天気予報通りこちらでは、昨日の午後からはかなり強い雨が降りました。しかし、久し振りの雨でしたので植木などにとってはちょうどいい頃合で、ホッ…でした。
今日も午前中は曇りでしたが、午後からやっぱり雨が…でも、とても変な天気。半分は晴れて日が差してるかと思うと、半分では時雨が…。実は午後からは句会だったんですが、その句会の途中で本当にキレイな虹が見えて…しばし中断です。特に雨雲のある暗い方では二重虹になっていて、こんなのは滅多に見られないからと、みんなで写真を撮ったり、来月の兼題が「隙間風」に決まっていたものを、急遽「冬の虹」に変更したりと、何とも賑やかな句会でした。(笑)
その句会後の用事を済ませて7時頃家に帰ると、まだ雨がザーザーと降っていたはずなのに、反対側には月が見えたりして…エエッ、これどうなってるの?と、一日ヘンな気分でした。
この月の写真、肉眼で見るともっとスリムな月だったような気がするのですが、スマホではこの通り…?まあ、私の肉眼は乱視が酷くなっていて、月も二重に見えますし…当てになりませんけどね。
さて、今日の兼題は「松手入」。9月から10月頃に松の新葉が伸びきり、古葉が赤くなってくるとこれを取り除き、余分な枝も切り捨てて樹形を整えることをいい、晩秋の季語。庭木の中でも、松の手入れは難しいといわれています。
松手入せし家あらん闇にほふ 中村草田男
これは恐らく作者の家の近くでしょう。昼間に松の手入れがなされて庭が美しくなっていたのに、草田男は気付かなかったのかも。夜更けの書斎で何か書きものでもしていると、あの独特の松の葉の匂いがぷ~んと鼻を突く…ああ、近くで松手入れをした家があるのだなあ…と、そんな感慨を詠んだ句なんですね。そういう濃やかな感覚はやはり俳人なればこそですよね。
エエッ、私ですか?まあ一応俳人の…端くれかな?イヤイヤ、まだまだです。草田男を見倣わなくっちゃ!
今回の最高点句は〈目だけ出す女庭師の松手入〉でした。最近はどんな職業にでも女性の活躍する姿が見受けられます。だから庭師であっても女性がいて当然でしょう。が、美容、特にお肌に関してはやはり男と女の違いがあるんですよ。男に負けぬような仕事はしても日焼はしたくないという気持ち。でも今はコロナで殆どがマスクをしていますので余り変らないかも知れませんが…。
ところでこの句、映像的にしっかり見えてきてとてもいいのですが、このままではちょっと気になるんです。何となく締りの無い感じがするところ。それはきっと句中に切れがないからでしょう。要するに一本調子でメリハリがないんです。そこで、〈目だけ出す女庭師や松手入〉と「や」を使って切ってみました。そうすると〝女庭師のしている松手入ですよ〟というような報告性が消えて、もっと大がかりな松手入の様子が想像されます。例えば松が見事などこか由緒ある庭園とか城跡のような大きな公園とか…。そうすると庭師もこの女性だけでなく、他に何人もいたりして。まあ読み比べてみて下さい。これが切字というものの働きでもあるのですから。
もう一句…〈周到に足場つくりて松手入〉も高点句でした。私が〝これは一体どこの松手入でしょうね〟と聞くと、〝実は我家のです。主人が恐れなもんですから…〟とは作者。確かに迂闊に取組むと危ないですし、素人のご主人なら尚更でしょう。しかし、それは作者の種明かしを聞いたからであって、この句からそこまでは推測できませんので、どこかの規模の大きな松手入だと思うでしょう。だったらそれが見えてくるように詠んだ方がいいのでは?ということで、〈足場組み大手門より松手入〉としてみました。〈周到に〉はこのような作業では当然のことですから削る。その代り〈大手門〉を入れる。すると、城跡での松手入れであることが明白に見えてくるでしょうからね。
俳句は、五七五という最も少ないことばで、如何にイメージを膨らませて広い世界を描くかが勝負なんです。だから少しでもムダを省き、何か手がかりになるようなことばを使って詠む方がいいのです。
さあ、皆さんも挑戦してみましょう。ガンバッテ!
切れ字と言うのが、難しいです。
どこへ、どのように入れるのか?
助詞も難しいです(^^; 難しいことだらけ。
雷がにぎやかで~す。雨も時折激しく打ち付けて><
切字は、俳句を何年やっていても難しいものです。
それがすぐに分かるのであれば、それは〝才能アリ〟、どころでなく〝天才〟ですよ!
地道に学んでいれば少しずつ分ってきます。そんなものです。
こちらは余り雷は聞かないのですが、昨日もまた綺麗な虹がでていました。この二三日は晴れたり時雨が来たりの繰り返し…そんな感じです。