し

その狭い世界の
了見と主義主張の間で
競い合い傷つけ合い

生き残れるものだけが
ふるいに掛けられ
「勝者」と名乗り

ひとの世界の
価値観を歪曲させる


ひとは
そんな歪んだ世界で
与えられた命を営み
人生を終えてゆく

すべてを清算し
生きたとおりの
結果を残して


ひとは
なんのために
生きるのか──