真っ暗闇に
ぽつんと灯った
小さな光
手を伸ばすと
幻のように
ふっと消える
手に触れたのかも
わからない
頼りなげな光は
点滅しながら
場所を変え
大きさを変え
私を挑発する
『ほら
こっちが出口だよ』
誰の言葉も信じない
そう決めた私は
そんな挑発に
乗りはしない
たったひとつの
手がかりにも
耳なんか貸さない
「そら
また消えたじゃないか」
どうせ そんなもん
人の心を弄ぶのが
この世界のルールなんだろう
『バカだな
今が最後のチャンスなのに』
光は嘲笑うように
ちかちかと瞬くと
無数の星のように
暗闇にぱあっと
散らばった
『もう お前には
本当の出口はわからない』
光の群れに取り囲まれ
まるで いじめられていた
あの頃のような
惨めな気持ちに
飲み込まれてゆく
ミンナ ワタシヲ バカニシヤガッテ──
声の限り叫ぶ
声は闇に吸い取られる
魂までも吸い取られそうで
私は 思わず
走り出した
どこまでも続く闇を
走って 走って
目蓋をぎゅっと閉じ
どこまでも闇雲に
走って 走って……
闇は 突然終わった
目蓋の向こうに光が射し
ゆっくりと目を開く
見慣れた部屋の天井
窓から差し込む朝日
遠くで囀る小鳥の声
私を囲む 私の日常
「夢……だったのか」
夢の中でも
私はなにかに
追い立てられているのか
悪夢は消えても
心に残る不愉快な濁り
現実は なにひとつ
消えてはいない
「馬鹿馬鹿しい
人生だな……」
気付けば
泣きながら 笑っていた
ぽつんと灯った
小さな光
手を伸ばすと
幻のように
ふっと消える
手に触れたのかも
わからない
頼りなげな光は
点滅しながら
場所を変え
大きさを変え
私を挑発する
『ほら
こっちが出口だよ』
誰の言葉も信じない
そう決めた私は
そんな挑発に
乗りはしない
たったひとつの
手がかりにも
耳なんか貸さない
「そら
また消えたじゃないか」
どうせ そんなもん
人の心を弄ぶのが
この世界のルールなんだろう
『バカだな
今が最後のチャンスなのに』
光は嘲笑うように
ちかちかと瞬くと
無数の星のように
暗闇にぱあっと
散らばった
『もう お前には
本当の出口はわからない』
光の群れに取り囲まれ
まるで いじめられていた
あの頃のような
惨めな気持ちに
飲み込まれてゆく
ミンナ ワタシヲ バカニシヤガッテ──
声の限り叫ぶ
声は闇に吸い取られる
魂までも吸い取られそうで
私は 思わず
走り出した
どこまでも続く闇を
走って 走って
目蓋をぎゅっと閉じ
どこまでも闇雲に
走って 走って……
闇は 突然終わった
目蓋の向こうに光が射し
ゆっくりと目を開く
見慣れた部屋の天井
窓から差し込む朝日
遠くで囀る小鳥の声
私を囲む 私の日常
「夢……だったのか」
夢の中でも
私はなにかに
追い立てられているのか
悪夢は消えても
心に残る不愉快な濁り
現実は なにひとつ
消えてはいない
「馬鹿馬鹿しい
人生だな……」
気付けば
泣きながら 笑っていた