ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

枯蟷螂(かれとうろう)

2017年12月13日 | 俳句

 寒い!寒い!…わかっちゃいるけどサム~イよ。こちら三日前から雪雲に覆われて、霙、粉雪と…完全に真冬の気候です。去年はこんなに寒くなかったような気がするんですがね。一年前のことはもうすっかり記憶にありません。ホントに歳を取る度に物忘れがひどくなり、困ったもんです!

 今朝早く電話のベルが…寒いのでまだ蒲団の中でうつらうつらしていると…しばらくして止みました。ああ旦那が取ったのかと、起きていくと〝おまえが取ったのかと…〟〝う~ん、誰からだったんだろう?〟そのままで朝食を取っていますと、また電話。娘からでした。

 「昨夜ハートが死んだの…」と、涙声。「そう、…やっぱり…辛いねぇ~」と私。実は月曜日、用事があって二人で朝から夕方まで出かけて、帰りに娘の家に寄ったんですが、その時にもうハートの様子が変で、嘔吐と下痢をしていました。娘が言うには前から下痢をして食欲もなくて…と、心配していたそうです。もちろん一日中出かけるし、寒いので暖房は付けたままにして行ったんですよ。

 昨日はすぐに病院に連れて行き、点滴もして貰って様子を看ていたそうですが、夜11時過ぎに亡くなったと。今日仕事から帰って葬儀屋さんに連れて行くので、一日見ていてほしいとの電話でした。

 この猫は二年半ほど前から寝たっきりになって、娘が親身に介護をしていました。それで、泊まりで出かけるときは、トワ(以前ブログに写真を載せた猫で~す)と一緒にいつも我家に預けていましたので、私も旦那も情が移って可愛がって世話をしていましたから、淋しいかぎりです。動物を飼うのはいいのですが、自分が先に死なないかぎりこの哀しみに立ち会わなくてはなりません。分かってはいるんですが…何度味わっても辛いですね。だって1週間も飼うと、もうしっかり家族の一員ですものね。特にこの猫は野良だったのですが、人懐こくて、娘がこちらに引っ越して淋しい思いをしていたとき、慰めになってくれた猫なので、余計思いが強かったんでしょう。

 写真は〝枯蟷螂〟(かれとうろう)で、冬の季語です。初冬に褐色のカマキリを見かけることがあり、昔の人はこれを蟷螂(カマキリ)も草木と同様に枯れて緑のものが変化したと考えたのです。しかし、カマキリには緑色と褐色のものがあり、途中から色が変ることはありませんが、季節感を感じさせる言葉なので、事実とは違いますがそのまま季語として使用されています。

      

       枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色

 これは、この度の私の句集『甘雨』に所収の句です。この句について「ふらんす堂編集日記」のyamaokaさんの鑑賞がありますのでご紹介します。      

夢の色とは、いったいどんな色をしていたのだろうか。生気をなくして枯れていく蟷螂である。しかし、生の名残がその眼だけには残っていてそれを夢の色と詠んだところに詩情が生まれた。だからその色は限定されなくていいのだ。緑に見えたかもしれないし、あるいは黄色、白かもしれないが、それを著者は「夢の色」と判じたのである。「死」という虚無にささやかな救いを与えたいという著者の願望がそこから夢の色を掬いとったとも。あはれなる救いではあるが。
 
 この写真は、天気も悪く寒かったので、急いで撮ってピンぼけ!もっとしっかり蟷螂の眼にピントを合わせていれば…残念!

 

 


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