試合後、プレスからの要請があった場合に開かねばならないとされていた記者会見を、大坂なおみ選手がボイコットを宣言し、それを実行した。
唐突感はいなめない。直前にツイートするんじゃなくて、もっと丁寧に根回しすべき内容だと思う。
あたしの仕事は、長い期間準備されてきたプロジェクトに最終段階一歩手前で加わることが多い。常に意識しているのは、自分以外に多くの人たちが自分よりも長くそのプロジェクトの準備に関わっている、顔すら合わせることがないような人たちも含めて、全員で一つのチームなんだってこと。あたしはその中で与えられた役割があり、その道のプロとしての周囲の期待を裏切ってはならない、そのためには事前準備も、当日の業務のパフォーマンスも立ち居振る舞いも全部含めてプロフェッショナルであるべき、ということ。そのためには睡眠時間を削って調べ物をしたり、週末を仕事の準備で潰すことも少なくない。それでも楽しそうに仕事をする人でありたい、と思ってるのは、チームだからって意識がベースにあるのかな、今こうやって書いていてふと思った。
主催者が大会追放すらチラつかせて、大坂選手は4大大会全てから締め出される可能性すら出てきた。大会が大金がかかったプロジェクトであることを考えれば、当然かもしれない。露出が少しでも増えることを望むスポンサーも、記者会見ボイコットに決していい顔はしないだろう。自分の目に入る「チーム・ナオミ」だけじゃなく、自分が出場する大会のボランティアも含む全ての関係者も、スポンサーも、みんながその大会プロジェクトのチームメンバーなんだって、だから「理解が足りない」とか言ってないで、ちゃんと向き合わなきゃ。
アドバイスしてあげる人、いなかったのかなぁ。
追記:こんな展開(他の選手がこの件で見解を聞かれたりすること?)になるとは思っていなかった、2018年からうつ病に悩まされていた、フレンチオープンは棄権する、と本人が発表した。セリーナ・ウィリアムズは速攻で自分も経験がある、サポートする、と発表。セリーナ、素敵、大好きよぉ〜。はさておき、大坂選手が持つお金に吸い寄せられてくる人たちの中には、彼女の利益に反することであったとしても彼女を使おうとする人がいるだろう。それを心配していたけど、うつ病だったとのこと。そうであれば、科学的根拠のある治療に専念してほしい、セリーナのような人たちの助けも借りながら。
その時の落ち込み様も普通でなかったです。
「私はダメ」みたいなことを繰り返し言う彼女を、コーチは「大丈夫だ」と励ましていましたが、あのコーチも辞めましたね。
仕事がメンタルサポートになっていました。
普通、コーチってどこまでやるのか知りませんが、メンタル専門の人を付ける必要があるみたい。
昔、更年期障害で漢方の専門医にかかっていた時、その医者が、自分も漢方についての講演をよく頼まれるのだが、大勢の前で話すのは緊張するので(漢方薬でなく)、いつも講演前に抗不安剤を飲んでいると聞いて、内心『ええっー?!!』と思いました。
大坂選手も抗不安剤を飲めばよいのでしょうが薬物で引っ掛かるかもです。
難しいです。
コーチは辞めたのではなく辞めさせたのだと記憶しています。結果を出してくれたコーチを切った時に違和感を感じてましたが、きっと鬱の成せる技だったのでしょうね。
2018年のUSオープンの勝利者インタビューで満員のスタジアムのブーイングの中サンバイザーを深くかぶって涙を隠して「勝ってごめんなさい」と答えた大坂選手の姿は今でも覚えてます。
黒人と結婚した母が祖父に勘当されてアメリカに移住、アメリカでは優勝してもブーイング、オリンピックには恩ある日本の代表として出場予定、日本の皆さんへメッセージをで苦手な日本語を披露させられる、自分は何者なの?自分はどこに居てもアウェーじゃん、って考えたら鬱にもなると思います。
アイデンティティから始めなきゃならないとしたら、道は長いと思います。でも負けないで欲しい。