ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

俳句の構成(語順)について

2021年06月04日 | 俳句

 昨日の雨は相当なものでした。暴風雨とまではいかなくても、これ台風の前触れ?と思わせるぐらいの風が吹いていましたので、せっかくセットした髪もわやくちゃ~!

 梅雨時は油断大敵なんです…私の髪は天然パーマですから。雨が降らなくても湿度が高いとすぐチリチリになってしまうし、まして傘がなくて雨にでも濡れようものならもうバクハツです!何をしてもダメ…。(笑) そういう時は帽子を被ってごまかしていますが…。

 今日も朝から雨でしたが、小雨がパラパラするぐらい…。やっぱり梅雨最中という感じですかね。

 さて、今日は前の句会に出た句でちょっと気になることがありましたので、それを書いてみましょうか。

 この句会も結構長くなりましたので、みなさんそれぞれに成長されていますし、句材もいろいろと魅力的なものが多く…。それで〝みなさん、とてもお上手になって…こんないい句が詠めるなんて素晴らしい!〟と言うと、〝またあ~!先生の次の言葉がオソロシイ!〟と、大笑いです。

 〝何も言うことがなければ、全員卒業でしょう…(笑) だからね…ここをもう一歩考え直すともっとレベルアップしますよ!〟ということでみな納得。

 ではその時の句を一つ見てみましょうか。〈会へぬ子へ新玉葱をレシピ添へ〉という句。素直でよく分る優しい句ですね。今時のコロナ禍も反映されていますし、親の愛情が溢れています。更に季語の「新玉葱」がいい。自宅の畑で収穫されたものでしょう。もちろん茄子やトマトなど、他の夏野菜も作っておられるかも。また、玉葱だけでも夏の季語です。が、ここは新玉葱ということで独特の香と色があります。これはサラダなどの生で食べるのが美味しい。でも、切るときはやはり目に染みる。…と考えれば、この子はきっと娘さんだと思いますが、故郷の母の愛を感じてホロリと…なんて鑑賞もできるでしょう。これが他の野菜じゃあやっぱり~ダメね!

 それではこの句のどこを添削したのかというと…、〈新玉葱レシピを添へて会へぬ子へ〉としました。さて、どこが違うか分かりますか?

 そうです、語順が変わっているだけですよね。ところが大きな違いがあるのです。いわゆる原句には切れがないが、添削句は上五で切れている。

 俳句に於いての〝切れ〟というのは、定型(5・7・5)と季語に次いで大事な要素なんですからね。切れのない句は散文的になり、説明や報告などの〝叙述〟の句になりやすい。この上掲句で見れば、「○○へ△△をどのようにして」なので、当然意味はよく分ります。

 ここで考えてみましょう。上五に「会へぬ子へ」があれば、次の「〇〇を」は何が来てもおかしくない。更にこの句はここまでで作者の意図は8割方伝わってしまい、下五は付け足しで終るということ。

 添削句になると上五の季語で切れるため、それがどうした?と読者に疑問を抱かせる。すると中七で、ああ、その新玉葱を収穫したから誰かに上げるんだなあ~と…これはよくあることですもの。ではその誰かとは?これもすぐに子だろうと推測できます。しかし、近くに住んで行き来している子でもいいわけで、ここで初めて「会へぬ」という一語が読者の心に響いてくるのです。

 今のコロナ禍による自粛で、特に他県の親族には会うことが出来ません。ましてや都会へ働きに出ていたり、嫁いだりしている我が子を、心配はしても顔を見ることが出来ない今日…この思いは大なり小なり殆どの親には通じる気持でしょう。こういう句は類句が多いのですが、作者にとっては偽りのない実感でしょうから、それはそれでいいと思うのです。コンクールじゃないんですから。

 散文では字数・音数など何の制限もなく自由に、いうなら書きたい放題ですから、その分余白も少ない。読んで理解すればそれで終りということが多いのです。小説などになると全てを読み終わってからの感想でしょう。もしも最初から全部見えているストーリーだとすれば興味が無くなってしまいませんか。俳句だってそういうものです。しかし、言葉を尽して伝えることが出来ませんので、いろいろな工夫を凝らすのです。限られた最少の字数・音数で表現するところで一本立ちしなければならないのが俳句。それで、このような切れや組み立て方、一音の助詞の使い方などに心を砕いて詠んでいるのですよ。

 得てして初心者の方は、自分の言いたいことを真っ先に据えたり、最後に季語でダメ押しをしたりという句が多く見受けられます。助詞一字によっても意味が大きく変わりますし、どんなに推敲してもこれで終りということがないくらい。だからやればやるほど道が細くなっていきます。大変なんですが、だからこそやりがいもあるということかも!

 要するに、未知のものへの〝探究心〟や〝冒険心〟だと思えば…止められない!かな…(笑) 頑張りましょう!

 写真は、「ゴデチア」の花畑です。句会の帰りに今年も咲いているかしらと、寄ってみました。夕方で雨も降っていましたのでもう誰もいませんでした。でも、一把(12本)100円と置いてありましたので買って帰りました。花菖蒲はまだちょっと早かったですね。いつ見てもキレイ!このゴテチアの和名は色待宵草(イロマツヨイ)でアカバナ科の一年草。花言葉は「変わらぬ愛」「お慕いいたします」ですって!じゃ誰にあげようかなあ?ああ、この花母が大好きだったっけ…。以前のブログにもこの花のこと書いていますので、よろしかったらどうぞ!

https://blog.goo.ne.jp/kanekuti3515/e/08f853626cb4b3b6f9fc196a7ee79343

コメント (6)
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