拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

受け入れること、、、こだわること。

2008-06-03 | 旅人のひとりごと
6月になり、欧州も夏の季節を迎えました。
そして自分が欧州に来て3年目のシーズンとなりました。


欧州での生活を始めた当初、「何でこうなるのか」とか「日本なら」と、とかく日本と比較して悪い部分ばかりが目につきました。

嫌だ嫌だと思いながら(自分で選択した道なのに)毎日を過ごすのはとてもばかげているので、その時決めたことが「2年間は良いか悪いか判断しない」ということでした。

とにかくありのまますべてを受け入れようと思ったこの2年間。

しかし僅かばかりではあるものの、知れば知るほど色々なことがよくわからなくなります。

2年たった今、欧州での生活に対して、良いか悪いかなど、とてもじゃないですが、判断できそうにありません。
それどころか最近では、そもそも「良い」とか「悪い」などあるのだろうか?とさえ思えてきました。


まずは全容を知り、その姿かたちが見えた段階で、良いものは取り入れ、自分がこだわるものはこだわっていきたいと思っていたのですが、ちっぽけな自分はまだその頂はいつまでたっても見えてこず、自分が今何合目にいるのかもよくわかっていないような、そんな気がしています。


自分のスタイルを築く過程の中で、まがいなりにも自分の形ができ始めた年齢になると、ありのままで受け入れることはとても勇気のいることです。

また両手を広げて受け入れているつもりが、いつの間にか、大きな流れに流されて、身動きがとれなくなり、押し潰されてしまいそうな錯覚に陥るのは、自分の人間としての器が小さいからなのでしょうか。


まだ通過点の点上にいる今の自分にできることは、自分自身を信じて、ものごとをこの肌と心で「感じること」だと思っています。



※写真:2年前の今頃ドイツはワールドカップに沸いていました。(観戦した日本vsブラジル戦より)

要塞の城壁?(バーレーン・フォート/バーレーン)

2008-06-03 | 旅フォト(中東)
要塞の城壁?(城ではないのでただの壁?)です。

この要塞の上にたって眺める対岸の町並みは、まるで蜃気楼を見ているかのような別世界に感じます。


しばらくここでぼっとしていたかったのですが、夏のバーレーンは気温40度を軽く超える激暑で、すぐにギブアップしました。


早朝か夕方が(そもそも夏じゃない方が)がよいと思います。

バーレーン・フォート(マナーマ/バーレーン)

2008-06-03 | 旅フォト(中東)
紀元前3千年頃ともいわれる、ディルムン文明と呼ばれる、エジプト文明にも匹敵する文化の中心地であったといわれるバーレーン。


UAEのドバイと共に、イスラムなのに飲酒ができたり、女性が顔を隠す必要が無いなど比較的西洋化のされたイスラムの国であり、橋一本でサウジアラビアとつながっているという地理的条件の良さから、近年目覚しい発展を遂げているアラブの国です。

そんなバーレーンの世界遺産にも選ばれた名所が、このバーレーン・フォート(要塞)です。


時は16世紀の大航海時代、インド、アフリカ、ヨーロッパを中継する交易拠点として、当時世界のパイオニアとして海洋航路を開拓していたポルトガル人がバーレーンを占領し、この要塞を建設しました。


17世紀にペルシャ人(現在のイラン)に占領され、その後もペルシャとアラブの間でこの地を巡り抗争が続く中、この要塞は500年の歴史をずっと見つめてきました。


現在は廃墟と化したこの要塞の上に立つと、目覚しく発展を続ける対岸の町並みが、まるで蜃気楼のように見えます。


西洋文化へ開放を続ける現代のバーレーンの中で、この要塞はその役割を大きく担った中世の時代のまま、時が止まっているのかもしれません。