アオサギが河川に下りたのは目的があったようです。大きなへらブナのえさをカモメは守れるのでしょうか?
その2 (不安の除去・信頼関係の構築)
【留意すべき傾向】
2. 生活の信条・基盤の違い
1)日本人ほど雇用された会社に帰属意識が高い国はない。日本以外で外国企業のロイヤリティの低さは著しく、このロイヤリティを研修生に求めるべきでない。日本流企業の人事制度や従業員教育制度がむしろ特別である。外国企業の従業員は労働力提供の対価としての賃金を求めて働いているという倫理観がすべてと思ってよい。
2)日本以外の国は年功序列賃金制度や企業内労働組合を持たない。従業員の福利厚生制度もない。従業員は転職を重ね自らの技量を売り物にする。外国企業は企業内訓練制度を持たないので、だめな従業員を雇用期間が途中でも解雇し、能力のある人材を雇用する。最近は例外もあるが、我が国のように正規社員が定年まで雇用期間の定めがないまま働ける環境にない。また、企業側が雇用している間に従業員の能力向上のための資格取得や研修制度を持たず、それを実施することはほとんどないと言ってよい。能力向上は自己責任との考え方である。
3)一神教ほど排他的である。宗教観の違いが全面にでることがある。(無神論者はいないに等しい)従って宗教論争は避けるべきである。
4)同族、家族、信頼した仲間間の連帯が強い。日本人が信頼を得るまでには時間がかかる。
5)多くの国は密告社会である。秘密警察の存在があり、諜報行為は正当化される。信頼できることがわかるまで本音を言わない。(言論統制)
6)相互扶助・共存関係が強い。富める者が貧する者を助けることが当たり前で、貧者の側にあってもそのことによって自己を卑下することはない。貧者がもっと下層の者に施しを行うことがある。(喜捨精神)
7)一般に物質的に質素であり、生活苦もあり、我が国の消費文化を経験していない。日本の歴史年代20年から30年過去を意識されたい。
8)研修なれがあり、ODA等の国際援助になれていて、この面の比較力が鋭い。特に研修手当や研修生活環境の良否についての研修生どうしの情報交換は仲間同士の日常的話題であり、至って目ざとい。日本ばかりでなく、韓国、中国などの同様な援助を受けた経験を持つ。
9)鍵社会であり、基本的に他人を信用しない。物がなくなるのは杜撰な管理のせいにされる。
10)契約社会で、文書による確認がいる。曖昧さが多い日本の契約とは大違いで、ゆとりや余裕がない。特に金銭の貸し借りはしっかり契約するか研修生には担保がないので、たとえ小額であっても貸借行為は避ける。