その1 (技術研修生のバックグラウンド)
【留意すべき傾向と対策】
1. 技術研修生の傾向
1)研修目的を正しく理解しているか、研修制度が悪用されていないか、研修の制限事項に異論はないかの確認が曖昧な場合が多い。⇒ 正しく理解させる。
2)一般的に個別指導を好み、集団指導を嫌う。己にとって必要なことだけを求める。⇒ 制度上難しいことを納得させる。
3)学歴が異なるものどうしや、異なる部族どうし、更には互いの国が戦争状態にあり、関係が悪いところの出身者どうしの接触を避ける。⇒ ペアを組ませない。
4)宗教の違い、身分差別や男尊女卑が依然として強い。イスラム圏の男女共学はない。⇒ 我が国がそれによる差別がないこと伝え、実情を理解させる。
5)作業後の後始末や清掃はエンジニアの仕事ではない。⇒ 研修が職務実施のプレトレーニングであること、職務記述書による業務の範囲や責任の範囲を明確にする。
6)後継者の育成は困難。極度の競争社会で、自己の持っている技術を他人に教えることによって、己の存在が悪くなるのを嫌う。自己防衛本能が強い。⇒ 意図的に研修生相互が教えあうことを避ける。全員のミーティングに切り替える。
7)自己の能力を実際以上に誇張する。頭で理解しできるというがやらせてみると全くできない。⇒ やらせてみて評価する。経歴を信じない。
8)基礎教育が十分でなく、それぞれ教育体験・教育基盤が異なる。⇒ 基礎教育からチェックを始める。義務教育を敷いていない国もある。
9)一般的に共同作業に向かず、単独主義でアイデンティティが強い。自己の行動や対応を自己判断で処理する。⇒ 職場における協調性やホウレンソウ(報告・連絡・相談)を徹底させる。
10)要求内容がきつく、要求が通らないと思っていてもダメモトで言う。⇒ できることとできないことをはっきりと伝える。
11)研修と自己の行動との損得を天秤にかけ、得する方に恣意的に動く傾向がある。 ⇒ 研修の重要性を何度も伝え、技術習得の最短の道であることを伝える。宗教や体調不良を理由にしたサボタージュを鵜呑みにしない。