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ベルクグリューンが敬愛しその作品を選りすぐって収集した彼の同時代の芸術家たちは、パブロ・ピカソのほかには、アンリ・マティス、パウル・クレー、アルベルト・ジャコメッティ。最初の写真は、ベルクグリューンがパリで経営していた画廊で開いた展覧会のポスターの図案。アンリ・マティス1952年の作品。当時は珍しかった、切り絵という手法に興味を持ったのだとか。
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セザンヌ夫人の肖像 セザンヌ
4人のアーテイストが揃って師と仰いだのがポール・セザンヌ、モダンアートの始祖。そのセザンヌもベルクグリューンの珠玉のコレクションの一角を成す。上の作品は、セザンヌの妻マリー・オルタンスの肖像。
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セザンヌを師と仰いでいたジャコメッティが試みた、お師匠さんの「セザンヌ夫人の肖像」(写真左奥)の模写を含む作品。セザンヌ夫人が元の作品より心持ちほっそりしているのは、自らの芸術観に則って引き伸ばしたからだとか。たしかにジャコメッティの作品って、細く縦に長い作品が多い。あたしはいつも、冬の夕方の地面に伸びる自分の影を見てるような気持ちになる。お師匠さんの奥さんの顔だからむげに引き伸ばせなくて、この程度で収めたのかしらん(笑)。
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夢の都市 クレー
パウル・クレーは音楽家の家庭に育ち、自らもバイオリンの腕はプロ級、妻もピアニスト。売れない画家時代は、奥さんがピアノの先生をして家計を支えたらしい。この絵は写真ではわかりにくいかもしれないのだけど、真前に立って観てると絵の中のものがスイングしているように見える。唯一動かないのが右下あたりにあるキノコが生えたみたいなところ(これは私は勝手に木だと思っている)。本来風に揺れるはずの木々がゆらりともせず、本来動かないはずの建物がスローモーションで動いてる様子は、地震がある日本では「それもありかな」な着想だけど、地盤の固いスイスでは夢の中にしか出てこない都市だろうなぁと、しばし佇んでしまう。
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「運命」と言われたら、素直に考えればベートーベンの交響曲第5番運命のことだと思うのだけど、改めて5番を聴いてみると、第二楽章にちょろっとしかファゴットのソロパートがない!しかもあんな血走った目で演奏するような、超絶技巧が要るようなもんじゃない。ってことはこれは5番のことじゃないのかなぁ?それともファゴット奏者のデビューの日で、ソロパートに向けて心臓がドキドキバクバクなのだろうか?こういうとき、図録を買えばよかったと思う。と思うくせに、いつも重いので買わないkebaでもある。
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雑誌Verve第4巻13号の表紙図案 マティス
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縄跳びをする青い裸婦 マティス
マティスの切り絵は、文句なく楽しい。色使いといい構図といい、いまいちパッとしない油彩の作品(個人の感想です)と対照的。この人、筆じゃなくてハサミとノリを持つべきアーテイストよね、って思ちゃう。その色彩の妙を切り絵では遺憾無く発揮するマティスだけど、筆を持ったら色は諦めたほうがいいと思ってるあたし(なぜだか上から目線)。
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家に住まう沈黙 マティス
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オパリンの花瓶 マティス
オパリンとはベネチアン・ミルク・グラスやブリストルのホワイト・グラスを目指して開発されたフランスの不透明なガラスで19世紀フランスで人気を博したのだそう。は、さておき。こういう画風はすきなんだ。でもなぜだかマティスの有名作品は油彩に多く、あたしの琴線には全く触れない作品が多い気がする。
マティスといえば、、、エルミタージュ美術館の別館にマティスの部屋があることを思い出した。切り絵ではなく、「赤い部屋」「ダンス」など、油彩のコレクションが凄まじかった。
もうロシアの地に足を踏み入れることはないだろうなぁと思うと、残念。あの時お世話になったドライバーのヴァレリーさんや、ガイドのエレンは、元気にしているだろうか。
と、しんみりしたところで今回の展覧会報告は以上でござる。本当に見応えのある展覧会だった。ベルクグリューン美術館のサイトによると、2025年まで閉館、コレクションは海外で展示とあった。東京で来年1/22まで展示された後、大阪の国立国際美術館に2/4-5/21の予定で巡回し、その後未定ながら上海と北京での展示を経て、2024年秋にはオランジュリー美術館(モネの睡蓮があるところ)、という5カ所での展示が予定されているようだった。各地で多くの人を魅了することだろう。5カ所の旅を事故なく終えて、改装なったベルリンの美術館の展示室に無事に戻れますように。
事故なく、無事に、本当にそう思わされることが今、この瞬間起こっている。BBCのアプリでニュースを見ていた。
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急遽スタジオに切り替わった
ロシアのエスタブリッシュメントの中から出てくるプーチン批判は、「作戦が手ぬるい」というものなので、プーチンはより強硬な手段を講じるプレッシャーがかかっているとBBCが伝えている。これが例の橋の破壊への報復であることは明らか、多分プーチンは何もしないというチョイスはなかったのだろう。現地時間の日曜日の夜ザポリージャでミサイル攻撃があり、現地時間月曜日朝にキーウ、リビウ、ドニプロを含む都市へミサイル攻撃があった。キーウ市長は市内の重要インフラを破壊された、リビウ地方の知事はエネルギーシステムが破壊された、と言っている。死者も出ている。
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ケバ様が仰せです。もうたくさんです。あたしは、当然プーチンがこの戦争の全責任を負うべきと思うし、ウクライナ人には同情するけれど、NATOを使って火遊びするゼレンスキーも信用できない。
大阪に来たら見に行こうかな。
来年の話ですけど(笑)
日本初公開の作品もいくつかあります。
「クレーの宇宙」と題して、クレーだけのセクションがあり、35作品展示されています。
技法も材質も様々で、お好きなら楽しいと思います。
ぜひ
鬼が笑う話ですけどね