おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第4章 漢方による心身の健康法
健康は人間の自然を回復する
p242栄養剤を飲むのは食糧難時代の〝栄養失調症〟が焼きついているからだ!
人間の健康が正常であるということは、男は六十四歳まではいつでも女性を恋することができることだし、女性は七掛ける七の四十九歳まで生理があり、子どもを産める状態にあるということです。
しかし、そうはいっても頭ばかり使って、四十歳の坂を越すともう六十四歳に近いような感じの男性がいます。
そういう人は頭ばかり使って腎機能がいかれていること、腎がストライキをやっているわけです。
このストをやめさせるには、補腎の薬が必要なのです。
人間の生命力を、男は六十四歳、女は四十九歳まで正常にもたせること、落ちないように保つこと、それは皮膚の新陳代謝をはじめ全機能を正常にしていることです。
あとは頭の使いすぎ、疲労してオーバーワークにさせないようにすればいいのです。
四十歳代で脳卒中なんていう人が多くなりましたが、これは機能の使いすぎが原因です。
漢方薬には脳卒中を防ぐ水剤がありますし、血剤も揃っています。
いわゆる頭寒足熱をふだんから心がけていれば、脳卒中にはなりません。
漢方は基本的には、人間が健康を正常にして、生命を全(まっと)うすることからはじまっているわけです。
息はしているが、活動できない〝恍惚(こうこつ)の人〟では、生きているとはいえません。
活動して生活をエンジョイできる体にし、そして少しでも社会に貢献できるということが生きていることなのです。
長生きしても二人も三人もの人に養われているというのでは、ただ息をしているだけのいわゆる植物人間ではないでしょうか。
漢方では年齢に応じた正常化の薬があります。
それで体を正常化するのです。
寝たきりの人でも、機能を正常化しなければ、いつまでも寝たきりになってしまいます。
早く機能を助けて正常化すれば、人間は健康な一生を送ることができるわけなのです。
たとえば、補腎の薬である「八味丸」は。セックスや糖尿病の薬だけではありません。腎機能を正常化し、肉体的な疲労や精神的な疲労、セックスの疲労を改善してくれるわけです。
「八味丸」を飲む人は大半、夜中に小用に起きる症候があります。
それは疲労がとれず睡眠が中断されるということなのです。
とくに老人にはそれがはっきり出てきます。
日本人は薬が好きな国民です。
大会社の社長さんだって毎日栄養剤をのんでいます。
栄養は食物から摂(と)るのが人間のほんとうの食生活です。
もちろん、栄養不足の人は必要ですが、必要もないのに栄養剤を飲んでいる人がほとんどではないでしょうか。
栄養剤はもちろん、栄養の要素です。
この人はB1が足りないという場合に、バランスをよくするために飲むのが薬です。
ところが、足りようが足るまいが飲むことは、個人の栄養のバランスを無視していることになるわけです。
だから栄養剤も一つの成分だけが多いというのは、いわば他とのバランスがとれないわけですから、結果的には栄養失調ということになるのです。
そういう栄養の基本を、つくる人も飲む人も考えていません。
これでは体がたまりません。
口を開けて無理やり押し込んで飲んでいるようなものです。
はっきり正体がわからないで、まったくむだなことをしているわけです。
栄養剤はもともと病弱の人や栄養失調症の人以外は飲む必要がないのです。
これは日本人のなかの潜在意識に、戦後の食糧難時代の栄養失調症が焼きついていて、ちょっと体の具合がおかしいとすぐに栄養失調症と反応するのではないでしょうか。
大企業の社長や文化国家の国民が栄養剤を飲むというのは、どうもおかしな話です。
やっぱり脳裏(のうり)では非文化国家という意識があるのかもしれません。
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