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編集部ご担当者さま 35歳は若者ですか?

2017-12-18 13:24:01 | 社会
Corriere della sera 2017/12/18

A 35 anni ancora ragazzi?
I perché di un’idea sbagliata
編集部ご担当者さま 35歳は若者ですか?


コリエレデラセーラ編集部
ご担当者さま

毎日貴紙が伝えるたくさんの大事件に比べれば些細なことかもしれませんが、ある記事で見つけた、「35歳の若者」という言葉が気になって仕方がありません。35歳が若者?貴紙がそう呼ぶ理由はいろいろあるのでしょうが、この77歳の若造の疑問にお答えください。(ヴィットリオ・スタイナー ローマ在住)

スタイナー様

今回あなたがお尋ねの質問は小さな問題ではないと思います。私たち自身が何度も35歳を若者と呼ぶこと自体がこのイタリアにおける心理面、精神面での変化を表していると思います。普通でしたら、この35歳の歳で息子や娘が一緒に家で暮らすなんて、経済的に支援せざるを得ない若者であり、決して人生設計の出来る大人ではないことを意味します。イタリアでは確かに平均年齢が年々上昇していて、80歳になっても元気で普通の生活をしている人々がたくさんいます。まったくなん10年か前には考えられないことです。このことが年齢に対する認識も変えたのです。しかし、私は本質的な部分を指摘したいと思います。それは、いまの若者たちは高校や大学を出ても安定した仕事、結婚相手を見つけ、家を持ち、子供を作りというそんな将来を考えること出来るような仕事が見つけられないのです。
そんな不安定な生活がしばしば40歳まで続くのです。非正規雇いの仕事が普通になっているのです。この異常自体こそが本来は選挙で問われるべきなんです。どうやってこの世代が自分自身で仕事を選び、生活設計をできるように社会を再構築すべきかを。この国では、退職後の話ばかりがされて、若者の就職の話が少なすぎます。若者であることが楽しい生活を意味するものであれば、若者時代が長いほど誰にとってもありがたいでしょう。ですがこの国では私たちの現実はとてもそんなものではないという大きな問題なのです。

(原文)
http://www.corriere.it/lettere-al-direttore/18-12-2017/index.shtml