2日目は、吉野と高見の郷で桜を堪能するツアー、ホテルをチェックアウトし荷物を持って7時50分に京都駅集合。このツアーも移動の足と高見の郷の入園料だけが含まれていて、食事は各自で、到着後は出発時間まで自由行動、の我が家にぴったり。しかも集合は京都駅でも、帰りの時間に制約のある人は帰りは奈良駅で降りるというアレンジも可能だという。京都駅からはバス2台、奈良駅からはバス3台が出ているので、帰りに奈良駅で降りたい人は奈良駅で5台揃い踏みした時にバスを移動いただきます、という。
京都駅に到着予定時刻の1時間半弱後の新幹線を予約していたので、あまりに道が混んでいて危ういようだったら移動したいなと思い、京都駅でバスに乗った時に添乗員さんにどちらが良いか相談してみた。前日は京都駅着が8時を回った、今日は日曜日でどういう交通事情になるかわからない、行きは奈良駅で集合して5台一緒に動くけれど、帰りは高見の郷を出たら京都駅に向かう2台は途中トイレ休憩を挟んで移動(ここでまたタイムロスの可能性あり)、奈良駅に向かうバスはどこにも止まらず奈良駅に直行する、だから安全を見て奈良駅で降りたらどうでしょうか、と提案いただいてそのようにした。
奈良駅で荷物と一緒にバスを変えて、一路吉野へ。移動中添乗員さんから、過去数日雨だった、寒かった、雹が降った、と苦労話を聞かされ(主人曰く、こういう苦労話は関西人のネタとしては王道だそうだけど)、「皆様には新緑の吉野をご案内します」と(笑)。ただ、素晴らしいと思ったのは、当初吉野で3時間半、高見の郷で1時間半の時間を取る予定だったものを、吉野を1時間ほど縮めてその分満開の高見の郷の滞在時間を長くしたいが了承いただけないだろうか、という提案があったこと。こういう調整ってきっと駐車場のアレンジなどもあって大変だと思うのだけど、さすがプロだと思った。そして、この同じ話は京都駅でバスに乗った時に直後に案内がありすでに知っていたのだけど、添乗員さんによって話の持って行き方が違うなぁ〜と面白かった。
と言うわけで、吉野についた。最初の写真は黒門、金峯山寺の総門、高麗門様式。
我が家としては金峯山寺で特別公開されている蔵王権現を拝見しないわけにはいかない。
まず蔵王堂へ。単層裳階つき入母屋造の檜皮葺、安土桃山時代に再建された大伽藍
残念ながらその前にある4本ザクラはすでに葉桜になっていた。が、国宝の秘仏本尊金剛蔵王権現像が特別公開されていて、目の前についたての立てられた空間がいくつも作ってあって、そこで静かにお祈りができるように設えてあった。我が家も列に加わり、ラピスラズリだという印象的なブルーの最大秘仏の千手観音菩薩・釈迦如来・弥勒菩薩が変化して現れ、過去・現在・未来を救うとされるありがたいお姿を、真ん前に座らせていただき拝んできた。圧倒されて蔵王堂を出て、目についたのが脳天大神の文字。
この階段にビビりつつ進んだ
戻る頃にはゼーハー(苦笑)
戻ってきたところで、高齢の女性から「この先は長いのですか?」と聞かれたので、この写真を見せてあげたところ「わたしは、変形性膝関節炎なので無理だわね」と諦めておられた。たしかに、5年後にきていたらあたしも降りなかったと思う、ギリギリセーフである。気を取り直して南朝妙法殿へ。
本尊釈迦如来像は重要文化財とのこと。ろうそくとお線香をお供え
金峯山寺の国宝仁王門は現在大修理中。金剛力士立像は現在奈良の国立博物館で展示されている。私たちはそこで迫力の阿吽の立像を拝見して圧倒された。それもあって、この金峯山寺には絶対にお参りしたいと思っていた。
思いが叶ってハッピー、桜は葉桜だったけどそれはそれ、である。が、吉野といえば一目千本、ひとまずもう一つの世界遺産である吉水神社に向かう。途中、木々の間から除く蔵王堂の屋根をパチリ。
檜皮葺の屋根が新緑と絶妙のコントラスト
吉水神社
明治の神仏分離令で自社となったものの、源義経と静御前が身を隠したと言うエピソードも残る、修験宗の格式高い僧坊の一つであった。枯山水の小さなお庭が美しかった。どう言うわけだかものすごい人で、ここは境内だけを拝見して失礼した。
もっと上の方まで行くことも可能だったけれど、金峯山寺で十分吉野山を味わったという気持ちもあり、バスはドアを開けておくのでお店が並んでいて食事が取れずにバスに間に合わないなんてことがないように、買ってきてこちらで召し上がっても結構です、と言うアレンジなっていたこともあり、じゃあお店を冷やかしながらバスに戻ろう、ということにした。途中、煮筍や筍の天ぷらを串に刺したものを買って食べ歩き、葛粉や葛のお菓子を買い、いろいろある柿の葉寿司のお店のなかから、せっかくだから金峯山寺の門前のお店だよねと「やっこ」というお店で鯖と鮭2個ずつ入った4個入りとお稲荷さん6個入りのパックを1つずつ購入し、途中玉こんにゃくを串に刺したものを買って食べて、コーヒーをテイクアウトしてバスに戻った。あ、そういえば桜餅・草餅・葛餅1個ずつも(笑)。
途中そこだけ光が当たっているかのように輝くかえでが美しく思わずパチリ
グループの中で一人道に迷った方が出たけど、その方は5台のうちのどれかが出発するまでには間に合うだろうから次から合流してもらいましょうということになり、あたしたちが乗った1号車はほぼ予定通り吉野を後にして高見の郷へ向かった。なんでも数日前にNHKが放送していたそうで「ここは、これから絶対人気が出ますよ、みなさん先取りですわ」と添乗員さん絶賛自画自賛(笑)。私たちは前日会った「ボクの企画なんです」とおっしゃっていた若い添乗員さんの顔を思い浮かべて「彼は殊勲賞だね、よかったね」などと話した。
高見の郷は林業の衰退で山が荒れるのを見て、桜で山の有効活用をと思いついたこの山の持ち主が19年間枝垂れ桜の木を植え続けた、1000本の枝垂れ桜が咲く谷。開園するのは桜の見頃の時期だけのようだけど、地元の方たちが総出でマイクロバスを運転したり案内をなさっている。茶店もあり桜の下でゆっくりできる場所もあるので、確かにこれから人気が出るだろうなと思った。桜はこれからどんどん成長してゆき、それに伴ってもっと立派な花を咲かせるだろうし、もともと林業を営んでおられたかたたちのこと、山のことはお詳しいだろうから発展していくだろう。吉野の桜が散ってもこちらがまだ咲いていれば、観光ルートとしても長い期間ハズレがなく桜を楽しめるだろうし。吉野と補完的な関係で地元の産業として発展していって欲しいものだと思った。
桜の木の間に木の株が残っているのを見て、これを切って桜を植えたんだね、なんて話しながらぶらぶら歩いて、写真撮って、を延々。
展望台からは桜が雲海のように見える
山奥の桃源郷って感じ
こうやって歩ける場所もあり、茶屋もある
同じ日に撮った写真はこっちにも
これからもどんどんと植林していくのだろうなぁと思った。というわけで、新緑と枝垂れ桜を堪能して一路奈良駅へ。奈良からはJRで京都に向かい、9時の新幹線に楽々間に合う7時半に到着。ギリギリセーフで駅弁かしらんと諦めていた日曜日の夕食だったけど、いろいろ結果オーライ。伊勢丹の上でたまたま空いていた京料理・生ゆば料理の松山で窓際の席をいただき、新幹線の出発時刻を伝えてサクサク出していただいた懐石料理で、お腹も心もいっぱいになって、のぞみで帰京。ケバさんはキャットシッターさんに可愛がってもらえてつやっつやでお迎えしてくれた。
さ、今週は出張もあるし忙しいぞ、がんばるじょ〜
充実した奈良の観光。天気も良くよかったですね❗お腹も満たしたようですし😃
そして 春はなんといっても 吉野ですね。
高見の郷が とっても素敵~~
枝垂れ桜、知らなかったね。賢くなりました
いつものお見事な旅日記、楽しく拝読させていただきました・・・ありがとう・・
真ん中に手すりがある長い石段を見て 数年前にあえぎつつ登った お四国巡礼を思い出しました。
ひざの悪い人は 降りる時に痛いんですよね。
桃源郷の桜は雲海のように美しいですが 葉桜の新緑も目に優しくて これもまたいいですね。
kebaさんのように 仕事の一区切りに旅するって とてもお値打ち旅だと思います。
自然って本当に美しい、お写真も素晴らしい、思わず溜め息、笑顔です。
素敵な旅日記をありがとう♡
とはいえ土曜日は変わりやすい天気で、偶然降ってる時にうちの中にいた、という悪運の強さでした(笑)
また行きたいな〜
欧米と東南アジアの観光客も多かったです、
ちょうどイースターのお休みを利用して来てたのかな。
高見の郷は本当に美しかったです、おすすめです。
しかも下から徐々に開花するはずなのに一気に満開になった、とのこと。
でも、お陰で楓の新緑の美しさに目覚めました。
枝垂れ桜は見事でしたよ
でも、それぞれの判断ですから、つけておられる方も多かったです。
この階段を登った日のスマホの万歩計は52階分の上下移動があった、との表示。
たぶんこの階段だけでも片道10階分は稼いだと思います(笑)。
葉桜のフレッシュな緑も雲海のような桜も、本当に美しかったです。
仕事と息抜き、上手に組み合わせて楽しみたいと思います!
今回は本当に美しい場所を、いちばんのタイミングで訪れることができました。
ね、自然は本当に美しいです。
雄大でもあるけど繊細でもあるので、大事にしなければならないと思いました。