五虎湯と麻杏甘石湯の違い
五虎湯(ごことう) :麻黄4;杏仁4;甘草2;石膏10;桑白皮1-3
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう):麻黄4;杏仁4;甘草2;石膏10
五虎湯は麻杏甘石湯に桑白皮を加えた物
2人のお客様、症状が変化し、クラシエ薬品 五虎湯 ごことう証になり、
女性のお客様は一度服用したら、効くのがわかったようです、この方は他店で麻杏甘石湯を求め服用したが効きがいまいちだったそうです。
渡辺武著 平成薬証論 水剤の項 桑白皮
桑白皮の配合処方に、万病回春を出典とする五虎湯があります。咳がひどく出る時に使う処方に傷寒論の麻杏甘石湯がありますが、この麻杏甘石湯に桑白皮一味だけが加わったものが五虎湯です。虎が吼えるような咳をする時に使う処方です。麻杏甘石湯の水滞は、皮下に麻黄、気管に杏仁という形で存在しているのですが、これにもうひとつ、桑白皮という水剤が加わったものが五虎湯です。五虎湯には桂枝が入っていません。手が冷たく、表からの発散が少ない状態ですから、少々の水滞でも気管だけで気化して処理しようとするので激しい咳が出るのです。咳が出れば粘膜に炎症を生じますが、桑白皮は甘寒で炎症をとるとともに、小便を出して咳の原因の水滞を除きます。中国大陸では麻杏甘石湯でよいでしょうが、湿気の多い日本では五虎湯証の人が、より多いといえます。